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2024年03月18日

北方ジャーナル4月号の誌面から 巻頭言「忘れないために」

北方ジャーナル4月号の誌面から 巻頭言「忘れないために」
画像は4月号の巻頭漫画 「“株価4万円超え” でも実感湧かず」

 今月の巻頭漫画では石川寿彦画伯が、株高の中での庶民の実感を描いてくださった。私はその下の巻頭言で次のように書いた。(く)


忘れないために

 今年の元旦に能登半島が大地震に襲われ、今月の〆切から数日後には、我が国観測史上最大規模の揺れを観測した「3・11」を思い出す日を迎える。

 そんな時に浮かんだのが、科学者で随筆家だった寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉だ。だが、能登半島地震はもとより13年の歳月を経た東日本大震災の記憶もいまだに生々しい。大陸プレートの境に存在する我が国で、天災を忘れることは事実上不可能だ。

 東日本大震災では、マグニチュード9・0の地震が巨大津波と深刻な原子力災害を引き起こし、関連死を含めた死者・行方不明者は2万2千人以上にのぼった。

 私は今でもあの時の津波の映像を確認することがある。真っ黒い海が不気味にせり上がり、やがて一気に全てを押し流し破壊していく様は何度観ても凄まじい。生命の揺籠である地球が持っている、恐ろしいまでの負のパワー。それを目の当たりにした時、私たちは畏怖するほかはない。

 災害が起きるたびに「普段の日常は貴重だった」という声があがる。だが、そもそも普段の日常以上に貴重なものなどありはしない。

 せめてそのことを忘れずにいたい──。



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Posted by 北方ジャーナル at 23:19│Comments(0)編集長日記
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