2015年06月15日
北方ジャーナル2015年7月号

6月15日発売。お求めは道内有名書店、セイコーマート、SPAR、オンライン書店『Fujisan.co.jp』、または当社(右サイドバーのメールボタンから)までお問い合わせください。
【報道】生きにくい世を生きる 〈上〉
「居場所」を求めて──
天涯孤独の累犯男性 踏み出した“外”への一歩

2年前の冬、1人の男性が獄の人になった。物心ついてから30年間、少年院・刑務所への往き来を繰り返し、直近の出所から1年を経ずしての再犯。故郷を遠く離れた札幌で2年弱の刑期を務め上げ、この春「社会復帰」した彼には、帰る場所がなかった──。一昨年の秋に本誌で報告した彼の人生の、その後を追う。生活困窮者自立支援法が施行されたばかりの4月末、彼の行く先々が支援の現場となった。(小笠原 淳)
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【報道】前代未聞、暴力団との“関係”まで明かした民事訴訟の行方 (3)
違法カジノの“表向きの経営者”が
カミングアウトした社長を指弾!

不動産賃貸業の若手社長が、事件化していない自身の違法カジノ経営を民事提訴を行なうことで“カミングアウト”する──。不動産賃貸業で道内大手の(株)ハイチエイジェント(札幌市)と同社の鷹野公弘社長が平成24年5月28日に提起した「不当利得返還等請求事件」に関する続報だ。この事件は、被告が違法カジノ店の“表向きの経営者”とされる後藤郁享氏のほか、不動産業の道内大手でゴルフ場経営なども手掛けるキタコー(株)(札幌市)と同社の草野浩平社長らであったことから、金融業界を中心に秘かに注目を集めてきた。訴訟は昨年8月29日の札幌地裁判決を経て札幌高裁に争いの場を移している。こうした中、先月号で鷹野社長の主張を取り上げた記事に対し、これまで所在が掴めなかった被告の後藤氏が口を開いた。
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【論評】道観光振興機構「近藤改革の実態」(2)
人心と道庁が離れる近藤体制
辻副知事就任で波乱の展開か
“唯我独尊の運営”に噴き出る不満と批判

「赤信号の近藤体制」とのタイトルで公益社団法人北海道観光振興機構(本部札幌・以下振興機構)の現状を論じた先月号の記事に経済界関係者から予想以上の反響が寄せられた。「その通りだ」「ジャーナルが書いている以上に深刻だ」などのほか「このままでは北海道観光が10年停滞する」と指摘する声まであった。北海道電力の社長、会長を歴任し道経連会長も務めた北海道経済界のトップリーダー近藤龍夫会長(71)に吹き出る不満、批判の数々──。その原因は、道庁の計算ミスと近藤会長による唯我独尊的な運営手法にあるようだ。インバウンドがかつてない活況を呈する中、道庁と振興機構の亀裂は深まる一方に見える。振興機構「近藤改革の実態」の続編をお届けする。
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【連載】戦争遺産をめぐる旅 (5)
今も1万2千以上の遺骨が眠る
硫黄島で繰り返される日米訓練
“地熱の島”で起きた悲劇とは

東京都・小笠原諸島の南端に位置する面積22平方キロメートルの硫黄島。1945年2月から3月にかけて36日間にわたり日米の激しい戦闘が繰り広げられ、日本側は軍属を含む約2万1900人、アメリカ側は約6800人の戦死者を出した悲劇の島だ。現在、行政区分上は東京都小笠原村に属しているが島全体が海上自衛隊の基地となっており、一般人は入島できない。在日アメリカ軍と陸・海・空の自衛隊が一体となって訓練できる場所として重要度が高い同島。今なお多くの遺骨が眠ったままとみられる地下壕の上に建設された滑走路では「日米同盟」の象徴ともいえる訓練が繰り返されている。安倍首相のアメリカ議会での演説を聴いた私の脳裏に、新聞社時代に訪れたこの島での体験が鮮烈に蘇ってきた──。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【原発検証】「泊原発は本当に必要なのか」(11)
停まったまま巨額なカネを
喰らい続ける原子力発電所
「安全対策」に2千億円が投下される現場

