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2008年09月02日

新参馬主を喰い物にするヤツら、それと…

新参馬主を喰い物にするヤツら、それと… 今年5月、このブログ内で馬産地・日高に出向いた際のエピソードを紹介したことがある。ノンキな旅日記風の体裁で馬産地の見どころを記載したが、その出張の主な目的は、実はあるベテラン馬主に関する「噂」の裏付け取材であった。

 疑惑の主は、東京在住のK氏。経営していた会社が倒産した後、馬産地との間に築いた太いパイプを利用して「馬主業」をメシの種としてきた人物だ。家畜商の資格もないのに、主に新参馬主にサラブレッド購入を持ちかけ、生産牧場との間に入って売買の仲介を行ない手数料(とプラスα)を得るのだが、そのやり口というのが巧妙かつ実にエゲツない。

 取材の過程で、K氏の疑惑以外にも馬産地と競馬界が抱える問題が見えて来たので、その詳細を北方ジャーナル誌面で記事化すべく準備を進めているところだが、K氏が得意とする錬金手法のひとつに酷似した事例が、9月1日に全国のメディアを駆け巡ったので転載しておく。

馬主協会の元会長逮捕 競走馬購入で詐欺容疑
 競走馬用のサラブレッドを共同で購入し、賞金を稼ごうと持ち掛け、京都馬主協会の会員から現金をだまし取ったとして、京都府警組織犯罪対策2課などは1日、詐欺容疑で同協会の元会長藤本龍也容疑者(71)=京都市南区久世大藪町=を逮捕した。
 藤本容疑者は日本中央競馬会(JRA)の運営審議会委員を務めたこともある。「だまし取るつもりはなかった」と容疑を否認しているという。
 調べでは、藤本容疑者は2003年2月、同協会会員で、同市西京区の会社社長の男性(50)に「賞金を稼ぐ良い馬になる。共同所有にするから、半分出してくれ」とサラブレッド2頭の購入を持ち掛け、750万円をだまし取った疑い。
 実際の購入価格は2頭で計230万円。藤本容疑者だけが馬主登録をしていた。男性に偽の購入価格を書いた契約書を見せ、出走料や賞金の半額を渡していたという。
 男性が今年2月、府警に告訴した。同課などは藤本容疑者が同じ手口で複数の会員から現金をだまし取っていたとみて、余罪を調べる。
(9月1日/北海道新聞)

 競馬と言えば公営ギャンブルの代表格。馬券を買う楽しみもさることながら、サラブレッドたちの駈ける姿に心惹かれるファンも多い。だが、競馬界の旧態依然としたシステムは、いまや制度疲労に軋んでいるように思える。

 競馬は夢を売る商売。北海道にとって重要な一次産業のひとつである軽種馬産業を守るためにも、厳然たるヒエラルキー構造のなかから生まれ出る問題の一端を、暴きだしていきたい。(ひ)


北方ジャーナル 2008年9月号


北方ジャーナル 2008年8月号


Posted by 北方ジャーナル at 21:05│Comments(2)
この記事へのコメント
新参馬主?
京都の件で被害にあった馬主(50)っていうのは新参でもなんでもないですよ。そもそも、全馬絡みの京馬の権力闘争だったわけで…
ただの被害者ではないことは確かです。
Posted by 投稿者 at 2009年02月24日 15:46
 本誌が進めているのは、別の古参馬主に関する疑惑です。良馬を探す人脈・ノウハウを持たない新参馬主を喰いものにすることを「生業」としているようで、手口は単純かつエゲツないものです。
 一連の問題を追っていくと、競馬界は特定の団体・個人に権益が集中する前近代的体質を残した公営ギャンブルであることが浮かび上がってきます。
 北海道にとって、競走馬生産は重要な一次産業・観光業ですから、その構造的な歪みを糾すべく、地域誌として微力を尽くす考えです。
Posted by (ひ) at 2009年02月25日 09:00
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