2021年07月17日
北方ジャーナル8月号の北海道フォトエッセイから 「宇宙の夢とロマン溢れるしょさんべつ天文台」
しょさんべつ天文台:撮影日6月22日 ©︎白井暢明
盛夏を迎えた北海道だが、今月号の「北海道フォトエッセイ」では筆者の白井氏が6月下旬、日本海沿岸を走るオロロンライン沿いにある「しょさんべつ天文台」を訪れた際のショットを寄せてくれた。ファインダーが捉えたのは、宇宙への憧れを形にしたユニークな姿だ。この時の感動を白井氏は次のように伝えている。(く)
みさき台公園:撮影日6月22日 ©︎白井暢明
晴れた日に留萌から北へ、日本海を左手に眺めつつオロロンライン(国道232号線)を走るのは愉しい。小平町の道の駅「鰊番屋」でひと休み。ここにある重要文化財「旧花田家番屋」は今回はパスして、海岸の公園に立つ「北海道」の名付け親、松浦武四郎の像に挨拶する。
手売・焼尻島観光の拠点羽幌町を過ぎると、やがて車は初山別村に入る。国道を左折して海岸にある「みさき台公園」に出ると、そこに日本最北の天文台、「しょさんべつ天文台」がある。
なんとロマンチックな建物だろう。制作者のイメージは、「月に着陸した地球人の宇宙船」らしいが、私にはむしろ「地球に降り立ったUFOの宇宙船」に見える。
ここは日本一澄んだ空気に恵まれたロマン溢れる天文台である。数千・数万年前の過去の姿をいま見せてくれる星空ほど神秘的なものはない。
周囲のコテージが建ち並ぶ「みさき台公園」の風景もまたロマンチックだ。灯台の向こうに見えるはるか稚内市まで続く日本海の海岸線も美しい。そしてここからはちょうど手売島と焼尻島との間の細い海峡もかすかに見える。ここはまさにオロロンラインのランドマークなのだ。
ここから更に北へと車を走らせる。稲作の北限遠別町、手塩川河口の町手塩町を過ぎ、幌延町に入る。オトンルイ風力発電所の風車が立ち並ぶ北緯45度線辺りを過ぎると、はるか海上に秀峰利尻富士の姿が見えてくる。
海岸に咲くエゾカンゾウの黄色に縁取られた青い海の向こうに、まるで浮かんでいるかのように。
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│編集長日記
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