2008年05月06日
赤羽喜六vs原田宏二「内部告発対談」実現

5月15日発売の本誌6月号に、「内部告発は社会を変えられるか」と題した対談が掲載される。
4月24日夕、札幌市内。ミートホープ元常務の赤羽喜六氏と、市民の目フォーラム北海道代表の原田宏二氏が初めて顔を合わせ、社会改革の手段としての内部告発について語り合った。
元社長の田中稔氏が詐欺と不正競争防止法違反で逮捕・起訴されるに到った“牛ミンチ偽装事件”は、3月19日の判決公判で同氏に懲役4年の実刑判決が言い渡され、氏もこれを受け入れる形で幕を下ろした。しかし、一連の畜肉偽装事件は同社だけがその責を負うべき不祥事だったのか。元常務の赤羽氏が、内部告発を果たしたのちも監督官庁に当時の対応を質し続けなくてはならなかったのは、なぜなのか。一民間企業の暴走の背後には、その暴走を許した構造的な問題が横たわっているように感じられる。いかにも、事件はまだ終わっていないのだ。
ことは、ミートホープ事件に限った話ではない。たとえば4年前、元道警釧路方面本部長の原田氏の証言でその詳細が明るみに出た道警の不正経理問題。不祥事の舞台が片や民間企業、片や官公庁という違いこそあれ、両者の背景はよく似ているのではないか。一気に市民の耳目を集めたのち、報道の沈静化とともに「終わった」ことになってしまう側面も――。
対談では、組織ぐるみの不正が抱えるそうした側面と、内部告発という行動が社会にもたらす影響、そして告発によって人生が変わった当事者の思いなどが話題に上った。とりわけ、孤立無援の闘いを余儀なくされた赤羽氏の苦悩が吐露される部分では、事件報道の行間からはなかなか見えて来ない内部告発者の悲哀が浮かび上がり、一人ひとりが不正に直面した際にできることは何なのかを考えさせられる。昨年6月の事件発覚からまもなく1年、頻発する食品偽装事件の代名詞的不祥事が一時の風のように過ぎ去ろうとしている今こそ、何も「終わっていない」ことを確認する必要があるだろう。 (ん)
※「市民の目フォーラム北海道」HP … http://shimin-me.net/
Posted by 北方ジャーナル at 21:51│Comments(0)
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