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2021年03月11日

苦し紛れ? それとも疑惑隠し? 北大が敷地内薬局誘致の運営事業候補者にアインHDを追加選定

苦し紛れ? それとも疑惑隠し? 北大が敷地内薬局誘致の運営事業候補者にアインHDを追加選定
「処方箋920枚」をめぐる争奪戦が繰り広げられた(写真は北大病院)

 ここ半年ほど塩漬けになっていた北海道大学(寶金清博総長、以下北大)の敷地内薬局誘致問題が予想外の展開を見せた。北大は3月10日、これまで運営事業候補者としていたメディカルシステムネットワーク(札幌市中央区)の子会社、なの花北海道(同)に加えアインホールディングス(HD、同白石区)を追加選定したことをホームページで発表した。

苦し紛れ? それとも疑惑隠し? 北大が敷地内薬局誘致の運営事業候補者にアインHDを追加選定
3月10日に北大が発表した「お知らせ」

 北大は、敷地内薬局誘致に伴う公募型プロポーザルを2018年7月3日に公募公告し、2次審査に進んだ4社から20年7月29日、なの花北海道を運営事業候補者に選定した。2年間の審査期間も異例だったが、選定直後に“なの花ありき”の出来レース疑惑が浮上。北大が指定する場所に13億円をかけて留学生宿舎を建設するなど、公募公告の前に同大の思惑を知らなければ提案できないような内容が決め手になったことが明らかとなったからだ。他大学では開示が一般的な応募各社の評価点数も公表されなかったうえ、最も高い点数だったとされる別の応募者が選ばれなかったことも出来レース疑惑に拍車をかけた。

 こうした声を無視できず、北大は寶金氏が新総長に就任した昨年10月にこの問題の内部調査を開始。それ以降、北大は沈黙を続けてきたが、冒頭のように3月10日、唐突にホームページ上で『保険調剤薬局選定・運営のための敷地貸付に係る運営事業候補者の選定について』と題したお知らせを掲載するに至った。

 そこには、内部調査の結果について《選定手続き、プロセス等については法令違反、学内規則違反はなかった》《公募前の段階で「株式会社なの花北海道」が留学生宿舎の提案を行っていることの疑念が一部報道等で指摘されたが、既に一般公表されていた本学関係資料等により、同社の判断で行ったものであり、不審な点はなかったことが確認された》──と記されている。

 その上で、寶金新体制の発足や内部調査で相当期間が経過する間にコロナ禍がさらに拡大、医療を取り巻く状況が変化したことにより、感染対策のためにも複数の運営事業候補者を選定することが適当として、新たにアインHDを追加選定したとしている。

 だがこの決定には疑問符がつく。北大は今回のお知らせで「なの花北海道選定に問題はなかったと確認した」としている。それならば、なぜアインHDを追加選定する必要があるのか。また、コロナ禍による環境変化を理由に2社とすることは、途中でのルール変更に繋がり公募公告の信頼性を損なうと言わざるを得ない。

 北大が想定している敷地内薬局の貸与面積は900㎡と限られており、2社が薬局を開設するとなれば各社とも計画の大幅な見直しは必至。プロポーザルの前提条件が崩れてしまうことになる。

 3月11日午前、北大広報は取材に応じた。主なやり取りは以下の通りだ。

 ──アインHDを追加選定したということだが、2社それぞれに薬局を開設してもらうのか。
「これから最終審査に入るが、可能性として結果的に1社に絞られることもあり得るし、2社でやってもらうことも排除していない」

 ──仮に2社ということになれば、それぞれが大幅に事業計画を作り直さねばならなくなる。
「これから運営事業候補者側と協議していくが、場合によってはそういうこともあり得るだろう」

 ──問題がある「なの花」を結果的に排除できなく、苦し紛れにアインを追加選定したのではないか。
「そういうことではない。追加選定した理由はホームページで示した通りだ」

 ──混乱の原因のひとつは今回の公募プロポーザルの不透明さにある。2次審査における4社の点数をなぜ開示しなかったのか。
「結果の詳細を公表することは事業者に迷惑をかけることになりかねない」

 ──「迷惑をかける」とはどういう意味か。むしろ点数を公表しなかったことが混乱と迷惑を招いているのではないか。

 この時のやりとりで広報担当者は最後の質問には答えなかった。

 降った湧いた「2社選定」。ここからさらに1社に絞り込むとすれば今まで以上の透明性が必要だ。2社体制で進めるにしても事業者側の混乱や新たな負担は避けられない。今回の追加選定は北大の苦し紛れの選択という印象が拭えず、この問題をさらに複雑にしてしまいかねない危うさを含んでいると言えそうだ。

 今回のキーワードのひとつである「敷地内薬局」とは、文字通り病院敷地内に立地する調剤薬局のこと。以前は認められていなかったが、患者の利便性向上を目的に2016年10月に規制が緩和された経緯がある。病院周辺に立地するいわゆる門前薬局とは異なり、病院直結のため患者と調剤薬局双方にメリットがあり、病院側も不動産収入などが得られる利点がある。応募した4社もこの敷地内薬局の出店を加速しており、処方箋の発行枚数の多さやブランドイメージの向上という点でも特に大学病院は調剤薬局にとって大きな魅力となっている。

 944床の規模を持つ北大病院が医科・歯科合わせて発行する処方箋の枚数は、同大の資料などによれば1日当たり約920枚。仮に1枚当たりの単価を2万円とすれば、毎日1840万円の調剤報酬が発生することになる。

 北大周辺には10カ所前後の門前薬局が軒を連ねており、処方箋を地元に持ち帰る患者もいることから新設される敷地内薬局に流れる処方箋は全体の半数程度とみられているが、それでも1日900万円前後、年間では20数億円前後の調剤報酬が生まれることになる。今回の公募型プロポーザルは、このような利権と知名度が高い北大というブランドをめぐる争いだったと言っていい。(こ)(く)



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Posted by 北方ジャーナル at 17:09│Comments(0)ニュース
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