6月15日発売。
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【報道】保育事業の中和興産に浮上した不正受給疑惑を追う②
「全保育所休園」の衝撃
職員一斉退職を惹き起こした
歪んだガバナンスと親子関係
ドミノ倒しとはこのことだろう。本誌6月号(5月15日発売)の報道以後、同24日の札幌市による「ちゅうわ南保育園」(南区)への事業停止命令を皮切りに、中和興産株式会社(本社札幌)が運営する市内5カ所の保育所が次々に事業をストップ。6月初旬には全てが休園するという前代未聞の事態が発生した。全施設休園を招いた職員の一斉退職の原因、そして、かねてから同社が抱えていた歪んだガバナンスの問題とはいったい何なのか。実は昨秋、破綻の前触れというべき事件が同社の内部で起きていた──。 (本誌編集長・工藤年泰)
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【報道】海を越えた内部告発
「第三者」は本誌記者
鹿児島県警・不祥事隠蔽疑い
物証なき「漏洩」逮捕で口封じ
本号締め切り間際に大きく報じられ始め、にわかに各地の耳目を集めることとなった九州・鹿児島県警察の不祥事隠蔽疑惑。守秘義務違反の疑いで5月末に逮捕された元警察官は、その2カ月ほど前に組織的不正の実態を文書にまとめて報道関係者に告発していた。情報を受け取ったのは、当地から海を隔てて1600㎞ほど離れた札幌市に住むライター、即ち本稿記者・小笠原淳(55)。公益通報を託された当事者として、ここに一連のいきさつを報告する。(小笠原 淳)
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【シリーズ・住宅不動産情報】⑳──活発化する札幌中心部のオフィスビル売買
「建てるよりも買う」選択を
建設コストの上昇が後押し
再開発やビルの建て替えが進んでいる札幌市中心部。建設が進み外観が見えてきた新ビルもあって街が活気づく一方で、北海道新幹線札幌延伸の遅れや建設費高騰、人手不足などで不動産業界の見通しは不透明。そうした中で、市中心部にある既存ビルのM&Aとも言えるビルの売買が目立っている。地場の不動産業者も積極的にビル取得に動くなど、先行きが読めない中でも動きが活発だ。直近の3ケースを見てみよう。(佐久間康介)
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【報道】棄却された仁木町の住民監査請求
「業者と町との癒着」を完全否定
監査結果で拭えぬ疑問を追及へ
仁木町(佐藤聖一郎町長)の動きに関する続報だ。同町の再生可能エネルギービジョン策定業務を「ワンテーブル」(宮城県多賀城市)に委託したのは官製談合の疑いがあるなどとして、町が支払った委託費の返還や佐藤聖一郎町長と林幸治副町長に損害賠償を求めていた同町の農業、宮下周平氏(73)の住民監査請求について、町監査委員は5月10日付けで請求を棄却、一部を却下した。これを不服とする宮下氏は以後も2回の住民監査請求を行なったが、いずれも却下。住民訴訟も視野に入れながら近く4回目に踏み切り、あくまで佐藤町長らの責任を追及していく考えだ。 (武智敦子)
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【ニュース】
■道医療大「移転方針に変更なし」でも
さらに遅れる雲行きの基本計画策定
──「大学病院の同時移転は無理」との声も
■ひきこもり支援の一環で札幌市が
ネット空間の「メタバース」を活用
──「産学官民」による全国初の取り組み
■アクセスサッポロに替わる展示場
月寒グリーンドーム跡に整備決定
──規模は3倍。アクセス難も解消し27年供用へ
■「5年」逃がれの雇い止めに疑義
パタゴニア訴訟、札幌で初弁論
──労組結成の従業員が提訴、会社側は棄却求める
■自治体の鳥獣対策実施隊「辞退」
猟友会がヒグマ駆除方針に疑義
──「ハンターは下請けではない」と空知・奈井江部会
■幼稚園でセクハラの牧師「免職」
職員労組は結成後2度めの団交
──第三者委の被害調査、まもなく取りまとめか
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【地域発】「ものづくり企業」のスピリット①──【釧路・株式会社ニッコー】
成長の原動力は「地域の課題解決」
食産業を支える技術集団の底力
一次産業の付加価値を高めてきた「挑戦」
