草莽の僧侶 小西征夫さんが市の福祉事業に寄付で貢献 札幌市社会福祉総合センターで活用へ

北方ジャーナル

2025年05月29日 14:46


秋元市長からの感謝状を受け取った小西さん。右は影山雄一・保健福祉局長、左は向瀬茂樹・保健福祉局地域生活支援担当部長(5月19日、札幌市役所)

 住宅産業新聞社の創業者で、80歳を機に同社を北海道建設新聞社に譲渡し、現在は僧籍を生かした活動をしている小西征夫さん(法名=丞西・85)。その小西さんが今年4月、札幌市社会福祉総合センター(中央区大通西19)に50万円を寄付した。小西さんは、昨年6月には札幌エルプラザ(北区北8西3)に電子ピアノと特注ステージ、音響セット一式(約500万円相当)を贈っており、同市への寄付は2回目になる。

札幌市社協からも感謝状が贈られた(同)

 今回の札幌市社会福祉総合センターへの寄付に伴い、札幌市と社会福祉法人札幌市社会福祉協議会は5月19日、市役所3階の保健福祉局長室で、小西さんに感謝状をそれぞれ贈呈した。

 小西さんは、「業界紙を通じてまちづくりの啓蒙・PRをしてきた。創刊当時は100万都市になるかどうかという時だった」と現役時代を振り返ったうえで、「一線を退いた身となり、少しでも市民のお役に立てればと思って寄付させていただいた」と話した。

 小西さんは石川県加賀市出身。中央大学卒業後に小説家、酪農家を夢見て23歳で単身渡道。ほどなくして夢が潰え、不動産業界紙記者の道に進み、30歳の若さで住宅産業新聞社を創業した小西さんは、以来50年間に亘って新聞発行を続け、札幌の住宅不動産業界のオピニオンリーダーとして活動してきた。


小西さんが発行を続けてきた『おゝ他力よ!! 他力!』シリーズ

 80歳を迎えるに当たり事業を売却。以降は50代半ばに得度して得た浄土真宗の僧籍を生かして、親鸞聖人の教えである「他力」の考えを広く知ってもらおうと、自費出版の小冊子「おゝ他力よ‼ 他力!」シリーズをこれまで11冊発行してきた。

 現在は、住まいであるサービス付高齢者向け住宅の近くにある札幌市社会福祉総合センター内の情報センターに週2回ほど通う生活。そんな日常的な縁もあって今回の寄付に繋がった。同センターでは、小西さんからの寄付金を新刊書の購入などに充てるとしている。


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