月刊誌「北方ジャーナル」公式ブログ

　注目されていた東京都議会選挙が12日投開票され、民主圧勝、自民惨敗のなかで自公が過半数割れ（定数127）という事態となった。実に44年ぶりの出来事だという。

　民主は現有34から54議席に躍進し、単独過半数にあと一歩まで迫った。現有48あった自民は、10議席を失い38議席に急落。都連幹事長を１人区で落とすなどベテラン、長老が軒並み苦戦し議席を減らした。

　──などとメディアがストレート系ニュースで沸騰するのを眺めていて、民主の躍進もさることながら私が興味を持ったのが、投票率、そして大都市での自民敗北、あるいは公明党の堅調さなどについてだった。

　投票率は前回より10ポイントも増加し54.49%。そして小泉以降に金融バブルと都市バブルで恩恵をこうむったはずの大都会の有権者が、今の都政と政権にNGを突きつけたというのも面白い。組んでいるパートナーがここまで人気が落ちても公明党のいつもながらの底堅さにも感心させられる。

　午後8時開票。実父・慎太郎氏が都の舵取りを握る知事職にあり、自らが自民都連の会長でもある石原伸晃幹事長代理の背後のバラはいっこうに咲こうとしなかった──。

　この結果で麻生下ろし？ 地方選に負けたのをリーダーの責任にして安易に首を取り替えることに汲々とする姿を見せれば、今度こそ自民党にとって致命的なダメージとなると私は思う。

　国民はまず幻滅しているのだ。小泉は威勢だけは良かったし、功罪はともかく我が国の顔として一定期間通用した。だがそれ以降、安倍、福田、麻生がさらしてきた醜態とリーダーシップの欠如は誰が見ても明らかだ。根性も体力もなかった安倍と福田。そして空気を読めない麻生。

　政策もあるしイデオロギーもある。だがそれ以前に「いーかげんに、しーや」と言われているのが自民なのではないか。

　加えて昨今の金融恐慌で、“乗せられていた”人々が冷や水を浴びせられたというのも見逃せない事実だ。



　組織は内側から崩れると言うが、今の自民党を見ていてそんな感を強くする。　（く）