3・11のフクシマの事故以降、福島県を中心に除染と復旧工事で巨額の資金が投下され、現地では新たな雇用が生まれている。そして原子炉が運転を停止したままの泊原発でも安全対策に莫大な金額が注ぎ込まれ、岩内町を中心に“ミニバブル”が起きている現実がある。これらも広い意味での「原発マネー」と言えるだろう。「泊原発を再稼働させるため」に北電がはじき出した安全対策費用は2千数百億円。いったいどうしてそんな巨額なカネが必要なのか。5月下旬、その“安全対策”の現場を私は目の当たりにした。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【原発】“核のゴミ”レポート PART5
新たな段階を迎えた最終処分地の選定スケジュール
“密室での説明”で始まった
政府が主導する候補地選び
“泊”で道民も直面する使用済み燃料の蓄積

高レベル放射性廃棄物の最終処分地の絞り込みに向けた作業が新たな段階を迎えた。政府は5月22日、法律に基づく「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」の改定を閣議決定し、従来の公募方式から国が前面に出て立地調査を申し入れる方式へ正式に転換した。直後の6月1~2日には、道内の自治体の担当者を北海道経済産業局に集め、「基本方針」の経緯などに関して計3回の説明会を開いたが、開催日時や場所、説明内容などはすべて非公開とされ、抗議の声が上がった。今後も処分地は見つからず、原発の「トイレなきマンション」状態が続く。1年ぶりのこのシリーズでは“核のゴミ”をめぐる基本的な事柄などを整理してみた。(ルポライター・滝川康治)
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【雪対策】
札幌市の雪たい積場を「新琴似8横」が変える

昨冬はあまり雪かきに追われなかった印象だが、2月に入るまでは記録的な大雪となった平成24年度並みの降雪量だった。2月2日午前9時の時点における札幌市内72カ所の雪たい積場への搬入量は約1075万㎥で、同日時点では過去最大量である24年度の約1120万㎥に肉迫していた。突然のドカ雪があると、市の公共排雪のほか民間の排雪サービス業者も雪たい積場に殺到するが、そうした場合も入口付近や場内での車両の流れがスムーズであることから、札幌市北区の雪たい積場「新琴似8横」は評価が高い。24年度には計画搬入量の2・3倍、市内の雪たい積場でも断然トップの約251万㎥を受け入れた「8横」。そのノウハウが今後、市内の雪たい積場を変えていくかも知れない──。
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【ニュース】
■町村前衆院議長の急死で5区の
後継候補に娘婿・和田氏が浮上
──名門「町村家」を引き継ぐ43歳。政界デビューの行方は?
■前渡しで使い放題の“政活費3億円”
札幌市は事後精算に制度切り替えを
──今年も使途公開が始まった「第2の議員報酬」
■遺族への社内調査報告 6月めど
道新函館セクハラ・不審死疑惑
──本社は労基署提出書類への署名・捺印拒否
■JR北海道の小池前会長を招聘した
メディシス・田尻社長の狙いとは?
──社外取締役に抜擢された「A級戦犯」の使い途
■小樽市の森井新市長の初人事は
部長ポストで庁内に波紋広がる
──副市長人事は外部からの登用も視野(6月5日現在)
■「小樽にカジノはいらない」
市民の会が定期総会を開催
──「運動拡大でカジノに頼らない街づくりを」
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【行政】札幌市の新市長に就任した秋元克広氏に訊く
次代に向け都市を再デザインし
札幌のポテンシャルを外に発信
内向きだった市政を大胆に転換

“市民党”を標榜し、民主党や連合をはじめ自民党支持層の支援も受けて市長選で手堅く勝利した秋元克広氏による札幌市政が始動した。副市長を務めた上田市政時代は行政手腕の手堅さで定評があった秋元氏は、新トップとしてどのように190万都市・札幌をリードしていこうとしているのか。「札幌は都市として再デザインする時期に来ている。これまで内向きだった市政を外向きに転換し、そのポテンシャルを力強く発信していく」とする秋元市長に胸の内を訊いた。(5月26日午後、市役所市長室で収録)
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【連載】ある市民運動の記憶から (3)
市長リコールの時期をめぐり保存派が内部分裂
知事の「政治判断」で運河は埋め立てへ
「町並み保存の教科書」と呼ばれる小樽運河保存運動。無用の長物として葬られようとしていた運河を産業遺産として見直し、街づくりの核と位置付けた保存運動は、全国的な論議を呼ぶ一方で内部的な対立も生んだという。保存運動の終焉までを、運河の変遷を見守ってきた山口保氏(67)が振り返る。(武智敦子、文中一部敬称略)
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【医療】
国内屈指の専門医がタッグを組み
進化する札幌心臓血管クリニック
循環器内科、心臓外科、不整脈
全ての循環器疾患に高度に対応

