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【報道】
国税・検察・裁判所 vs 中小企業経営者
税金は確かに受け取った。
そして、君を逮捕する──。
世にも奇妙な“国税徴収法違反”事件、3月判決へ
税金を滞納していた人が、その全額を納め終えた半年後、国税局の告発で逮捕された。国が彼から蒙った損害は、0円。対して、検察の捜査や取り調べ、その後の拘留、裁判などに費やされた税金がどれほどに上るのかは、検めようもない。本誌昨年2月号で報告した国税徴収法違反事件が、長い審理を終えてまもなく1審判決を迎える。なぜ、誰の利益も侵していない人が罪に問われたのか。少なくとも、当人には「いまだにまったく理解できない」ことだという。(小笠原 淳)
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【報道】
もうひとつの「夕張問題」(5)
“救世主”不在の「杜」はどこに向かうのか
殺人未遂・中神被告は控訴棄却
岐路に立つ夕張市立診療所
自宅で起きた殺人未遂事件をきっかけに、カリスマ医師は町を去った。往時の勇ましい発言も控えめになったが、事情を知らない善意の人たちからの引き合いはまだあり、各地に招かれては持ち前の器用な語りを披露しているようだ。この3月には大手版元からの著作出版も決まった。愛人同士の刃傷沙汰は裁きを終えたが、本人は馬耳東風。町の診療所の行く末にどれほどの関心を残しているかは定かでなく、もとより彼がいなくとも町はそれなりにやっていけた。村上智彦医師(52)が夕張市をどういう町にしたかったのかは、やはり定かでない。(小笠原 淳)
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【連載 第43回】 「倶楽部は踊る──記者クラブはどこへ」
「記者クラブ、ありますか」
記者室のない役所に訊いてみた
警察や裁判所に記者クラブがあるのは、新聞・テレビの記者にとっては当たり前のこと。都道府県庁や市役所の記者室に詰めるのも、何十年と続いてきた習慣だ。だが、「なぜそこに記者室が」との問いに明答できる記者はそう多くないだろう。問いの形を変えてみても、答えはおそらく変わらない筈だ。なぜそこには記者室がないのですか──。(小笠原 淳)
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【連載】
元道新記者・黒田伸の「原発洗脳日記」(第7回)
科技庁記者クラブ時代に
私が、かかっていた“罠”
当局の広報誌「プロメテウス」で原発を容認
東日本大震災とフクシマの原発事故から丸2年が経過した。NHKを始めテレビ各局では特集番組を組んで、今もなお避難生活を余儀なくされている人たちの生活と苦悩を描き出している。大手の新聞社や被災地域にある地方の新聞社もこの2年間でさまざまな連載や企画記事を掲載した。その中で、昨年度の新聞協会賞に選ばれ今もなお多くの人たちに読まれているのが朝日新聞の「プロメテウスの罠(わな)」だ。朝刊で連載中にもかかわらず単行本化されて10万部を超えるベストセラーとなるなど大きな反響を呼んでいる。私もまんまとこの「罠」にかかっていたのではないか──。科学技術庁を担当していた当時を振り返り、自問自答する2年間だった。(ジャーナリスト・黒田 伸)
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【福島】
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 中手 聖一さんに訊く
放射能汚染はこの2年で基本的に変わっていない
東日本大震災の発生から丸2年が経過した。地震・津波被害に加え、福島第一原発の事故による放射能被害に晒された福島県では、今も約5万7千人が県外で避難生活を送っているとされる。終わりの見えない放射能被害に避難先での定住を決めた人も多いが、福島県内には原発事故後も約2百万人が住んでいる。放射能の影響を受け易いとされる子どもを守るべく活動してきた「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の中手聖一さん(52)は、福島の子どもたちが現在置かれている状況をどう見ているのだろうか。(副編集長・打田尚志、3月3日収録)
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【経済】
嗚呼 タクシー業界の“明日なき世界”
再生のカギは“強制減車”か
廃業、行政訴訟、不祥事で混乱!
