2020年04月16日
北方ジャーナル5月号、絶賛発売中
拡散大成功!?(5月号の巻頭漫画より) 画・石川寿彦
なんという眺めだろう。昨年12月、中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスは瞬く間に地球を覆い尽くし、世界の人々を恐怖に陥れている。感染爆発を起こした中国や欧米などと比べ持ちこたえていた我が国も4月7日に緊急事態宣言が発令されるに至り、緊迫の度合いはいや増すばかりだ。
2003年の「SARS」(重症急性呼吸器症候群)と比べ桁違いに感染力が強い新型ウイルスは人間の生命をおびやかし、経済をフリーズさせ社会の死を招き寄せる──。そんな未曾有の事態の中、足元の北海道では何が起きているのか。
本号ではとりわけ影響が大きい観光や飲食分野に注目。ニセコエリアや小樽の現状、防疫体制が世界から注目されている台湾からのレポートも併録した。
道の緊急事態宣言後、人通りが途絶えたススキノ地区(3月2日夜、札幌市中央区)
この5月号の巻頭言で私は次のように書いた。
荒療治
危惧していた「コロナ不況」が現実のものとなり、我が社の周りでもとりわけ観光系や飲食系のクライアントの皆さんが死活問題に直面している。かくいう本誌も無傷ではいられない情勢だが、不気味なのはこの流れが他の業種にもじわじわ広がって行く気配があることだ。
マネーはひとの体に例えれば血液のようなものだ。血のめぐりが悪くなったり血管が詰まれば細胞が栄養不足に陥り壊死するように、その流れが止まれば個人や企業もやがて立ち行かなくなる。そしてこのマネーはひとが動くことで流れが生まれる。厄介なのは、ウイルスの広がりがここにリンクしていることだ。それゆえ、いま我が国と世界はウイルスを抑えるため、ひとの動きを止めることに躍起になっている。
これが荒療治なのは言うまでもない。極端に言えば患部を治療するためにいったん心臓を停止させるようなリスクを孕んでいるからだ。手術後に心臓が再び正常に動き出す保証はなく、合併症が残る危険性もある。そして停止させておく時間が長くなればなるほど救命率は下がる──。
新型コロナウイルス感染症との闘いは、時間との勝負でもある。
(く)
Posted by 北方ジャーナル at 15:26│Comments(1)
│編集長日記
この記事へのコメント
これだけ緊急事態宣言がでていますが、札幌の本庁には毎日いつもと変わらない数の職員が出勤しています。何人かの職員に在宅勤務はしないのかを尋ねたところ、30分や1時間程度の時差勤務はしているが在宅勤務をしろとは言われていない、したくても在宅勤務ができるような環境が整っていない(職場のメールが確認できない、職員に携帯電話などが与えられていないなど)とのことです。仕事柄道庁の職場には顔を出すことが多いですが古い建物であるため空気清浄機などもないし換気が悪い、職員同士のSocial distanceが全く守られていない、狭い、在宅勤務などをしていないことからまさに三密状態であり、いつ道庁から感染者が続出してもおかしくありません。鈴木知事は何をやっているのでしょうか?また、困っている飲食店やホテル業界を本気で助けたいのならば、すでに予算が割り振られている観光や国際交流関連の部署のすべての事業を中止にしてほんとに困っている道内経済へ向けるべきです。
Posted by 北海道庁は道民をばかにしています at 2020年04月25日 11:55
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