2011年06月26日
札幌で開かれた「和田壽郎先生を偲ぶ会」
人懐っこい眼差しは昔と少しも変わらない(6月25日の偲ぶ会で掲げられた遺影)
戦後、我が国の心臓血管外科の発展に大きく貢献し、今年2月14日に88歳で死去した和田寿郎氏を偲ぶ会が6月25日、札幌市内のホテルで開かれた。
和田寿郎氏と言えば、札幌医科大学胸部外科の初代教授として各種の心臓・胸部疾患治療で輝かしい業績を残した伝説のドクター。昭和43年には後に物議を醸した日本初の心臓移植を行なったことでも有名だ。
長命を得て近年は国際的に再評価されていた和田先生だったが、今年になってから肺炎に罹り、春を待たずして帰らぬ人となった。聞けば東京都の自宅で周子婦人に見守られながらの旅立ちだったという。
そんな和田先生を偲ぶ会が縁の地、札幌で開かれると聞き、私も足を運ばせてもらった。理由は単純。和田先生は私の命の恩人だからだ。小学校2年の時に胸部疾患で札医大に約40日間入院。執刀してくれたのが、胸部外科教授の和田先生だった。
私の病室には重度の心臓病を抱えた少年少女が大勢居た。心室に穴が開いていたり弁に問題があったり、際限なく肥大したりとさまざまだ。ある日、和田先生は私に聴診器を渡して、ある少年の「胸の音を聴いてごらん」と促した。耳には鼓動と言うより濁った音が響いてきた。心室に開いている穴のため動脈血と静脈血が混じり合っているからだ。
手術しても生還できない子たちも居た。当時、手術を希望する親たちに和田先生は成功率を正直に伝えていた記憶がある。それにしても当時の和田先生のカリスマ性は、今になっても鮮烈に思い出すことができる。神の手のような手技、ユーモア、情熱、お酒好き…。
25日当日は、周子婦人や札医大関係者などが故人の思い出などを語り偉大なドクターの功績と足跡を偲んだ。献花の際に、遺影の目をゆっくり見た。それは、確かに私が知っている和田先生の眼差しだった。 (く)
長命を得て近年は国際的に再評価されていた和田先生だったが、今年になってから肺炎に罹り、春を待たずして帰らぬ人となった。聞けば東京都の自宅で周子婦人に見守られながらの旅立ちだったという。
そんな和田先生を偲ぶ会が縁の地、札幌で開かれると聞き、私も足を運ばせてもらった。理由は単純。和田先生は私の命の恩人だからだ。小学校2年の時に胸部疾患で札医大に約40日間入院。執刀してくれたのが、胸部外科教授の和田先生だった。
私の病室には重度の心臓病を抱えた少年少女が大勢居た。心室に穴が開いていたり弁に問題があったり、際限なく肥大したりとさまざまだ。ある日、和田先生は私に聴診器を渡して、ある少年の「胸の音を聴いてごらん」と促した。耳には鼓動と言うより濁った音が響いてきた。心室に開いている穴のため動脈血と静脈血が混じり合っているからだ。
手術しても生還できない子たちも居た。当時、手術を希望する親たちに和田先生は成功率を正直に伝えていた記憶がある。それにしても当時の和田先生のカリスマ性は、今になっても鮮烈に思い出すことができる。神の手のような手技、ユーモア、情熱、お酒好き…。
25日当日は、周子婦人や札医大関係者などが故人の思い出などを語り偉大なドクターの功績と足跡を偲んだ。献花の際に、遺影の目をゆっくり見た。それは、確かに私が知っている和田先生の眼差しだった。 (く)
4月15日発売の本誌5月号のトップは「乗っ取りに揺れるフットサル場“蹴”」だ。「旭川いじめ凍死」公開シンポの報告も
3月15日発売の本誌4月号のトップは「札幌のフットサル場で起きた異変 突然解任された取締役が怒りの告発」だ
2月15日発売の本誌3月号のトップは「旭川いじめ凍死事件の深層④ 元校長が証言 “誤報道の嵐で引き裂かれた尊厳”」
北方ジャーナル2月号の誌面から 巻頭言「メディアの驕り」
1月13日発売の本誌2月号のトップは「旭川少女凍死事件の深層 元校長が証言 “私が広瀬爽彩さんと過ごした3カ月”」だ
北方ジャーナル1月号の誌面から つれづれフォトエッセイ「冬に備え森の中を動き回るエゾリスとの出逢い」
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Posted by 北方ジャーナル at 18:07│Comments(0)
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