夕張・村上智彦医師、「信頼できない相手の取材は受けない」

北方ジャーナル

2012年06月30日 19:53


本誌の直撃に「活字の報道は信用しない」と、コメントを避けた村上智彦医師(右)
(30日夕、札幌市中央区の北海道経済センター)


 夕張市の市立診療所を運営する医療法人財団「夕張希望の杜」理事長を5月30日付で辞任した村上智彦医師(51)が30日夕、道内の民間団体の講演会・シンポジウムに招かれ、予防医療のあり方などについて講演した。終了後、本誌が理事長辞任の件などについて取材を試みると、村上医師は「信頼できない相手の取材は受けられない」と、対応を拒否、口を重くして会場を立ち去った。「前理事長から直接の報告が未だない」とする夕張市の見解に対しては、「(報告は)した」と反論している。

 本誌と村上医師らとのやりとりは、以下の通り。
本誌記者 北方ジャーナルと申します。
村上医師 ああ、はいはい。
記者 お話伺いたいんですけど、ちょっと2、3分いいですか。
村上 いや、あの、何の話ですか。
記者 取材を受けないのはなぜなのかっていうのを。
村上 はいはい、ぼくは一民間人だからですけれども。
記者 いや、理事長時代のお話を伺うこともできない?
村上 うん、ぼくは相手を選んで話をするので。
記者 雑誌は駄目と。
村上 普段ね、ぼくらの取り組みを一切報道しないで、こういう時だけ来る人っていうのは接しないことに決めてます。
記者 ん、どういうことですか。
村上 いや、あなただってそれ(不明)が目的でしょ。そういう人たちはぼく、相手にしたくないです。
記者 希望の杜は公的な機関だったわけですよね。市立診療所を運営…、
村上 違います。ぼくはもう民間人です。
記者 市長に報告しないのはなぜですか。
村上 関係ないです。
記者 関係ない?
村上 だってぼく民間人だもの。
記者 だから当時のことでもって…、
村上 関係ないです。ぼくもう民間人です。
記者 いや、なぜ理事長を辞めたのかってこととかの報告がまだないと。
村上 したっしょ。
記者 いや、していないという…、
村上 したよ。
記者 (鈴木市長は)「直接来てない」と…、
村上 したよ。
記者 鈴木さんに?
村上 してる、してる。
記者 間違いないですか。
村上 してるしてる、してる。あなたたちが勝手に面白おかしく書いてるだけ。だからぼくは日本の活字のジャーナリスト、もう信じていない。
記者 あ、そうですか。
村上 うん。北海道を駄目にしてる。
記者 今後はもうどこの取材も受けないということなんですかね。
村上 (無言で立ち去り、関係者のもとへ)。
  =約16分後=
記者 市役所の言い分は嘘だということなんですね。
村上 ぼくは、信頼できるジャーナリストの取材は受けるけど、あなたとぼくとは信頼関係ないので、あなたのは受けたくない。
記者 HTBの取材は受けて?
村上 あなたのは受けたくない。
スタッフA やめてください。
記者 今伺ったのは確認だけなんですよ。市役所の言ってることは嘘だってことでいいんですかね。
A 本人が受けないって言ってるんだから。
記者 (鈴木市長が)記者会見で言ってたことは嘘だと。
スタッフB いやがらせはやめましょう。
記者 いやがらせじゃない。
B だって本人いやがってるんだから、いやなものを追う必要ないでしょって!
記者 あー、わかった。あんまり大きい声出さないで。
B だからやめろっつってんの!
記者 あんまり大きい声出さないで。(身体を押し付けてきたスタッフに)暴力はやめていただきたい。
B 暴力じゃないっしょ!
記者 いや、あなたでなくて、この人。
B ああ。
記者 記者会見で鈴木さんが言ってたのは嘘だっていうことですか。
B だから、やだって言ってんだから!
記者 あなたに訊いてない。
B なんだそれ!
記者 あなたに訊いてない。彼に訊いてるんだ。
B なんだよそれ!
記者 彼に訊いてるんだから。
B やだって言ってんでしょうが!
記者 彼に訊いてんだ!
スタッフC いやいや、ほんと申し訳ない、申し訳ない。はい、はい。

 直後、村上医師は大勢のスタッフにガードされたまま、無言でエレベータに乗り込んだ。

 村上医師辞任後の市立診療所をめぐっては、今月下旬に何度目かの救急搬送受け入れについてのトラブルがあったと言われる。ことの真相を含め、詳細は本誌8月号(7月15日店頭発売)で報告する予定だ。  (ん)
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