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2008年05月21日

【稚内発】民間会社が自己資金で放置ロシア船を回収処分

【稚内発】民間会社が自己資金で放置ロシア船を回収処分
海上で漂流していたロシアの放置船
の引き揚げ作業(5月19日・稚内港)


 北海道の沿岸で、ロシア船籍の貨物船が海難座礁を起こし、そのまま放置されるという事例が数件発生し問題となっている。

 稚内市に本社のある志田船舶工業株式会社(志田茂晴社長)は、関係官庁などと協議の上、5月19日から自社のクレーン船を使って、自費で放置ロシア船の回収処分作業を開始した。

 放置座礁船は、船主が船舶の燃料油による沿岸・海上の油濁損害や座礁船体の撤去にかかる費用を支払う保険に加入していなかったために起きる。近隣の自治体が撤去費用を拠出する事例が増加しているが、財政難にあえぐ自治体の大きな負担になっている。

 このような事例を解決するために、平成17年3月1日から外国航路に就航する総トン数100トン以上の船舶に対しこれらの費用を保障する船主責任相互保険(PI保険)などに加入しなければ、日本の港湾に入港することができなくなった。

 しかし、極東地方や日本海を往来するロシア船が増加する一方で、同国の船舶は老朽化がすすんでいる。ある商社員は、「日本海やオホーツク海の荒海を、こんな船でよく運んでくるよ。ロシアの船はいつ沈没してもおかしくないなと思うような古い、赤さびた船ばかりだ」と語る。

 この問題にからんでは、数年前に、駐日ロシア大使が法的責任は船主にあるが「ロシア政府にもモラル(道義)上の責任はある」と認めたように、老朽船の運航を事実上放置しているロシア政府の責任も問われるところだ。同時に、ロシア船舶の老齢化、ロシア極東地方に出入りする老齢タンカーなどの増加で日本海地域の危険性が高まっていることを承知していながら、対策をとってこなかった日本政府の責任も重大と言わねばならない。

 志田社長は、「放置船を放置しておくことは、危険でもあり、美観も損ねることになる。自治体財政が厳しい折に税金を使って処分することも考えもの。自分でできることは率先して協力したい」と話している。(稚内「週刊市民の声」代表・石井栄三)


Posted by 北方ジャーナル at 13:33│Comments(0)
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