循環器内科・心臓血管外科・不整脈治療──。74床という中規模のベッド数ながら3つの分野それぞれで全国有数の手術実績を誇る札幌心臓血管クリニック(同市東区)。2008年の開業以来、循環器内科の単科クリニックから全ての心臓疾患に対応する病院へ変化を遂げた同病院の進化が止まらない。国内屈指の専門医3名がタッグを組む体制を整え、昨年10月に3期工事を終えてさらなる高みを目指す“モンスター病院”の現在と今後をレポートする。
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【医療】
カレスサッポロが札幌にオープンした
クリニカルシミュレーションセンター
民間として国内最大の研修施設
目指すは“医療・介護技術の向上”

社会医療法人社団カレスサッポロ(大城辰美理事長)は、看護師や医師らが実践的なトレーニングを行なう「クリニカル シミュレーションセンター」をカレスサッポロビル(旧明治安田生命札幌北1条東ビル)7階にオープンした。ここではコンピュータ制御で重症患者を再現する高機能シミュレーターをはじめ採血や注射、心肺蘇生などの一次救命処置を学ぶための教育用機器などを導入。看護分野を中心にスキルアップを図り優秀な医療者を育成する取り組みだ。民間の医療法人が運営する施設としては国内最大級となる同センターをレポートする。
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【企業】
サッポロビール㈱ 上席執行役員 北海道本社代表兼北海道本部長
生方 誠司 さんに訊く
14年連続で売上増の「サッポロクラシック」
発売30周年を機にさらなる飛躍を
北海道エリアのスローガン「ふるさとのために、何ができるだろう?」を体現するように、道庁や札幌市、道内自治体などと連携し、北海道の活性化に尽力しているサッポロビール㈱。その陣頭指揮を執る北海道本社代表兼北海道本部長に、今春から生方誠司氏(50)が就任した。今後、北海道における同社の“顔”となる生方氏に、今年の展開などについて訊いた。(5月18日収録)
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【連載】岐路に立つ若者の就労支援事業 (10)
若者の“使い捨て”を許すな
非正規の受け皿として期待される個人加入ユニオンの役割
長時間労働、サービス残業、ワーキングプア…。景気回復というアベノミクスの恩恵は、多くの若者たちには回ってこないようだ。それどころか労働環境は悪化の一途をたどっている。派遣やパートなど非正規で働く若い世代が、職場環境や働き方に悩みを持った時、泣き寝入りせずに解決する手段はあるのだろうか──。社内に労働組合がなくても、個人加入できる札幌地区労連ローカルユニオン「結」の活動を取材した。(武智敦子)
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【話題の人】
帝銀事件の真相究明と平沢貞通元死刑囚の
生涯を追う田野 真一さんに訊く
「絵画を里帰りさせるのが夢。
平沢さんに恩返しをできれば」
1948年、行員12人が毒殺された「帝銀事件」の犯人として死刑判決を下され、39年もの間無実を訴えながら95歳で獄中死した平沢貞通元死刑囚(1892─1987年)。20年にわたり事件の真相究明と画家としての平沢の足跡をたどってきた神戸市在住の田野真一さん(41)が、5月10日の命日に合わせ平沢元死刑囚の故郷・北海道を訪れた。帝銀事件を巡っては、平沢氏の養子で再審請求人として名誉回復に奔走した武彦氏が一昨年に54歳で急逝。平沢元死刑囚の生涯と画業の再評価に取り組む田野さんに、残された絵画の周辺などを聞いた。(聞き手・武智敦子、5月12日収録)
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【夏のボーナス特集】“失敗しない資産運用”とは?
株高だからこそ気をつけたい
資産運用の「ここがポイント」
夏のボーナス時期がやってきた。国内では日経平均2万円を超える株高などを背景に景気回復が進み、東京を中心に企業業績も好調が伝えられるようになっている。北海道はいまひとつといった印象だが、ボーナスアップへ期待を寄せる人もいるだろう。まとまったお金が入る退職世代にとっても、今が長寿時代に備えたマネープランを考え直す機会かもしれない。本特集でお馴染みのファイナンシャルプランナーの須藤臣さんに今年もアドバイスをお願いし、最近のトレンドを踏まえ新たに心がけるべきをポイントを伝授してもらった。
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【長期連載】白井暢明のホンネで語る北海道独立論 特別篇
北海道は早急に「脱原発条例」を
核のゴミ捨て場の選定作業(押し付け)に国が着手
「北海道を“核のゴミ捨て場”にしてはならない!」。これは本誌前々号(5月号)でのタイトルである。そこで私は、日本の原発政策、特に核廃棄物の最終処理方法について紹介しながら、私たちが住む自然豊かな北の大地、北海道が、将来“核のゴミ捨て場”になる恐れが充分にあるという警報を発していた。そしてつい最近、このような懸念をさらに強めるような国の動きが始まったようだ。そこで今回は、北海道を核のゴミ捨て場にしないための考察の第2弾として、この問題をめぐる国と北海道、国と道内自治体との関係についてやや異なった視点から論じてみたい。
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【フォトレポート・トピックス】
*「北海道のごちそう缶」をイオン店舗で発売
*日本の伝統とチョコの出会い「美冬 抹茶」(石屋製菓)
*7月16日に「泡盛を楽しむ北海道の集い」
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【連載コラムなど】
*視点 公共交通をどうする?
*夏井功の「夜を駈ける車イス」
*風俗嬢の休日
*シネマ
*須賀章雅のよいどれブンガク夜話
*名画の小部屋
*スポーツ筆刀両断
*夢の夢吉 夢吉の夢
*おたくの文壇殴り込み
*新設企業情報
*人物株価
*古本屋女房の“古本的日常"
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『七月亭』
【原発検証】「泊原発は本当に必要なのか」(11)
停まったまま巨額なカネを
喰らい続ける原子力発電所
「安全対策」に2千億円が投下される現場

