2021年01月17日
500万円収賄罪で在宅起訴。吉川貴盛元農林水産大臣は北海道に何を残したか

写真は、2017年8月に行なわれた自身の政経パーティーで話す吉川貴盛氏
【リアルエコノミー提携】吉川氏は道議3期の後、1996年の衆院選に自民党公認で道2区に出馬。札幌市議から転じた当時の新進党・長内順一氏に敗れたが比例復活で当選。安倍晋三前首相や菅義偉首相とは96年当選組で同期。96年以降、8回の選挙のうち、2度落選し当選も小選挙区での勝利は4回、比例復活2回で選挙には強くない政治家だった。
盤石な支持層が広がらなかったのは、吉川氏の政治家としての魅力に欠けたからだ。政治家風だが真の意味で政治家ではなかった。それは自身の政治哲学、政治家として何を為すべきかを自身の中に明確につくり上げていなかったからではないか。それが選挙に弱い一因でもあった。
政治家は、大勢の聴衆を相手にした演説もさることながら、少人数の会合でも参加者の心を掴まなければいけない。それが宿命。吉川氏の話は、政界トピックスを交えながら流れも良くて飽きさせない。しかし、それは話し方がうまいのであって話がうまいわけではなかった。話のうまさの裏にはやはり確固たる政治哲学の表象がにじみ出るものだろう。
当選同期の菅首相は、官房長官時代の17年、吉川氏の政経セミナーで同氏をビデオメッセージでこう評している。『吉川さんは、今回の人事で異例の4期目となる党経理局長に再任された。党のおカネを一手に握る極めて重要な役職で安倍総理、二階幹事長の信頼がいかに厚いかの表れだ』
人を見る目というものはそう揺るがないもの。わずか3年前に菅首相は吉川氏をこう見ていたとすれば、菅首相の鑑識眼もそう確かなものではなさそうだ。
吉川氏は、福田改造内閣、麻生内閣で経済産業副大臣、第2次安倍内閣で農水副大臣、第4次改造安倍内閣で農水大臣を歴任してきた。農水大臣の職に就きながらも北海道では故中川昭一氏ほどの信頼は得られなかった。選挙に弱かった吉川氏は14年と17年と小選挙区で勝利、ようやく盤石の体制ができ始めた時に、贈収賄事件で被告の身となった。全力で歩んできた政治家人生の結果がこれでは、支援してきた道民の約20年間は幻(まぼろし)になる。感情の振幅を決して見せなかったあの細い眼の奥にはどんな宿痾(しゅくあ)があったのか。(こ)
政治家は、大勢の聴衆を相手にした演説もさることながら、少人数の会合でも参加者の心を掴まなければいけない。それが宿命。吉川氏の話は、政界トピックスを交えながら流れも良くて飽きさせない。しかし、それは話し方がうまいのであって話がうまいわけではなかった。話のうまさの裏にはやはり確固たる政治哲学の表象がにじみ出るものだろう。
当選同期の菅首相は、官房長官時代の17年、吉川氏の政経セミナーで同氏をビデオメッセージでこう評している。『吉川さんは、今回の人事で異例の4期目となる党経理局長に再任された。党のおカネを一手に握る極めて重要な役職で安倍総理、二階幹事長の信頼がいかに厚いかの表れだ』
人を見る目というものはそう揺るがないもの。わずか3年前に菅首相は吉川氏をこう見ていたとすれば、菅首相の鑑識眼もそう確かなものではなさそうだ。
吉川氏は、福田改造内閣、麻生内閣で経済産業副大臣、第2次安倍内閣で農水副大臣、第4次改造安倍内閣で農水大臣を歴任してきた。農水大臣の職に就きながらも北海道では故中川昭一氏ほどの信頼は得られなかった。選挙に弱かった吉川氏は14年と17年と小選挙区で勝利、ようやく盤石の体制ができ始めた時に、贈収賄事件で被告の身となった。全力で歩んできた政治家人生の結果がこれでは、支援してきた道民の約20年間は幻(まぼろし)になる。感情の振幅を決して見せなかったあの細い眼の奥にはどんな宿痾(しゅくあ)があったのか。(こ)
Posted by 北方ジャーナル at 11:41│Comments(0)
│政治経済
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