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３月17日の公開討論会での鈴木（左）、石川両氏

３月21日告示の北海道知事選挙。その戦いの構図は、自公が推す鈴木直道前夕張市長（38）と、革新系野党統一候補の石川知裕元衆議（45）による新人同士の一騎打ちでほぼ固まりそうだ。
告示日を間近に控える３月17日から、知事選関連の集会が相次ぎ行なわれている。両陣営とも遅きに失した感は否めないが、事実上の選挙戦がようやく熱を帯びてきた格好だ。
なお告示日第一声は鈴木氏が安平町、石川氏は厚真町と、いずれも先の北海道胆振東部地震で大きな被害を受けたまちで行なわれる。

討論会場はやや空席も目立っていた

３月17日に日本青年会議所北海道地区協議会の主催で行なわれた、札幌市中央区・アスティ45での公開討論会。「社会保障における優先課題」、「多子社会実現に向けた支援策」、「ＳＤＧｓ推進に向けての考え」、「中小企業活性化策」、「防災減災対策」などについて議論が進められた。その模様は、動画サイト・YouTubeのまるごそ北海道JCチャンネル（https://www.youtube.com/watch?v=3m8hwrs9Keo）で配信されているので詳細は省くが、気になったのは観覧客数。定員300人のところ、訪れたのは200人程度。比較的外出する人が少ないと見られる日曜の夕方の開催というのも影響したかもしれないが、この時点での一般有権者の関心の低さは、これからの本選においても大いに気になるところだ。
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総決起大会の檀上に向かう鈴木氏

３月19日には札幌市中央区の札幌パークホテルを会場に、鈴木氏の後援会「活力あふれる北海道の未来を実現する会」の設立・総決起大会が行なわれた。前述した公開討論会とは打って変わり、ここでは用意したおよそ１２００脚の席が埋まり、立ち見も出るほど人が溢れていた。

来賓には自民党本部から幹事長の二階俊博衆議が訪れるなど、政権与党とのパイプの強さを暗に示したほか、東京都職員時代の上司である石原慎太郎元東京都知事、野球日本代表（侍ジャパン）の 稲葉篤紀監督からも激励のビデオメッセージが寄せられた。
「鈴木君、おめでとう。そしてありがとう。本当によく決心してくれた。“自ら反（かえり）みて縮（なお）くんば、千万人と雖（いえど）も吾往かん”（※自分の心を振り返ってみたときに自分が正しければ、たとえ相手が千万人であっても敢然と進んでこれに当たろう、の意）。この孟子の言葉通りの決心だと私は思います。」（石原慎太郎）
石原氏のメッセージにある孟子の言葉は、鈴木氏が夕張市長に就任した際にも送られた言葉だったという（本人談、同集会での決意表明にて）。かつて勤めた行政府の元トップにエールを送られ、所は違えど同じ知事を目指す。鈴木氏の心境はいかばかりのものだったろう。




石原氏（上）、稲葉氏のビデオメッセージ

ただこの集会では、気になった点もいくつかある。
まずは経済団体の代表として挨拶に立ったのが北海道農協政治連盟の飛田稔章会長だったということ。本来なら北海道商工会議所連合会の岩田圭剛会長や北海道経済連合会の髙橋賢友会長といった北海道における経済団体のトップが立つに相応しい場だ。だがいずれも、先の候補者選考で和泉晶裕国交省北海道局長を推していた立場。そうした経緯からばつが悪かったのだろうか。
また、候補者選考の折には多くの道内自治体首長も鈴木氏擁立に否定的だった。この集会では31の市町村から代表者が訪れたというが、この数字は果たして多いのか少ないのか。


二階氏は「当選はするでしょう。ですが堂々と相手を飲み込むくらいに票を稼いでください、皆さん」と、支援者らに奮起を呼び掛けた


1200人強の支援者とともにガンバローコール

明日３月20日夕には、玉城デニー沖縄県知事を招いた石川陣営の集会が札幌市中央区のロイトン札幌で行なわれる。
告示に向け、両陣営は既に臨戦態勢のようだ。