3・11のフクシマの事故以降、福島県を中心に除染と復旧工事で巨額の資金が投下され、現地では新たな雇用が生まれている。そして原子炉が運転を停止したままの泊原発でも安全対策に莫大な金額が注ぎ込まれ、岩内町を中心に“ミニバブル”が起きている現実がある。これらも広い意味での「原発マネー」と言えるだろう。「泊原発を再稼働させるため」に北電がはじき出した安全対策費用は2千数百億円。いったいどうしてそんな巨額なカネが必要なのか。5月下旬、その“安全対策”の現場を私は目の当たりにした。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【原発】“核のゴミ”レポート PART5
新たな段階を迎えた最終処分地の選定スケジュール
“密室での説明”で始まった
政府が主導する候補地選び
“泊”で道民も直面する使用済み燃料の蓄積

高レベル放射性廃棄物の最終処分地の絞り込みに向けた作業が新たな段階を迎えた。政府は5月22日、法律に基づく「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」の改定を閣議決定し、従来の公募方式から国が前面に出て立地調査を申し入れる方式へ正式に転換した。直後の6月1~2日には、道内の自治体の担当者を北海道経済産業局に集め、「基本方針」の経緯などに関して計3回の説明会を開いたが、開催日時や場所、説明内容などはすべて非公開とされ、抗議の声が上がった。今後も処分地は見つからず、原発の「トイレなきマンション」状態が続く。1年ぶりのこのシリーズでは“核のゴミ”をめぐる基本的な事柄などを整理してみた。(ルポライター・滝川康治)
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【雪対策】
札幌市の雪たい積場を「新琴似8横」が変える

