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2008年02月19日

勝谷誠彦と赤羽喜六が農水省を直撃

勝谷誠彦と赤羽喜六が農水省を直撃
農水省の前に立つ勝谷さんと赤羽さん(2月13日)※写真提供・「SPA!」編集部

 2月13日、農水省消費安全局へミートホープ元常務の赤羽喜六さん(72)とコラムニストの勝谷誠彦さん(47)が揃っておとずれ、ミートホープ事件に対する国の対応をめぐって担当官を直撃した。

 この日は、先だってこの2人の対談を掲載した「週刊SPA!」編集部のほか朝日放送「ムーブ!」の撮影スタッフも同行。面談の冒頭の部分と、対応した食品表示・規格監視室長の中村啓一氏が面談後にムーブ!のインタビューに答えた内容が19日に関西圏で放映され(スタジオには勝谷さんが出演)、取材の模様は同日発売の「週刊SPA!」誌上にも掲載されている。

 当初アポ入れした担当者には面会中の撮影は断られたとのことだが、農水省に入って押し問答の末、最終的には中村氏が了承する形で冒頭部分のみ撮影が許可されたという。

勝谷誠彦と赤羽喜六が農水省を直撃
中村室長を追及する勝谷さんと赤羽さん(2月13日)※写真提供・「SPA!」編集部

 以下は、帯同した「週刊SPA!」記者が本誌に寄せてきた当日の概略である。簡潔に当日の模様や争点がまとめられているので、一部をそのまま紹介したい。

【先日訪ねた農政事務所から「これが当方の見解だ」と渡されたHPの調査報告書について、事前に赤羽さんと勝谷さんには目を通していただき、そのうえで矛盾点をぶつけようという話で行きました。

 最初に赤羽さんが主張したいことを言って、それについて中村室長(前回訪ねたときは無言で聞いてるだけだったそうです)が、主に勝谷さんの質問に対して答えるという形でした。取材が入っているせいでしょうが、こちらの期待以上に丁寧に答えてはくれましたが、やはりそこは官僚。勝谷さんを懐柔しようという態度や赤羽さんの記憶違いをやんわりと敵失に持ち込もうとしたり、手練手管でやってきますね。

 基本的にはHPに発表している報告書のとおりというスタンスです。


 ただ、いかにも官僚の発想だと思ったことは、

※2月の告発(表示110番カードの件)は本来は地域9課は正当な窓口ではなく、本庁や保健所などたらいまわしにしようと思えばできる話なのに対応した。(他にも、今回の件はJAS法対象外だから、本来は農水省としては逃げられるのにそれでもちゃんとやったと、何気に恩着せがましく言われました)
※縦割り(小売商品の偽装表示はウチが管轄だが、腐った肉混入は保健所マター)を気にして越権行為をやってないか、常に気にかける発想。
※朝日の報道なしに自分たちから立ち入り検査はできなかった。(やりすぎ、行政権の乱用だと責められるそうです)
※処分された担当職員の名を出さないのは、リスクが生じて監視の腰が引けるようになるといけないから。

◆他に新たな話としては、
・2月の告発110番カードを道庁に回してないことに途中で中村室長が気づいて、「どうなってんだ!」と怒鳴った記憶がある。現場はどうしても相手の立場に立ってしまうので、自分たちは「ドライに割り切れ」と言っている。
・農水省としてはJAS法での摘発を狙い、バルスミート(小売・息子の会社)を監視したが、実は親父の工場からは仕入れてなかった。
・(JAS法の対象となる)コロッケを調べればいいという発想にいかなかったのが大きな反省点。

◆結局、腑に落ちない点としては、
・4月に肉を2回ももちこんだ件について農政事務所内で誰も記憶にない。(記録も残してない。赤羽氏は担当係長と名刺交換してるのに!?)
・しかし調査では赤羽さんが3月に相談に来たと記憶している証言はある。(赤羽氏は否定)
・調査チームが全職員から聞いたのに誰も肉を見ていないというのは、全員が口裏合わせしないとできないが、そこまでして隠す意味がないと主張。
・これらについて当事者の赤羽さんに一度も確認しないで検証報告を作成。

◆今回の件を反省とした改善点としては、
・情報提供に来た人には毎回カードを作って必ず記録を残す。
・今後こういう重大案件には、東京・大阪・福岡にいる特別調査官を派遣する(4月から改正)
・JAS法を業者間取引の商品にも適用を広げる(4月から)】

