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2009年08月08日

民主北海道「ダッシュトークフェスティバル」の謎

民主北海道「ダッシュトークフェスティバル」の謎

 8月8日、札幌市中央区にあるホテルで「若者の声を政治に届けよう ダッシュトークフェスティバル」(主催・民主党北海道総支部連合会)が開催された。
 
 この集会は要するに、若い世代に政治に関心を持ってもらおうという意図で企画されたものらしい。上記写真は開始直後の午後1時08分頃に撮影したものだが、その後じわじわと席は埋まったものの、夏らしい日差しが照らす野外と比べれば、なんとも「お寒い」印象だった。

民主北海道「ダッシュトークフェスティバル」の謎 第1部は基調講演として、6月14日の千葉市長選で31歳5カ月の現職最年少で当選したばかりの熊谷俊人氏が登場したが、「子供にも政治に関心を持ってもらうためにマニフェストを渡した」「自分はNTTに務めていて給料も良かったが、それを抛って政治の世界に飛び込んだ」など、まだ具体的な市政運営についての話も出来ず、その辺の民主党候補や市町村議から2万4682回ぐらい聞かされているのとほぼ同じ内容の政権交代関連の話を聞かされた。参加者たちは何か魔法にでもかかったかの如く凍り付いており、頷くでもなく、拍手するでもなく、ただ無表情に存在しているといった印象だった。
 
 第2部は「札幌圏の民主党衆院候補予定者とのディスカッション」とある。配布されたパンフレットの裏面には、札幌圏の衆院選候補予定者として横路孝弘(1区)、三井わきお(2区)、荒井さとし(3区)、鉢呂吉雄(4区)、小林ちよみ(5区)各氏の名前と写真があったが、開始前のアナウンスで「三井氏、鉢呂氏、小林氏は都合のためキャンセル」とのことで、結局荒井氏と横路氏だけが姿を見せた。好天の土曜の午後、わざわざ選挙区を離れてこのような集会に顔を出している暇はない、ということなのではないか。
 
 ディスカッションでは会場用のメールアドレスが公開され、手を挙げて政治家に直接質問の出来ないシャイなヤングのために「携帯電話でメールを送ってください」という仕掛けをしており、MCが寄せられたメールを読み上げるという、どこかの悪いテレビ討論番組の真似のようなことをやっていた。目の前に政治家がいるのに、下を向いてポチポチとケータイを打っているのである。一体何のためのライブなのか、さっぱり意味がわからなかった。(もちろん効率的に広く意見を得る方法としての意味は理解しているが)本当に政治に危機感や疑問があれば、恥も外聞もかなぐり捨てて立ち上がるべきではないのかと思うのだが、ITに逃げることで何か大事なものを忘れているのではないかという感想を持った。
 
民主北海道「ダッシュトークフェスティバル」の謎 もちろんマニフェストや安全保障の問題などについて、横路氏も荒井氏も率直に意見を語っていた。しかし質問に立つのは政治関連学生NPO関係者や特別に安全保障方面に関心のある人など、決して一般的な若者とは言えない印象で、これで「我が党は若者の意見も聞いております」というアピールに本当になると思っているとしたら、ちょっと問題なのではないかと感じた。
 
 会場に座っていたOL風の制服を着た女性に話を聞くと、参加の理由は「社長に行ってこいと言われたから」であり、今の政治に関しては「私はちょっと…」とのこと。これはつまり「動員」ということだろう。他にも学生風が集団で入場する様子などが見られたが、純粋に個人の自由意志で会場を訪れた参加者は少ない印象だった。
 
 既に選挙戦は事実上スタートしているのであり、候補予定者たちは夏の日差しに焼かれながら地域を回り、声を嗄らして演説をし、鱗や泥にまみれた老人の手を握っているのである。もっと選挙運動における緊張感や興奮などのリアリズム(演説の巧みさや熱意の演出)を体感させた方が、投票に結びつくのではないか。高級ホテルで乙に構えて、ケータイでポチポチ意見を送り、マニフェストのディスカッションのトークフェスティバルのというのは、逆にダサい気がした。 (ご)


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Posted by 北方ジャーナル at 17:47│Comments(0)政治経済
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