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2010年08月31日

暑さのせいかしら

暑さのせいかしら

明日から9月だというのに、北海道も茹だるような暑さが続いている。札幌市内の最高気温が34℃を超えた昨日は、心霊スポットとして有名な手稲区西野の「平和の滝」付近での取材を皮切りに、札幌市内と小樽市内を流れて日本海に注ぐ二級河川である新川沿いをスクーターで激走し、支流と繋がる樋門やら水門やら子門真人やらをコンデジに収めるツアーで大汗をかいた次第であるが(若干ウソあり)、降雨の予報があった本日は久々にクルマで出勤したのであった。

我が愛車は納車からまだ半年ほど、地方誌の記者が乗るには分不相応な代物である。腰痛やら肩凝りやら放屁癖やら各種の持病を抱える筆者が共稼ぎパワーを総動員し、清水の舞台から飛び降りる覚悟でカミさんに土下座して購ったもので、そこに寄せる愛着はレイテ沖300マイルの海底より深いかもしれない。

スクーターに代わって久々に出動したその愛車が本日の朝、悲劇に見舞われた。信号待ちで停車していたところ、後ろから突然「ボコッ」という異音。何かとバックミラーを見ると、後続車が我が愛車の後部に密着警察24時しているのである。

ハザードを付けて後続車に向かうと、ドライバーはハンドルの下に顔を埋めている。自らの犯した過ちを深く悔いているのかと思いきや、さにあらず。サイドウインドーを軽く叩いて「じいちゃん、何で追突したの」と訊くと、「あ、ぶつかった? ステレオをいじっていて気付かなかった」。

追突の原因は、後続車の爺さんがステレオに気を取られてブレーキから足を離したためらしい。スピードが出ていないので愛車の破損は軽微だったが、最低10年は大事に乗ろうと愛車を労ってきた筆者の心の傷は、ガダルカナル沖150マイルに迫る深さであった。

一応、警察に連絡して本家本元の警察24時の方に来ていただいて分かったのは、後続車の爺さんが昨今流行の所在不明高齢者ではなく、大正年代生まれの本家本元の後期高齢者であったという事実である。

「最近は毎年7、8回はぶつけるからね、いつも1、2万円で示談にしてもらっているのよ。警察は勘弁してもらえないかな」
激動の昭和を生き抜いた人物とは思えぬ発言をしていたかの爺さん、警察24時の方が到着しても態度は相変わらず。
「カラオケに遅れるからさ、まだ掛かる? もう行っていい?」

「原因はあなたですからね、しばらく辛抱して下さい」
と冷静だった警察24時の方も、爺さんの発言やらクルマの至る所に付いた擦り傷や凹みを見るにつけ、
「高齢になったら運転しない、というのも選択肢のひとつですからね。もしも、運転を止めようという気持ちになったら、近くの交番でも警察署でも来て下さい。できる限りのアドバイスをしますから」

暑さのせいかしら

ようやく札幌近郊でも赤トンボの姿を見るようになったが、残暑厳しい折、なかなか風流な気持ちにはなれないものである。本日、筆者と顔を会わせた面々のなかでは、かの警察24時の方が最も冷静沈着であったかもしれない。

冷静沈着も度を過ぎて、季節の移ろいに疎くなっては人生が楽しくないけども。(ひ)


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Posted by 北方ジャーナル at 23:10│Comments(0)どうでもいい話
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