 面談は午後3時から1時間あまり。食い下がろうとする赤羽さんに「これではラチがあかない。帰りましょう」と勝谷さんは呆れ、退席を促していたという。

 結局、赤羽さんの「肉持ち込みの有無」については平行線のまま終わった形だ。赤羽さんは最後に「俺はここだけは引けない一線なんだ」と言葉を継いだが、「でもこれ以上言い合っても意味がないな」と言いながら霞ヶ関を後にしたという。

 同行した記者に聞いてみた。
「素人が役人に徒手空拳で対抗するのは圧倒的に不利だと改めて思います。あれだけの覚悟で、肉まで持っていっても、結局何もしてくれなかった。それどころか、肉持込み自体、記憶にないと全否定されるわけですからね」

「内部告発をするのは虚しいだけだ」(赤羽さん)
                 ◆
 筆者は昨年末から苫小牧と札幌両方の農政事務所に赤羽さんと同行しているが、メディアが一緒だと役所の対応は、いくぶん丁寧になるという方程式は今回も成り立ったようである。

 官僚は自己正当化のプロ中のプロだ。結局は「法規、条例、規則を守っている。何が悪い?」という態度に終始する。だが、最も重要なことは「法規、条例、規則を守る」ことではなく、それらの決まり事が存在する理由である国民の人権や生命、健康を守ることではないのか。

 情報提供が繰り返されながら、結果として朝日がすっぱ抜くまで何も出来なかった官僚は、まずは自らの不明を恥じるべきであろう。開き直りや言い訳をする前に結果責任を重く受け止め、国民に謝罪するのが筋ではないか。誰も責任を取らない、取りたがらない体制が、かつてない「偽装」を助長せしめたのは、間違いないことなのだ──。




Posted by 北方ジャーナル at 22:05│Comments(6)
この記事へのコメント
いいね。勢いあるね。しかし、これって「週刊SPA!」の記者さんへの信義違反にならんかい? まあ、ちゃんとスジ通してんだろうけど。
Posted by 大岡据膳 at 2008年02月19日 23:06
写真が何か、いかりや長介に連れられて少年院を出るフケ顔の暴走族みたいで味がありますね。農水省には食の安全でもしっかりやってほしいと切に願っております。
Posted by 若禿頭 at 2008年02月20日 09:05
コメントありがとうございます。内容については週刊SPA!の記者と打ち合わせた上で掲載しておりますので、御心配なく。今後も御愛読ください。
Posted by HJ at 2008年02月20日 09:08
日本は戦後から貧しい中に心があった。餓えバネに急成長した。そこから何を学んだのでしょう。子孫に何を伝えたのだろう。日々新聞には犯罪や不正。この国はどこからか間違った道に進んでいるとしか思えない。正しく生きている人が馬鹿みたいに思えるのです。赤羽さんの取った行動は正しく勇気がいる。この国に同じ状況で赤羽さんのような行動ができる人がどれだけいるんだろう。ミートホープの従業員100名の中で1人しかいないのだから100分の1以下なのでしょう。そんな確立でしかこの国には正義がないのです。私たちはもう少しだけ自分の生き方を考えなければ今後、子供たちに最悪な国を引き継ぐことになるのです。もっと最悪な環境になる中に私たちの子供が生きなければならないことの想像ができますか?
Posted by 1192 at 2008年11月26日 02:10
コメントありがとうございました。ミートホープ関連の過去記事にお寄せくださるとは、昨日放映された「家族会議を開こう」の影響でしょうか。正直、あの番組には制作経緯も含めて、いろいろと言いたいことが沢山あります。が、ここではやめておきます(笑)。
 おっしゃる主旨はよく分かります。しかし一方で、今の世相は病気で言えば、高熱と膿みが出ている時代だと感じます。表面的には最悪です。そしてそこから快方に向かうのか、さらに重篤になるのか──。食品偽装という社会の底に澱んでいたガンが発見されたが、気がつけばあちこちに転移していた。しかし見つかる前に病はすでに存在していたわけです。病気には向き合い、治療を加えるほかありません。手遅れではないことを信じれますか?
Posted by HJ at 2008年11月26日 23:55
わたくし実を言うと赤羽喜六の息子の拓己と言います 実は親父は自分も偽造の肉だとしってて営業してたんですよ それで自分が警察に捕まらないための防止さくとしてマスコミを呼んだんです
Posted by 赤羽拓己 at 2011年08月14日 13:29
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