2025年01月21日
北方ジャーナル2月号の誌面から 巻頭言「メディアの驕り」

今月の巻頭漫画「親中三兄弟ラーメン 不味そう…」(画:石川寿彦)
現在発売されている北方ジャーナル2月号の巻頭言で、私は「メディアの驕り」と題し、次のように書いた。 (く)
メディアの驕り
98歳で亡くなるまで読売新聞グループ本社代表取締役主筆の肩書きを持っていた渡邉恒雄氏に関する評伝に触れて思ったのは、「ひとつの時代が終わった」ということだ。
かつて世界最大とも言われた1千万部という部数を背景に「政界も法律も読売が書いた通りになる」と豪語していたという渡邉氏。その真偽は確かめるべくもないが、戦後のマスコミ界に君臨し、プロ野球や角界への関与を含めて大きな影響力を行使していたことに疑いの余地はない。
だがどうだ。ネット社会の進展とともに彼の権力の拠り所だった新聞テレビは衰退し、今では「オールドメディア」と称され、時に報道のあり方をめぐって「マスゴミ」とさえ言われる始末だ。
私はこのような状況の原因のひとつにメディア自身の驕りを感じ取る。事実に寄り添うというより、渡邉氏ではないが自らが事実をつくりあげていく傲慢さだ。この傲慢さが時に捏造や誤報を生み、情報への多様なアクセスを獲得した読者から見放されることにつながってきたのではないか。
伝えることを生業にする者にとって、何をおいても謙虚になるべきは事実だ。衰退したのはネットのせいばかりではない──。
98歳で亡くなるまで読売新聞グループ本社代表取締役主筆の肩書きを持っていた渡邉恒雄氏に関する評伝に触れて思ったのは、「ひとつの時代が終わった」ということだ。
かつて世界最大とも言われた1千万部という部数を背景に「政界も法律も読売が書いた通りになる」と豪語していたという渡邉氏。その真偽は確かめるべくもないが、戦後のマスコミ界に君臨し、プロ野球や角界への関与を含めて大きな影響力を行使していたことに疑いの余地はない。
だがどうだ。ネット社会の進展とともに彼の権力の拠り所だった新聞テレビは衰退し、今では「オールドメディア」と称され、時に報道のあり方をめぐって「マスゴミ」とさえ言われる始末だ。
私はこのような状況の原因のひとつにメディア自身の驕りを感じ取る。事実に寄り添うというより、渡邉氏ではないが自らが事実をつくりあげていく傲慢さだ。この傲慢さが時に捏造や誤報を生み、情報への多様なアクセスを獲得した読者から見放されることにつながってきたのではないか。
伝えることを生業にする者にとって、何をおいても謙虚になるべきは事実だ。衰退したのはネットのせいばかりではない──。
6月14日発売の7月号のトップは、北大名誉教授・三島徳三さんに訊く「“令和の米騒動”の真相と深層」だ
5月15日発売の本誌6月号のトップは、独自に深層を掘り下げた「「森町国保病院 巨額不正請求事案の怪」だ。
4月15日発売の本誌5月号のトップは「乗っ取りに揺れるフットサル場“蹴”」だ。「旭川いじめ凍死」公開シンポの報告も
3月15日発売の本誌4月号のトップは「札幌のフットサル場で起きた異変 突然解任された取締役が怒りの告発」だ
2月15日発売の本誌3月号のトップは「旭川いじめ凍死事件の深層④ 元校長が証言 “誤報道の嵐で引き裂かれた尊厳”」
1月13日発売の本誌2月号のトップは「旭川少女凍死事件の深層 元校長が証言 “私が広瀬爽彩さんと過ごした3カ月”」だ
5月15日発売の本誌6月号のトップは、独自に深層を掘り下げた「「森町国保病院 巨額不正請求事案の怪」だ。
4月15日発売の本誌5月号のトップは「乗っ取りに揺れるフットサル場“蹴”」だ。「旭川いじめ凍死」公開シンポの報告も
3月15日発売の本誌4月号のトップは「札幌のフットサル場で起きた異変 突然解任された取締役が怒りの告発」だ
2月15日発売の本誌3月号のトップは「旭川いじめ凍死事件の深層④ 元校長が証言 “誤報道の嵐で引き裂かれた尊厳”」
1月13日発売の本誌2月号のトップは「旭川少女凍死事件の深層 元校長が証言 “私が広瀬爽彩さんと過ごした3カ月”」だ
Posted by 北方ジャーナル at 00:01│Comments(0)
│編集長日記
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