
2008年03月19日
ミートホープ田中稔被告に「懲役4年」
判決後にコメントする赤羽喜六氏(元常務)、長男の
田中等氏(関連会社・イートアップ社長)
【ミートホープ事件で実刑判決】
食肉加工卸業者「ミートホープ」(苫小牧市・自己破産手続き中)の食肉偽装事件で不正競争防止法違反(虚偽表示)と詐欺の罪に問われて逮捕・起訴されていたミート社元社長・田中稔被告(69)の判決公判が3月19日午前、札幌地裁で開かれ、嶋原文雄裁判長は「消費者の信頼を裏切った罪は重い」などとして、実刑懲役4年を田中被告に言い渡した。
昨年に全国で続発した食品偽装問題の発火点となったミートホープ事件の公判は、1月28日の初公判で田中被告が起訴事実を全面的に認め審理が進められていた。求刑・結審を含め合計3回の公判が1カ月強の間に行なわれ、今回の判決公判を迎えたものだ。
スピード審理だった理由は、起訴事実に争いがなく弁護側も「情状酌量」を訴えるぐらいしかできなかったからだ。検察側は食肉偽装の手口と田中家が利益を独占してきた実態を350点もの証拠とともに立証し、実刑が相当と「懲役6年」を求刑していた(3月5日)。
弁護側は、田中被告とミートホープが自己破産し、社会的制裁を受けていることから、情状酌量を求めていたが、実質的に退けられたかっこうだ。公判で田中被告は「取引業者にも原因があった」などと、当初漏らしていた“本音”を披露。起訴事実を認めながら「わからない」と何度も繰り返すなど、当事者意識の希薄さを周囲に印象づけていた。
【視点】
ミートホープ以後、石屋製菓、伊勢の赤福、船場吉兆、比内地鶏…。山のように湧いて出た「食品偽装」問題で、逮捕され獄につながれることになったのは、田中稔元社長ただ一人だけである。
確かに悪質な事件ではあった。だが他の事件と軽重を比べて、刑事事犯として田中元社長ひとりが弾劾されるというのは不自然という印象も拭えない。彼をスケープゴートにすることで、他の当事者たちが枕を高くするようなことがあってはならないだろう。
メディアも田中元社長を磔にするだけでは不十分だ。問題の背景には監督官庁の対応があり、取引業者の要求があったのだ。政治の関与があったという指摘すらある。これらの検証なくして問題の全体像をとらえることは不可能だ。
再発防止に向けた事実関係の解明にメスを入れる作業は、いまだ十分とは言えない──。
Posted by 北方ジャーナル at 10:43│Comments(1)
この記事へのコメント
「身内からあのような者を出して恥ずかしい。情けない」
取締役だった人間が言うコメントじゃありませんね。当事者意識が全くないのでしょう。そこが田中稔元社長の身内が誰も起訴されなかった理由なのでしょうが。
取締役だった人間が言うコメントじゃありませんね。当事者意識が全くないのでしょう。そこが田中稔元社長の身内が誰も起訴されなかった理由なのでしょうが。
Posted by ラスタのジョー at 2008年03月28日 19:59
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