釧路市の郊外、鶴野地区の広々とした敷地に建つ株式会社ニッコーの本社社屋。工場を併設した2階建ての建物では、黙々と多くの技術者たちが同社の社是である「挑戦」を続けている。釧路に生まれ育った同社は、地元産業が抱える課題の解決を原動力にしてきた地域密着型の「ものづくり」企業だ。これまで半世紀近くに亘って蓄積した技術とノウハウから紡ぎだされるオーダーメイドの加工機械やシステムは、道内各地の一次産業を支える大事な役割を担うだけではなく、全国、そして世界へと販路を広げつつある。そんなニッコーを訪ね、佐藤一雄社長にものづくりに賭ける思いと同社のスピリットを訊いた。(5月29日取材 佐久間康介・工藤年泰)
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【夏のボーナス特集】新NISA始動で訪れた投資の好機
資産形成のベストタイミング到来
「不透明感」の中で踏み出す勇気を
一時は日経平均株価が4万円を超え、バブル期の最高値を更新。この春は大企業を中心に賃上げの動きが広がるなど景気上昇の期待が高まる昨今だが、その一方で記録的円安や物価上昇などもあり、先行きの不透明感は払拭できていない。そんな中、「こうした不透明な今こそ資産形成には好機」と助言するのが、ファイナンシャルプランナーの金子賢司さんだ。おりしも今年から新NISAが始まり、より資産形成に踏み出しやすい環境になっている。ボーナスや退職金などある程度まとまったお金が入る機会は、まさに運用を始めるベストなタイミング。金子さんに資産形成の心構えやポイントについて訊いた。
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【医療】新サテライトを札幌ハートセンターが開設
広がる循環器治療のネットワーク
札幌心臓血管クリニックとよひら
全国屈指の循環器専門病院、札幌心臓血管クリニック(市内東区・107床)を運営する医療法人 札幌ハートセンター(藤田勉理事長)のサテライト診療所「札幌心臓血管クリニックとよひら」が6月3日、豊平区役所近くの環状通沿いにオープンした。2022年にJR新さっぽろ駅付近に誕生した「新札幌心臓血管クリニック」に続く2カ所目となるサテライトで、東区の本院を中心に札幌市内ほぼ全域をカバーする体制が整った。本院と遜色ない検査体制でスムースな病診連携を実現する札幌ハートセンター期待の新サテライトを紹介する。(5月23日取材・工藤年泰)
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【シニアライフ】日ハム、エスコン、光ハイツの共同事業が“世界がまだ見ぬボールパーク”でスタート
北海道BPに高級賃貸レジデンス
「マスターズヴェラス」がオープン
初夏を前にした北広島の「北海道ボールパークFビレッジ」に、日ハムが後押ししてきたアクティブシニア向け賃貸住宅「マスターズヴェラス 北海道ボールパーク」がオープンした。ファイターズの新球場、エスコンフィールドHOKKAIDOを中心に魅力ある施設が集積している立地や278室という規模はもとより、レストランやフィットネス、大浴場など豪華な共用空間をしつらえるなど、大人のネクストライフを実現するステージとして注目を集め、入居の問い合わせが全国から寄せられている。運営を担うのは道内における介護付有料老人ホームの草分け、光ハイツ・ヴェラス(本社札幌・森千恵香社長)。人生を謳歌する人々の拠点として、さまざまな利用が想定される「マスターズヴェラス」の魅力をレポートする。(5月22日取材・工藤年泰)
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【企業】「簡単年調」のニーズは年々増加傾向
社会に求められるBPOサービス
エコミックが進む次の事業戦略
人事部門の給与計算、年末調整のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を基幹業務に、将来的には企業の管理部門のルーティンワーク全般を担う「バックヤード業務のソリューションプロバイダー」を目指しているエコミック(本社札幌・熊谷浩二社長)。その2024年3月期(23年4月~24年3月)決算は、減収減益と振るわなかった。だが年末調整の売上は増加。問い合わせも増えており、加えて問い合わせ時期も早まっていることから、BPOニーズは着実に高まっているようだ。そんな追い風が期待できる事業環境下での今後の戦略などを、熊谷社長に訊ねた。 (5月16日収録、髙橋貴充)
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【連載】〝農と食〟北の大地から
大山利男さんに訊く有機畜産と
アニマルウェルフェアの課題(前編)
有機やAWに取り組む生産者を
応援する消費者の存在が最重要
