2018年10月11日
胆振東部地震を乗り越え、新千歳空港国際アニメーション映画祭11月2日開幕へ
挨拶する名誉委員長古川タク(左端)ら実行委員会のメンバー(10月10日、札幌市内中央区)
【リアルエコノミー提携】第5回新千歳空港国際アニメーション映画祭(実行委員会主催)が11月2日(金)から5日(月)までの4日間開催される。空港ターミナルビルの映画館「ソラシネマちとせ」などを利用した映画祭で、国内外から募集したコンペティション作品や招待作品の上映が行なわれる。北海道胆振東部地震の被害を受けたターミナルビルでの開催は当初危ぶまれたが、10月6日に映画館を含めてビルは完全復旧、予定通り開催されることになった。
久野遥子氏が担当した今回の映画祭のメインビジュアル
Illustration by Yoko Kuno
映画祭は、「コンペティション」「招待作品」「展示ワークショップ」の3部門に分かれて開催される。コンペティション部門では、86の国と地域から過去最多の2043作品の応募があり、1次選考を経た海外40作品、国内12作品などが上映される。今回から新たに30分以上の長編作品の応募も受け付け、25の国と地域から49作品が集まり5作品がノミネート上映される。国際審査員などの審査を経て最終日に各部門のグランプリや新人賞が決まる。
「招待作品」の上映では、11月3日に手塚治虫生誕90周年を迎えることから日本初の長編TVアニメシリーズ『鉄腕アトム』の初回モノクロ作品や、日本テレビの伝説的テレビ番組『11PM』で放送されたクリヨウジ氏の『ミニミニアニメーション』、TVアニメシリーズからセレクションした『ポプテピピック』がそれぞれ上映される。
さらに新海誠監督の代表作『秒速5センチメートル』を世界初の爆音上映、『リズと青い鳥』を音楽ライブ用機材を使った迫力音響で上映し、山田尚子監督も舞台挨拶する。
人気声優を招いたプログラムでは、TVアニメ『少女☆歌劇レヴュースタァライト』から小山百代(愛城華恋役)、相羽あいな(西條クロディーヌ役)、『ゴールデンカムイ』の小林親弘(杉元佐一役)、白石晴香(アシリパ役)がそれぞれ作品上映と共にトークショーを行なう。
10月10日、札幌市内で行なわれた会見で実行委員会の名誉委員長を務めるアニメーション作家で日本アニメーション協会会長の古川タク氏は、「今回の映画祭が、震災復興の起爆剤になってほしいと願っている」と話した。また、実行委員長で東京造形大学教授、日本アニメーション学会会長の小出正志氏は、「映画祭が困難を乗り越えて開幕を迎えるのは大変意義深い。日本にアニメーション文化が根付くためには特色ある映画祭が数多く開かれることが大切。新千歳アニメ映画祭は、西の広島国際アニメーションフェスティバルと並び称される日本を代表する国際アニメーション映画祭に育ってきた。海外の作家からも評価される映画祭になっている」とアピールした。
Posted by 北方ジャーナル at 09:13│Comments(0)
│文化(文芸・アート・音楽)
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