【札幌市長選】秋元克広前副市長が「攻めの」選挙公約を発表

北方ジャーナル

2015年02月13日 01:42


自身のスピーチ30分、質疑応答20分の公約発表会見(2月12日午後、札幌グランドホテルで)

 今春の札幌市長選に出馬を予定している前札幌副市長の秋元克広氏(59)が2月12日午後、札幌市内のホテルで記者会見を開き、自身の選挙公約(政策)を発表した。

多くの地元メディアが取材に集まった

 濃紺のスーツに赤いネクタイ姿で登場した秋元氏は冒頭、昨年9月の出馬表明以来、多くの市民と対話を重ね多くの声に丁寧に耳を傾けてきたと強調。近い将来、札幌市が戦後はじめて人口減少の局面を迎える現実を示し、「今、まさに我々の札幌は転換点を迎えている」と危機感を表明した。

 そのうえで「重要なのは、現状を見つめ地域課題の解決に全力を尽くす徹底した地域主義」とし、その観点から今回の政策を取りまとめたと説明。同時に、この日に発表した政策については告示日までアップデートを続けより充実させていくことも付け加えた。

 この日に秋元氏が掲げた「6つの挑戦」は以下の通り。

①経済・雇用関係「地場産業を応援し、未来を担う人を育て、雇用を生み出す力強い街をつくる」

②女性・子育て関係「多様な選択を支えるしくみづくりを進めて、女性が活躍できる街をつくる」

③子ども・スポーツ関係「成長の機会をいっそう増やして、子どもたちのがいきいきと健やかに育つ街をつくる」

④福祉・医療・介護関係「互いに支え合う地域福祉力を向上させて、いつまでも安心して暮らせる街をつくる」

⑤環境・街づくり・都市の再構築関係「世界都市・道都としての、都市整備を進めて魅力と活力にあふれた暮らしやすい街をつくる」

⑥行財政改革関係「地域の意見と視点を常に市政に取り入れて、市民とともに普段の改革を進める街をつくる」

 各項目には、より具体的な目標が掲げられているが、ここでは割愛する。全体的な印象としては「財政改革の成果を踏まえて将来に資するインフラ整備、投資を行なう段階に入った」という認識を秋元氏が持っているということだ。もうひとつ目を引いたのは、⑤環境・街づくり・都市の再構築関係で「原発に依存しない社会をめざす」ことを明記したこと。

 質疑応答で、本稿記者は2点について質問した。ひとつは、③の青少年の育成、子育てというテーマに関わる、ひきこもりや不登校問題についてだ。秋元氏は「フリースクールへの支援ということで今回の政策でも触れている」と説明した。

 もうひとつは秋元氏が、④の福祉・医療・介護関係で「特別養護老人ホームなどの施設・居住系の整備を進め、定員を大幅に増加させます」と目標を掲げたことについてだ。記者は「大幅とはどの程度か?」「在宅介護を目指す国の方針との整合性は?」と質問。これに秋元氏は「サービス付き高齢者向け住宅などを活用して」と言及したが具体的な数字の提示はしなかった。後者については、「国の方針は承知しているが必要なものは必要なものとして進める」というものだった。

 札幌市長選では、元総務省自治大学校研究部長の本間奈々氏(45)も自民党推薦で出馬を表明している。共産党も独自候補の擁立を目指しているとされるが、事実上、秋元氏と本間氏の一騎打ちとなる見込み。
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