「有機農業やアニマルウェルフェア(AW)に欧州市民の関心が広がったのは、90年代後半以降のBSE(狂牛病)危機をきっかけに、小売業者がそのコンセプトをブランド化して“質”の競争が始まったことが大きい。日本は価格志向が強く、有機やAW食品の広がりはきびしいけれど、生産者を応援したい消費者はたくさんいますよ」と、立教大学准教授の大山利男さん(農業経済学)が強調する。スイスで研究生活を送った経験もあり、欧州事情に明るい。農林水産省の「みどりの食料システム戦略」で2050年の全耕地に占める有機農業の割合を25%とする目標が示されたが、AWの普及にはまだまだ課題も多い。そうした時代をどう捉えるのか──欧州での経緯も踏まえた大山さんの意見に耳を傾けた。(ルポライター 滝川 康治)
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【地域】複合文化施設「裏小樽モンパルナス」がオープン
小樽ならではの町並みを後世に
歴史的建造物で地元文化を発信
築約100年の古い建造物を含む空き店舗3棟を再生した複合文化施設「裏小樽モンパルナス」が5月2日、市内稲穂4の梁川通りにオープンした。同地区の「ジーンズショップロッキ」が運営し、ギャラリーやライブ、映画上映などアートの発信拠点を目指す。ロッキの店主、平山秀朋さん(55)は、「この活動が小樽の古い建造を残す動きにつながれば」と話している。(武智敦子)
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【連載】ルポ「ひきこもり」106──「在宅ピアスタッフ」の道を歩む吉川修司さんのケースから
「人生は、何とかなる」を胸に
自分が出来ることを見いだす
2020年の春からNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(本部札幌・田中敦理事長)の理事としての表立った活動から退き、在宅で生きていく道を選んだ吉川修司さん(56)。それ以降、会報の編集や執筆、発送、絵はがき支援といった家でできる仕事を中心に携わってきたが、この春からインターネット上の仮想空間(メタバース)を活用した支援にピアスタッフとして加わった。50代半ばになっての心境の変化があったのだろうか。そして亡き父母への想いは──。それらを聞こうと吉川さんを訪ねた。(武智敦子)
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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【103】
戦争の記憶と痕跡が残る
「大刀洗平和記念館」周辺
特攻の悲劇と空襲の惨劇
先月号で報告した、旧陸軍の大刀洗飛行場跡(福岡県筑前町)に町立施設として建設された「大刀洗平和記念館」。この周辺には飛行場があったことを伝える大型の掩体壕や建物跡などが少なからず点在している。大刀洗飛行場は、終戦年である1945年の3月に2度にわたってアメリカ軍の大規模な空襲を受けて壊滅し、多くの民間人も犠牲になっている。平和記念館が建てられた経緯や周辺の戦争関連の遺跡などを調べるため、再び車を走らせた。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【フォトレポート・トピックス】
●創立百周年の釧路商工会議所が地域課題解決の事業支援を開始
●生物多様性を守るほっくー基金 助成金贈呈式を環境の日に開催
●規格外商品は即完売の大人気 西の町いこいの駅 Route148
●身近な買い物でCO2削減に寄与「北海道の森に海に乾杯」開始
●新千歳空港国際アニメ映画祭 第11回は11月1日~5日に
●官民で若手経営者を育てる北海道経営未来塾が入塾式
●つしま医療福祉Gが介護分野でソウル特別市と連携協定締結へ
●セコマの新商品は絶品どら焼き「Secoma絹てぼうどら焼」
●ススキノピックアップガール「まゆ」(オーエルクラブ アフターファイブ)
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【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常"
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*視点 公共交通をどうする?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*人物株価
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『大きくなってもツバメのきもち』