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2012年01月09日

「新党大地・真民主」発足。始まった“政界溶融”

「新党大地・真民主」発足。始まった“政界溶融”
鈴木代表と松山千春氏を囲み結束を誓い合う「新党大地・真民主」の5人の国会議員(1月6日、札幌市内のホテルで)


 鈴木宗男氏が代表を務める新党大地・真民主の結党記者会見が1月6日午後、札幌グランドホテル17階で行なわれた。多数のメディアが待ち構える中、開始予定から30分遅れの午後4時から会見がスタート。冒頭マイクを握ったのは「新党大地」の命名者で鈴木氏の“心友”、松山千春氏だった。松山氏は「訳あり議員が集まった止まり木新党かも」と笑わせながら、一転真顔になって「この5人は我々の宝です。公民権停止中の男によくぞ集まってくれた。皆さん10年間、見守ってください。我々は本気で天下を獲りにいきます」と宣言した。

 所属議員は衆議の松木謙公氏(道12区・当選3回)、石川知裕氏(道11区・同2回)、浅野貴博氏(道比例区・同1回)、参議の平山誠氏(全国比例・同1回)、横峯良郎氏(同、同1回)の5人。今後5年間公民権停止の宗男氏が党代表を務め、松木衆議が代表代行と党幹事長を兼務する布陣だ。

「新党大地・真民主」発足。始まった“政界溶融”
息もピッタリ? 鈴木代表と松木謙公幹事長(兼代表代行)


 とまあ3日前の出来事をニュース風に書いても「いまさら」なので、ここでは会見に参加して印象に残ったことをいくつか記しておきたい。

 ひとつは「政界溶融がいよいよ始まった」との思いだ。新党大地・真民主とは別に、民主党離脱組9人の衆議も1月4日に「新党きづな」を結成するに至っている。両者に共通しているひとつは、消費税増税やTPP(環太平洋連携協定)の参加に反対していること。というより、「国民の生活が第一」として総選挙に勝利した民主党がマニフェストを反故にし、変節したことを許せない立場をとっている点だ。

 この点をかつて体を張って分かりやすく示した筆頭格と言えば、今回新党大地・真民主の代表代行(兼幹事長)に就任した松木謙公衆議だろう。周知のように松木衆議は菅直人改造内閣で農水相政務官を務めていたが、2011年2月下旬に辞表を提出。同年6月2日における菅内閣不信任決議案の採決で同僚らの説得を振り切って賛成票を投じた経緯がある。この行動の責任を問われて松木衆議は党を追われたが、以後も『日本をダメにしたこの民主党議員たち』(日本文芸社刊)なる自著を上梓するなど“古巣批判”を続けていた。

「新党大地・真民主」発足。始まった“政界溶融”
民主党を離党し合流した横峯良郎参議と平山誠参議をユーモアたっぷりに紹介する松山氏


 もうひとつは、松山氏ではないがその顔ぶれ。前科者を頭領に、党除名者、刑事被告人、スキャンダルおじさん…。政治的挫折を経験したりメディア批判に晒されたメンバーが枢要を占めているということだ。言ってみれば辛酸をなめた「アウトロー集団」。笑ってしまうぐらい濃いキャラが多い。ちなみに参議の平山誠氏(全国比例・当選1回)、横峯良郎氏(同・同1回)の参加を「政党助成金目当ての数合わせ」と評するのは、あながち間違いではないだろう。ただ私は、この5人が今後どんな結束と活動を見せていけるか、そこに全てがかかっていると言っておきたい。

 さらに思ったのは、仮釈放後わずか1カ月で新党大地の“リニューアル”をやってのけた鈴木代表の行動力だ。彼には国会議員としての長いキャリア、そして政権与党、権力の中枢で動いていた経験がある。構成議員の5人より誰より政治力学を肌で知っていると言っていい。政治における力とは「多数」を意味する。どんな優れた政治理念を持っていたとしても政党として国会で存在感を発揮できなければ意味がない。民主党が事実上、“同床異夢”になっている現状を踏まえ、今が党勢拡大の好機と判断していることは容易に想像できる。この新党の次の展開が気になるところだ。

 会見が行なわれた場所は、08年11月に新党大地が当時の民主党小沢一郎代表と「国民生活第一、官僚政治打破」で共に行動していく文書を交わした部屋だという。新党大地・真民主という政党名にはそのころの原点に立ち返るという意味も含まれているとのことだ。   (く)






Posted by 北方ジャーナル at 22:06│Comments(0)
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