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2011年09月16日

「領収証を」に公憤 札幌の風俗店が「東電関係者出入禁止」

「領収証を」に公憤 札幌の風俗店が「東電関係者出入禁止」
 「クレームは覚悟の上」という「メンズエステ『オリーブガーデン』」(札幌市中央区)

 もう「東京電力」宛ての領収証を切りたくない――。札幌市中央区・ススキノ地区の性風俗店が14日、「東電関係者入店拒否」を宣言、賛意を示すメールが全国から殺到するなど大きな話題となっている。名指しで“出入り禁止”を宣告された東京電力から現時点で抗議などは届いておらず、店の関係者は「福島第一の事故が完全に収束するまでこの措置を続ける」としている。

 店は、今年4月からススキノ地区で営業している「メンズエステ『オリーブガーデン』」(札幌市中央区南5西5)。14日午後、同日付のスタッフブログで東京電力社員の利用を「一切お断りします」と宣言、「原発推進派の御用学者」も同じ扱いとする旨を明記した。ただ、「下請け会社で」現場作業に就く人たちは含まないとしている。

「領収証を」に公憤 札幌の風俗店が「東電関係者出入禁止」

 同店長によると、ブログ公開直後から問い合わせや激励などが殺到、公式サイトへのアクセスが通常時の一日約3000件から同約8万件に跳ね上がり、2時間ほど後には開業以来初めてサーバーがパンクした。その日のうちにニュースサイトメンズサイゾーやスポーツ紙東京スポーツなど4カ所から取材があり、翌15日になってもメールやツイッターなどを通じて話題が拡散。同日午後には「意気に感じて利用を決めた」と、新規利用客が来店したという。

 一私企業の関係者を名指しで入店拒否することについて、ブログ読者からは「差別ではないか」と指摘する声もあった。同店長自身、「決断までにかなり葛藤があった」と話す。

「きっかけは、12日にご利用くださったお客様に白紙の領収証を求められたことです。うちは必ず宛名を書くことにしているのでそう伝えたところ、しぶしぶ『東京電力で』と」

 30歳代半ばというその男性は、12日午後に「70分1万3000円コース」を利用、清算時に「東京電力」「飲食費」と記した領収証の発行を求めたという。店長のみならず接客を務める女性たちも「えっ」と驚き、強い不快感を覚えた。

「東電を騙ってるだけじゃないかというご指摘もありましたが、当たり前の感覚で考えて、まったく無関係の人がそういう領収証を求めるとは思えません。もしそれが必要経費として処理されたら、東電は単なる遊興費を会社として負担し、それが電気料金に反映されることになる。私自身、10数年前まで関東在住でしたが、そんな電力会社は許せないと思ったんです」

 出入禁止宣言の事情を公開すると、特定の利用客のプライバシーを暴露することになり、そうした行為は職業倫理に悖る、場合によっては店の信用にも関わる―、との迷いもあったが、女性スタッフ全員の賛同を得て「この問題だけは別」とブログ公開に踏み切った。「目先のお客さんは貴重だし、それを断るとみんなに負担をかけることになる」と悩む店長に対し、同店に勤務するみなみさん(28)は「店長の判断は正しい」とブログ公開を支持した。

「私たち一般人は、電力会社に抵抗できないじゃないですか。こういう行動で少しでも私たちの意志を表現することができるなら、と思ったんです」

「領収証を」に公憤 札幌の風俗店が「東電関係者出入禁止」
 日刊ゲンダイ(右)と東京スポーツの紙面(いずれも16日付)

 震災発生以降、東電の隠蔽体質や被災地への不誠実な対応について憤りを感じるようになったという店長は、電力自由化・送電分離を主張する。

「電力事業はわれわれのような商売とは違い、国に守られて独占でやってるんだから、会社の金で風俗なんかに来たら駄目ですよ。被災地の人たちに申し訳ないと思わないんだろうか。遊ぶなら自分の金で来て欲しいですね」

