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中国進出で成功する秘訣を講演で語る池田博義代表（11月21日、札幌市内）

　今年６月にＳＡＴＯ社会保険労務士法人は中国で日系進出企業の会計・税務コンサルティングや監査を行なっているマイツグループと業務提携したが、同グループ代表の池田博義代表を招いた講演会が21日、札幌市の小樽商大札幌サテライト校で開かれた。池田氏は、「日本の中堅中小企業は中国・アジアを日本の内需と捉えなければ今後の成長は見込めない」と語り、会計・税務・労務など進出企業をサポートする体制を整備、「進出するかどうか迷っている企業の背中を押していきたい」とフォロー体制が構築できていることをアピールした。

　マイツグループは、京都に本社を置き日本の会計事務所としては1994年に初めて中国上海に進出。現在は上海をはじめ北京、広州、蘇州、瀋陽、大連、天津、香港の８カ所に拠点を設置、従業員約350人、そのうち９割が中国人で占める日系の監査法人、会計・税務コンサルとして最大手の地位を確保している。約1700社のクライアントを有しており、会社設立や行政許認可、会計税務、外貨管理、労務管理などのサポートを行なっている。

　ＳＡＴＯ社労士法人とは、今年６月に業務提携し、ＳＡＴＯ社労士法人の国内顧客が中国へ進出する際にマイツグループの協力を受けられる体制を整えた。

　池田代表は、中国・アジア市場が今後も拡大を続け、2016年度には中国が購買力平価換算のＧＤＰで世界一になることやアジア圏が20年度には北米とＥＵを足した規模の経済圏になることなどを指摘し、「国内の縮小するマーケットから中国・アジア市場を取り込んだ成長を目指す絶好のチャンス」とアピールした。

　また、池田氏は「中国人のベースはアングロ・サクソン系で日本国内の感覚では通用しない。権限を与えずにミスをしても怒らないような社内では進出してもうまくいかない。また、全てを知りたがる日本人は敬遠されるし進出しても日本人だけで判断するのではなく、中国人を巻き込んでいくことが必要」などと、中国で成功するための秘訣を経験から分かりやすく語りかけていた。

　マイツグループは今年11月にタイやベトナム、韓国、マレーシアに進出して10年以上の実績を持っている会計事務所などと「マイツグループ中国・アジア進出支援機構」を設立、アジア各国でワンストップサービスができる体制を整えた。

　機構には国内の会計事務所や労務管理サービスを提供している社労士法人も加入しており、取引のある企業が中国に進出する際にスムースな連携を取れるようにしている。「誰かが日本企業のアジア進出の背中を押してやらなければならない。『（進出するのは）嫌だな』と 思っている経営者もいるが、今こそ絶好のチャンス。中堅中小企業の背中を押せるような信頼のもてる支援機構を目指したい」と語った。　（さ）