2021年06月08日
「吉田学長のパワハラは、まだ認定されていない」 旭川医科大学の正常化を求める会の発起人がマスコミの“拙速報道”に苦言

2020年1月28日に開かれた記者会見での吉田学長(左)と旭川医科大学病院の古川博之病院長(当時)
「パワハラは、まだ認定などされていません」
6月3日、「旭川医科大学の正常化を求める会」の発起人のひとりである現役教授は記者にこう話し、慎重な姿勢を崩さなかった。
旭川医大の吉田晃敏学長の辞職・解任を求める学内外の声に押される形で学長選考会議が設置した第三者による調査委員会。札幌弁護士会所属の3人の弁護士が3カ月あまりの調査を終え、6月1日に同会議に報告したことを受けて大手メディアが「旭医大学長 パワハラ認定」(北海道新聞・同月2日付け)、「学長の“辞めろ”発言認定」(朝日新聞・同月3日付け)などの見出しで大きく報じたことに対しての発言だ。

旭川医科大学
「調査委員会の皆さんには私たちが提出した資料をはじめ、吉田学長に関して集まった情報を丹念に精査していただいたと思っていますが、まだ学長選考会議で何かが決まったわけではありません。調査委の報告内容の一部が外部に漏れた結果かどうかは知りませんが、これから吉田学長本人の弁明を聞く機会も残されています。素直に言って、今の段階で彼のパワハラが認定されたかのような報道は、かえって本人に有利な材料を与えることにもなりかねません」(同教授)
同教授の危惧を裏付けるような報道が6月3日付の読売新聞であった。掲載記事によれば、吉田学長は代理人を通して5月30日付で文書を選考会議に送付。この中で「審査の進め方が異常に拙速だ」などとして慎重な審査を要請したといい、調査委が本人に聞き取りをしないまま調査結果をまとめたことも問題視しているという。「解任ありきの拙速な審理だ」として本人が同会議を牽制したかっこうだ。
「マスコミは(解任に向けて)吉田学長に王手がかかったと書きたいのかもしれませんが、事実は王手の前段階でしかありません」と、くだんの教授は強調し、拙速な審理ならぬ「拙速な報道」に苦言を呈した。
学長選考会議は吉田学長の弁明の機会を設けた後、6月中にも本人の処分について結論を出す見通しと伝えられているが、どうやら吉田学長、まだまだ徹底抗戦の構えのようだ。(く)
Posted by 北方ジャーナル at 00:57│Comments(0)
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