
2025年01月20日
ジャバン・フード・セレクションでグランプリを受賞した根室・兼由の「ほたてのバジル」 二次加工メインに成長軌道へ
自社の商品を背に栄冠を獲得した「ほたてのバジル」と表彰盾を掲げる濱屋社長(12月23日、根室市内の本社で)
根室市落石の水産加工会社、株式会社兼由(かねよし)のレトルト商品「ほたてのバジル」が、2024年7月に開催された第77回ジャパン・フード・セレクション(一般社団法人日本フードアナリスト協会主催)の食品・飲料部門でグランプリを受賞し、人気を博している。バジルの甘い香りとガーリックソースの酸味がベビーホタテとマッチした逸品。同社では同商品をはじめ、さまざまな魚介類を素材にした約30種類のレトルト商品を製造、販売している。 (こ)(く)

落石漁港にある兼由の本社
兼由の創業は大正初期で、当時は、サケマスやサンマ漁を手がける漁業会社だった。その後、サケやサンマを三枚おろしにするなどの一次加工にも進出、漁業会社から徐々に業態を転換していった。
かつての根室では、水揚げ高とともに一次加工も隆盛を極めたが、2015年のロシアによる排他的経済水域(EEZ)でのサケマス流し網漁の禁止などで漁獲量が大きく減少。地域の看板魚種であるサンマも往時の勢いがなくなってきた。この流れを受け、15年に実父の先代から社業を継いだ濱屋高男社長(44)は、二次加工のウエートを高めていくことにした。
当初はサンマやイワシの煮付けが中心だったが、生産設備を増強して20年以降はホタテ、ホッケ、サバ、サケといった根室産などの魚介類を使用したレトルト商品の種類を増やし、現在では二次加工の割合が9割近くを占めるまでになった。
今回、グランプリを受賞した「ほたてのバジル」の味付けは、同社の若手社員らによるもの。「最終的に私が判断しますが、味付けは基本的に社員たちに任せています。当社の商品は基本的に薄味。それが多くの方々に受け入れられている」と濱屋社長。
同社のレトルト商品は常温保存が可能で、開封すればそのまま食べることができる。「今回の受賞を追い風に、商品の種類を増やし、魚介類の消費拡大に繋げたい」と濱屋社長は話す。
同社商品は、根室市内のスーパー各店舗のほか、百貨店、北海道のアンテナショップ、自社を含めたECサイトで販売。道内に初進出した「ロピア屯田店」(札幌市北区)でも買い求めることができる。
Posted by 北方ジャーナル at 12:50│Comments(0)
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