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2009年06月18日

ボブ・ディラン「Together Through Life」

ボブ・ディラン「Together Through Life」
意欲的な新作「Together through life」。ディラン67歳の肖像

 プライベート系のネタだ。

 ずいぶん長くボブ・ディランを聴いている。今もジャパンツアーは欠かさず観るようにしている。で、最新作の「Together through life」を聴いた。で、たまげてこれを書いている──。

 67才にしてワールドツアーを年がら年中敢行し、3日に2日はステージに立っている体力だけでも凄すぎるが、その合間を縫って軽々とオリジナルアルバムを発表してしまうあたり、いかにディランが今なお音楽漬け、ロック漬けの日々を送っているかが分かるというもの。

ボブ・ディラン「Together Through Life」 それでもってこの新作だが、聴きはじめたばかりで歌詞を含めた全体像をつかみ切っていないことを前提にしても、近作のなかでは、かなりいい出来と言っていい。

 まず何よりディランの歌が力強いのがいい。地獄の底から聞こえてくるような嗄れたヴォイスはそのままなのだが、のびやかさが感じられ、メロディーのヴァリエーションも豊かで聴きやすい。

 バックバンドのサウンドはライブ感がある。アコースティックなサウンドの味付けもディランに似合っている。さすがに年中行事で一緒にステージに立っているだけのことはある。ブルースとロックンロールへのリスペクト。そしてさりげなくあちこちにちらばめられたキャッチーなメロディーライン。本作は英米で初登場1位を獲得したが、これは、単なるご祝儀相場というわけではなさそうだ。

 ディランは十代後半から歌いはじめた。そして50年の月日が流れ去り、今でも彼は歌っている。栗毛で蒼い瞳、ランボーを気取ったような青年は皺だらけの老人になった。だが、彼とともにロックの夜明けを担い、今もなお現役でいるアーチストたちも含め、とんでもない前期高齢者が居たものである。

 彼は04年のTVインタビュ-で「昔の歌は魔法を使って書かれたようだった。その魔法はもう消えたよ」と答えているが、ディランのいまの精力的なパフォーマンスそのものが魔法のようなものだ。

 元ニセコ町長の逢坂誠二衆議も大のディランファンで、インタビューさせてもらうたびに2人でその話題で盛り上がる。慌ただしさにかまけて、しばらく楽曲から遠ざかっていたが、またCDをかけたくなった。うまく言えないが、私にとってエネルギーがインスパイアされる感じ。そして、この新作は、そのエネルギーが以前にも増して凄い。


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