昨冬はあまり雪かきに追われなかった印象だが、2月に入るまでは記録的な大雪となった平成24年度並みの降雪量だった。2月2日午前9時の時点における札幌市内72カ所の雪たい積場への搬入量は約1075万㎥で、同日時点では過去最大量である24年度の約1120万㎥に肉迫していた。突然のドカ雪があると、市の公共排雪のほか民間の排雪サービス業者も雪たい積場に殺到するが、そうした場合も入口付近や場内での車両の流れがスムーズであることから、札幌市北区の雪たい積場「新琴似8横」は評価が高い。24年度には計画搬入量の2・3倍、市内の雪たい積場でも断然トップの約251万㎥を受け入れた「8横」。そのノウハウが今後、市内の雪たい積場を変えていくかも知れない──。
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【ニュース】
■町村前衆院議長の急死で5区の
後継候補に娘婿・和田氏が浮上
──名門「町村家」を引き継ぐ43歳。政界デビューの行方は?
■前渡しで使い放題の“政活費3億円”
札幌市は事後精算に制度切り替えを
──今年も使途公開が始まった「第2の議員報酬」
■遺族への社内調査報告 6月めど
道新函館セクハラ・不審死疑惑
──本社は労基署提出書類への署名・捺印拒否
■JR北海道の小池前会長を招聘した
メディシス・田尻社長の狙いとは?
──社外取締役に抜擢された「A級戦犯」の使い途
■小樽市の森井新市長の初人事は
部長ポストで庁内に波紋広がる
──副市長人事は外部からの登用も視野(6月5日現在)
■「小樽にカジノはいらない」
市民の会が定期総会を開催
──「運動拡大でカジノに頼らない街づくりを」
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【行政】札幌市の新市長に就任した秋元克広氏に訊く
次代に向け都市を再デザインし
札幌のポテンシャルを外に発信
内向きだった市政を大胆に転換

“市民党”を標榜し、民主党や連合をはじめ自民党支持層の支援も受けて市長選で手堅く勝利した秋元克広氏による札幌市政が始動した。副市長を務めた上田市政時代は行政手腕の手堅さで定評があった秋元氏は、新トップとしてどのように190万都市・札幌をリードしていこうとしているのか。「札幌は都市として再デザインする時期に来ている。これまで内向きだった市政を外向きに転換し、そのポテンシャルを力強く発信していく」とする秋元市長に胸の内を訊いた。(5月26日午後、市役所市長室で収録)
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【連載】ある市民運動の記憶から (3)
市長リコールの時期をめぐり保存派が内部分裂
知事の「政治判断」で運河は埋め立てへ
「町並み保存の教科書」と呼ばれる小樽運河保存運動。無用の長物として葬られようとしていた運河を産業遺産として見直し、街づくりの核と位置付けた保存運動は、全国的な論議を呼ぶ一方で内部的な対立も生んだという。保存運動の終焉までを、運河の変遷を見守ってきた山口保氏(67)が振り返る。(武智敦子、文中一部敬称略)
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【医療】
国内屈指の専門医がタッグを組み
進化する札幌心臓血管クリニック
循環器内科、心臓外科、不整脈
全ての循環器疾患に高度に対応

循環器内科・心臓血管外科・不整脈治療──。74床という中規模のベッド数ながら3つの分野それぞれで全国有数の手術実績を誇る札幌心臓血管クリニック(同市東区)。2008年の開業以来、循環器内科の単科クリニックから全ての心臓疾患に対応する病院へ変化を遂げた同病院の進化が止まらない。国内屈指の専門医3名がタッグを組む体制を整え、昨年10月に3期工事を終えてさらなる高みを目指す“モンスター病院”の現在と今後をレポートする。
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【医療】
カレスサッポロが札幌にオープンした
クリニカルシミュレーションセンター
民間として国内最大の研修施設
目指すは“医療・介護技術の向上”

