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2008年07月14日

交通事故で植物状態となった患者を受け入れる専門病床

交通事故で植物状態となった患者を受け入れる専門病床
ナースステーションからは入院患者のバイタルや病室の様子をモニターチェックできる

 中村記念病院(札幌市中央区)は、昨年12月に交通事故による脳損傷で重い後遺症害を負った患者を治療、看護する専門病床を独立行政法人の自動車事故対策機構(略称NASVA=ナスバ・東京)からの委託を受けて開設。道内で唯一、全国でもわずか6カ所しかないこの専門病床は、6床からスタートし、現在は12床で運営されている。

交通事故で植物状態となった患者を受け入れる専門病床 交通事故の際に大きな衝撃などによって脳に重大な損傷が起こると、たとえ一命をとりとめても遷延性意識障害(植物状態)に陥ることがある。遷延性意識障害とは次の6項目が治療を受けても3カ月以上続く状態を指す。



1.自力移動不可能
2.自力摂食不可能
3.失禁状態
4.たとえ声は出しても意味のある発語は不可能
5.「目を開けて」「手を握って」などの簡単な指示にはかろうじて応じることもあるが、それ以上の意思の疎通は不可能
6.眼球はかろうじて物を追っても認識はできない

 交通事故による遷延性意識障害者の実数は把握されていないが、患者たちは適切な治療と看護による回復の可能性があるにも関わらず、一般の医療機関では回復の見込みが少ないとして長期間の入院は難しいと敬遠されがちだ。こうした現状を改善しようと、交通事故被害者の支援事業などを行なっているナスバは、自動車事故による遷延性意識障害の患者を受け入れる専門のセンターをこれまで全国に4つ(宮城、千葉、岐阜、岡山)設置してきたが、長い間北海道と九州には1床もない空白地帯となっていた。このような状況を踏まえてナスバは北海道と九州では既存の医療施設内に専用のベッドを設置して運営を委託する手法で昨年の6月に公募を行ない、中村記念病院が委託された。

交通事故で植物状態となった患者を受け入れる専門病床
病室は他の一般病床に比べかなりゆとりのある空間に

 専門病床と一般の病床の大きな違いはその看護体制。
「同じ看護師が一人の患者さんを退院までずっと継続して受け持つプライマリー・ナーシング方式による手厚い看護が大きな特徴です。まさにマンツーマンの看護といえますが、24時間看護も実施していますので、実際には患者さん一人に対して1.4人の看護師が付いていることになります」(中村博彦院長)
 専門病床は5階にあり、5室で12床。病室は車いすなどでも移動しやすいよう4人用であった部屋を2人の患者の入院スペースとするなどゆとりが持たれている。現在、入院患者は道内各地の20代から70代までの男女計8人で、そのうち20代が5人。患者のわずかな変化も捉えられるように病棟のナースステーションにはモニターで病室の様子が一目で分かるようにし、バイタルサインもチェックできるようにしている。リハビリは専門の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が当たる。

 同病床に入院できるのは急性期の治療を終えた遷延性意識障害の患者。入院するには主治医の紹介を受け、院内外の専門医10人の審査が必要。入院期間は原則として最長3年間で、治療や入院費は健康保険が適用される。専門病床についての問い合わせは、主治医か同院医事課(・011・231・8555)まで。




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