 15日付のメンズサイゾーで同店の取り組みをレポートした東京都のライター橋本玉泉さん(48)は、店の「宣言」を「非常に意義のある抵抗」と評価する。

「東電を差別しているとの批判もあったようですが、それは違うと思います。これは消費者としてのボイコットですよ。店長自身も『自腹で遊んで欲しい』と言ってるように、人間を差別してるわけじゃなく、会社としてそういう金を使うなと言っているだけ。風俗だろうがスナックだろうが居酒屋だろうが、こんな時に経費で遊ぶなんて言語道断です。文句を言おうにも、東電に対してはたとえば不買運動なんかできないじゃないですか。払いませんと言ったら、電気を停められる。だからこういう形での抵抗になったわけで、先陣を切った同店はたいへん勇気があると思います」

 くだんの利用客が実際に東電関係者だったかどうかは定かでなく、同店の領収証は複写式ではないため事後の検証が難しい。だが、事実とすればそれはいずれ必要経費として精算されることになる。東京電力は16日午前、本誌の取材に対し、「当社の社員が経費で(風俗店を)利用することはあり得ない」と言い切った。

「社内において厳正な処理を行なっていますので、そのようなことはあり得ません。本件については事実関係を承知しておりませんので、たいへん申しわけないのですがコメントは差し控えさせていただきたいと思います」(本店広報部)

 同社は現時点で、苦情や抗議なども検討していないという。オリーブガーデンの店長は「もしクレームが来たら、正面から応じる。むしろ『衿を正せ』と、こちらから抗議したいほど」と、一歩も引かない構えだ。  (ん)

「領収証を」に公憤 札幌の風俗店が「東電関係者出入禁止」


〔追記〕

 本エントリ公開後、記事内容に対して評論家の小谷野敦さん(48)から以下の疑義が寄せられたので、公開する。

 『同店の措置は、あきらかに特定企業に対する差別である。経費での利用を拒否するというのであれば、東京電力を含むあらゆる企業にそのルールを適用しなくてはならない。たとえば自動車会社は年間7000人もの人たちを死なせており、私なら自動車会社にこそそういう扱いをして貰いたいと考える。まして、東電は一人も殺していない。不祥事を起こした企業ということでも、同社以外に問題のある会社がたくさんあるのは言うまでもない。原子力発電所事故などが現在たまたま大きな話題になっているからといって、名指しで公然と出入り禁止扱いするのは、差別以外の何物でもない』
  (9月17日午前0時06分追記)


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Posted by 北方ジャーナル at 23:17│Comments(10)ニュース
この記事へのコメント
この件に関しては小谷野敦氏を全面的に支持します。
こんな差別記事を自慢げに載せているこのブログにあきれました。
このブログ自身も差別を助長しているということに自覚があるのでしょうか。
Posted by swoods at 2011年09月17日 12:59
私はこの店の行動を支持します。
東電は人を死なせていないというけれど、現場では正直何が
起きてるかわからない。
これから住民の健康に影響がでるかもしれない
人をそんな不安に陥れておいて、電気料金値上げ。
嘘や隠蔽の連続。
こんな事態なのに、会社のお金で風俗遊びとか信じられません
こういう会社にまともな倫理観は通用しません
差別されて当然です

このお店はお店でできるやり方で抗議しただけです
ぶっちゃけ言うと領収書さえ切らなければ、東電社員かどうか
なんてわかるわけないんですから実にささやかな抵抗運動ですよ
この程度の抗議ならガンガン広がってほしいですね
Posted by ぽち at 2011年09月17日 16:25
店は客を選べると思う。特定企業を差別的に入店拒否して何がいけないのだろうか? そこでしかサービスを受けられないのならともかく、別の店に行く、という選択肢もあるだろう。その差別に嫌悪感を表明するのは自由だが、差別をするな、というのは言い過ぎだと思う。ただ、店はあくまで自由ではあるものの、泊原発を稼働させている北海道電力の社員のことをどう扱っているかには個人的に興味がある。
Posted by ふぉすふぉれっせんす at 2011年09月17日 18:30
このエントリを書いている人は何故、小谷野敦という人物の疑義を追記する必要があったのか?

