2012年09月19日
札幌刑務所で慰霊祭 無縁の600人悼む
慰霊祭は1968年から毎年開かれている。当初は有志女性のみのささやかな催しだった
(19日午後、札幌市東区の札幌刑務所)
札幌市東区の札幌刑務所(狩野覚所長、約1300人収容)で19日午後、同所内で亡くなった受刑者などを悼む慰霊祭が執り行われ、主催する「札幌市更生保護女性連合」の会員など約40人が参列、引き取り手のない遺骨を祀る「合葬碑」に手を合わせた。
慰霊祭は毎年秋に行なわれており、今年で44回目。札幌刑務所や同支所(女子刑務所)、札幌拘置支所などで収容中に亡くなった受刑者などのうち、遺骨の引き取り手がいない人たちを慰霊する目的で更生保護女性会が主催してきた。今世紀に入ってから刑務所職員らも参列するようになり、札幌更生保護女性連盟の発足50周年にあたる今年は、全道組織の「北海道地方更生保護女性連盟」関係者らも駈けつけた。
儀式は、刑務所敷地内に建つ「合葬之碑」前で開催。札幌矯正管区で四半世紀以上にわたって教誨師を務めている市内の僧侶・松本哲朗さん(63)の読経に合わせ、参列者全員が焼香した。
札幌刑務所では今年に入ってから、1月21日に60歳代の男性受刑者が食道癌で亡くなったケースなど、7月末までに10件の死亡事案があった(うち1件は拘置支所収容の刑事被告人)。道地方連盟会長の穴田節子さん(67)=空知管内長沼町=は、「高齢の人が犯罪を繰り返すのは、塀の外に居場所がないから。行き場がなく、話し相手がいない人たちをどうやって暖かく迎え入れるかが、社会の大きな課題になっている」と話す。もともと青少年の更生保護を目的に活動してきた女性会だが、近年はむしろ受刑者の高齢化への対応が重要になっているといい、会員らは活動への理解と協力を広く求めている。10月5日には札幌市内で発足50周年を記念する式典を開く。
「合葬之碑」は、1961年建立。1870年の刑務所創設以来今日までに亡くなった無縁の霊約600柱を祀っている。刑務所敷地内の北西の角にあるが、碑の周辺は刑務所の塀に囲まれていない。「札幌市更生保護女性連合」会長の塩越好江さん(75)=札幌市手稲区=は、「亡くなった方はお務めを終えたということで、塀の外に出してくださるんでしょう」と、刑務所のはからいに深く共感していた。 (ん)
儀式は、刑務所敷地内に建つ「合葬之碑」前で開催。札幌矯正管区で四半世紀以上にわたって教誨師を務めている市内の僧侶・松本哲朗さん(63)の読経に合わせ、参列者全員が焼香した。
札幌刑務所では今年に入ってから、1月21日に60歳代の男性受刑者が食道癌で亡くなったケースなど、7月末までに10件の死亡事案があった(うち1件は拘置支所収容の刑事被告人)。道地方連盟会長の穴田節子さん(67)=空知管内長沼町=は、「高齢の人が犯罪を繰り返すのは、塀の外に居場所がないから。行き場がなく、話し相手がいない人たちをどうやって暖かく迎え入れるかが、社会の大きな課題になっている」と話す。もともと青少年の更生保護を目的に活動してきた女性会だが、近年はむしろ受刑者の高齢化への対応が重要になっているといい、会員らは活動への理解と協力を広く求めている。10月5日には札幌市内で発足50周年を記念する式典を開く。
「合葬之碑」は、1961年建立。1870年の刑務所創設以来今日までに亡くなった無縁の霊約600柱を祀っている。刑務所敷地内の北西の角にあるが、碑の周辺は刑務所の塀に囲まれていない。「札幌市更生保護女性連合」会長の塩越好江さん(75)=札幌市手稲区=は、「亡くなった方はお務めを終えたということで、塀の外に出してくださるんでしょう」と、刑務所のはからいに深く共感していた。 (ん)
Posted by 北方ジャーナル at 18:42│Comments(0)
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