社会医療法人社団カレスサッポロ(大城辰美理事長)は、看護師や医師らが実践的なトレーニングを行なう「クリニカル シミュレーションセンター」をカレスサッポロビル(旧明治安田生命札幌北1条東ビル)7階にオープンした。ここではコンピュータ制御で重症患者を再現する高機能シミュレーターをはじめ採血や注射、心肺蘇生などの一次救命処置を学ぶための教育用機器などを導入。看護分野を中心にスキルアップを図り優秀な医療者を育成する取り組みだ。民間の医療法人が運営する施設としては国内最大級となる同センターをレポートする。
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【企業】
サッポロビール㈱ 上席執行役員 北海道本社代表兼北海道本部長
生方 誠司 さんに訊く
14年連続で売上増の「サッポロクラシック」
発売30周年を機にさらなる飛躍を
北海道エリアのスローガン「ふるさとのために、何ができるだろう?」を体現するように、道庁や札幌市、道内自治体などと連携し、北海道の活性化に尽力しているサッポロビール㈱。その陣頭指揮を執る北海道本社代表兼北海道本部長に、今春から生方誠司氏(50)が就任した。今後、北海道における同社の“顔”となる生方氏に、今年の展開などについて訊いた。(5月18日収録)
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【連載】岐路に立つ若者の就労支援事業 (10)
若者の“使い捨て”を許すな
非正規の受け皿として期待される個人加入ユニオンの役割
長時間労働、サービス残業、ワーキングプア…。景気回復というアベノミクスの恩恵は、多くの若者たちには回ってこないようだ。それどころか労働環境は悪化の一途をたどっている。派遣やパートなど非正規で働く若い世代が、職場環境や働き方に悩みを持った時、泣き寝入りせずに解決する手段はあるのだろうか──。社内に労働組合がなくても、個人加入できる札幌地区労連ローカルユニオン「結」の活動を取材した。(武智敦子)
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【話題の人】
帝銀事件の真相究明と平沢貞通元死刑囚の
生涯を追う田野 真一さんに訊く
「絵画を里帰りさせるのが夢。
平沢さんに恩返しをできれば」
1948年、行員12人が毒殺された「帝銀事件」の犯人として死刑判決を下され、39年もの間無実を訴えながら95歳で獄中死した平沢貞通元死刑囚(1892─1987年)。20年にわたり事件の真相究明と画家としての平沢の足跡をたどってきた神戸市在住の田野真一さん(41)が、5月10日の命日に合わせ平沢元死刑囚の故郷・北海道を訪れた。帝銀事件を巡っては、平沢氏の養子で再審請求人として名誉回復に奔走した武彦氏が一昨年に54歳で急逝。平沢元死刑囚の生涯と画業の再評価に取り組む田野さんに、残された絵画の周辺などを聞いた。(聞き手・武智敦子、5月12日収録)
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【夏のボーナス特集】“失敗しない資産運用”とは?
株高だからこそ気をつけたい
資産運用の「ここがポイント」
夏のボーナス時期がやってきた。国内では日経平均2万円を超える株高などを背景に景気回復が進み、東京を中心に企業業績も好調が伝えられるようになっている。北海道はいまひとつといった印象だが、ボーナスアップへ期待を寄せる人もいるだろう。まとまったお金が入る退職世代にとっても、今が長寿時代に備えたマネープランを考え直す機会かもしれない。本特集でお馴染みのファイナンシャルプランナーの須藤臣さんに今年もアドバイスをお願いし、最近のトレンドを踏まえ新たに心がけるべきをポイントを伝授してもらった。
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【長期連載】白井暢明のホンネで語る北海道独立論 特別篇
北海道は早急に「脱原発条例」を
核のゴミ捨て場の選定作業(押し付け)に国が着手
「北海道を“核のゴミ捨て場”にしてはならない!」。これは本誌前々号(5月号)でのタイトルである。そこで私は、日本の原発政策、特に核廃棄物の最終処理方法について紹介しながら、私たちが住む自然豊かな北の大地、北海道が、将来“核のゴミ捨て場”になる恐れが充分にあるという警報を発していた。そしてつい最近、このような懸念をさらに強めるような国の動きが始まったようだ。そこで今回は、北海道を核のゴミ捨て場にしないための考察の第2弾として、この問題をめぐる国と北海道、国と道内自治体との関係についてやや異なった視点から論じてみたい。
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【フォトレポート・トピックス】
*「北海道のごちそう缶」をイオン店舗で発売
*日本の伝統とチョコの出会い「美冬 抹茶」(石屋製菓)
*7月16日に「泡盛を楽しむ北海道の集い」
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【連載コラムなど】
*視点 公共交通をどうする?
*夏井功の「夜を駈ける車イス」
*風俗嬢の休日
*シネマ
*須賀章雅のよいどれブンガク夜話
*名画の小部屋
*スポーツ筆刀両断
*夢の夢吉 夢吉の夢
*おたくの文壇殴り込み
*新設企業情報
*人物株価
*古本屋女房の“古本的日常"
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『七月亭』
Posted by 北方ジャーナル at 00:00│Comments(0)
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