1.この小谷野という人物の疑義「たとえば自動車会社は年間7000人もの人たちを死なせており」は一体どういう根拠があるのか、たぶん統計局の平成21年度死者数http://www.stat.go.jp/data/nihon/g6126.htm
辺りから引いていると思われるけど、自動車会社が死なせているわけでないのは自明
2.「原子力発電所事故などが現在たまたま大きな話題になっている」事故について過小評価も甚だしい。これもいちいち詳細を記すまでもなく日本国民なら自明

何でも差別といえば思考停止した昭和の時代はもう過ぎました。
この程度の疑義をあえて追記する必要があるのか大いに疑問

本来なら東電の経営陣は全員刑務所にぶち込まれて、会社は潰されて
当然の状況、バブル崩壊以降の金融機関経営陣に対する対応より
悪い。

敢えていうなら、東電経営陣、それを支える社員は大いに差別されて
自らの組織が犯した犯罪を悔いるべき。
Posted by 疑問 at 2011年09月17日 18:54
小谷野氏や他の東電擁護者は、人を死なせていないというけれど、
自殺に追い込まれた、福島県の酪農家の人がいましたよね。
推測ですが、この後、3年、5年で本当の被害の大きさがわかってくるのだと思います。
今はまだ、おそらく序の口なのではないですか。
北海道拓殖銀行の頭取三人は、金を貸しただけで、ぶち込まれたというのに、ボーナスまで貰えるなんて。
Posted by アベ・コーベー at 2011年09月18日 00:18
東電みずからが「当社の社員が経費で(風俗店を)利用することはあり得ない」と言っているんだから、「差別」云々はナンセンス。この風俗店は、原発事故の話題性に便乗して自分の店を宣伝しているだけだ(現に、宣伝費ゼロでススキノのナンノナニガシという店名を記事に載せてもらっている)。

今回はそれに加えて小谷野とかいう三流ライターまでが便乗して売名を図っているわけで、あさましい構図である。
Posted by 渡辺秀樹 at 2011年09月18日 02:39
小谷さんのご意見にも一理あります。大切なのは、極力冷静にして多角的に問題を捕らえることと思います。東電に問題があるのは当然ですが、ステレオタイプにヒステリックに東電にだけ反応するのは如何なものかなと。東電の問題は今に始まったことではなく、ずっと以前から内在してたものでしょう。そして、このような体質は東電だけのものではないと考えるのが自然です。つまり、私たち国民全体に共通している問題であると捕らえるべきでしょう。また、最も優先すべきものは何なのか・・・人命なのか、環境なのか、プライドなのか、自由なのか、子孫なのか、文化なのか、幸せなのか・・・それを明確にし、あまり感情的にならず、対立する意見にも耳を傾け、建設的な議論をすることが重要であると思うのです。
Posted by ぶるうす at 2011年09月18日 12:43
僕が世間知らずなだけでしょうが、風俗で遊んどいて「飲食費」で領収証を切ろうとすること自体、非常識だと思うんですけどね。白紙の領収証って当たり前なんですか?
Posted by ライム at 2011年09月18日 16:57
「くだんの利用客が実際に東電関係者だったかどうかは定かでなく、同店の領収証は複写式ではないため事後の検証が難しい」

って一応書いてるけど、素人の個人ブログじゃあるまいし、裏も取れない話を嬉々として書いてる神経がわからない。店からお金もらったのかなぁ。

この店は同業者対策で宛名が空欄の領収書は書かないみたいだけど、そこまで客を疑ってる割には控えも残らないような領収書なの?

店が「宛名を書く都度」って言ってるからには、1回じゃなくて「複数回」なんでしょ?東京の店ならともかく、北海道の、しかも何百もあるススキノの風俗店の中の、この店に何度も来たという話自体が眉唾な感じなんだけど。

もしかしたら、話題作りの自作自演の可能性もあるんじゃない?証言してるのは本人(店)だけなんだし何の証拠もない話。

これがもし作り話だったら、原発事故の責任は別として悪意ある印象操作。「今が旬」みたいなノリだけの飛ばし記事だったら書くべきではない。
Posted by シバラク・オバマ at 2011年09月18日 17:02
小谷野敦のブログより

ttp://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20070716

>言うまでもないが、体育教師は、どこでも、バカで野蛮である。私は体育教師を差別する。
>私が独裁者になったら、体育教師をガス室送りにするかもしれない。

こんなことを公言する人間が差別を批判する資格があるのかどうか、それが問題ですね。
Posted by 由本陽子 at 2011年09月19日 02:27
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