新規参入の自由化が始まって11年、なし崩し的に台数が増えたタクシー業界は、まさに“どん詰まりの状況”だ。少しでも台数を減らそうと業界では自主的な減車も始めているが、足並みは揃わず減車効果はほとんど出ていない。札幌交通圏(札幌市、江別市、石狩市、北広島市)のタクシー台数は、2012年4月現在で法人4671台、個人1289台で合計5960台。規制緩和前と比べて約1000台も増えた。札幌交通圏の人口は約216万4000人で、タクシー1台当たりの人口は363人。道内交通圏で最も過密となっている。文字通り北風が吹くタクシー業界には、どん詰まりを象徴するような出来事が立て続けに起こっている。業界は、この窮地を脱することができるのか──。関連ニュース3本を掘り下げてみる。
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【緊急寄稿】
安倍首相訪米報道に見る
ジャーナリズムの不在
安倍晋三首相の初訪米と2月23日(日本時間)の日米首脳会談を報じる大手メディアに、ジャーナリズム不在とも言うべき看過できない記事やニュースが目に付いた。国民にとって実質的な成果がないに等しい今回の首相訪米と日米会談の一連の報道を、ミニ検証したい。(フリーランス記者 上出 義樹)
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【流通】
熾烈! 道内ドラッグストア業界の“陣取り合戦”
旭川へ集中出店! サツドラが
王者ツルハの城下町に殴り込み
道外各社もM&Aで参戦、戦いは三つ巴に
道内ドラッグストア業界で、ツルハ(札幌市東区・鶴羽樹社長)とサッポロドラッグストアー(札幌市北区・富山睦浩社長)のつば迫り合いが激しくなってきた。ツルハの牙城を切り崩そうと同社の“城下町”である旭川などにサツドラが出店攻勢をかける一方、ツルハは圧倒的な店舗数をもって引き離しにかかる。現状を見ると、サツドラは道内ではツルハの店舗規模の半分程度だが、食品の充実やエステ、ネイルサロンを併設する差別化戦略を武器に同社の背中を激しく追っている。道内では本州大手ドラッグチェーンの進出も加速しており、戦いは三つ巴の様相を呈し始めた。“王者ツルハ”もうかうかしてはいられない──。
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【教育】
シリーズ 発達障害を考える (15)
発達障害を見過された若者たちに寄り添い──
家族会「アスペルガー基地 みらい」の取り組み
発達障害を見過され、青年期になってから診断を受けた当事者の親たちは、その現実をどのように受け止め向かい合ってきたのだろうか。多くの親たちは「どうして…」と途方に暮れ、混乱したと振り返る。そんな中から立ち直り、前を向き歩む力を与えてくれたのは、同じ境遇にある親たちの共感と励ましだった──。悩みながらも障害を受け入れ、子供の未来を拓こうと模索する家族会を取材した。(武智敦子)
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【地域】
後志管内に見る空家・廃屋事情
所有者の行方が知れず廃屋化し倒壊の危機
後志総合振興局は行政代執行を盛り込んだモデル条例作成へ
今冬の記録的な大雪で道内の自治体が頭を痛めているのが、放置された空家の問題だ。屋根からの大量の落雪が道路を塞ぐ、窓ガラスが割れて危険…と近隣住民からの苦情は日常茶飯事。倒壊や放火などの怖れがあるだけでなく、景観も損なわれる。小樽市やニセコ町など後志管内の空家事情を探った。
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【ニュース】
◆不正経理で管理職処分から3カ月
夕張消防になお点滅する“黄信号”
──心の問題で要受診12人、市民団体が消防人事に抗議へ
◆メディカルシステム子会社が
小樽中心部で「サ高住」を建設
──3度の競売で応札者ゼロの物件に光明?
◆「恵庭OL殺人事件」の再審請求で
明らかになった検察の“証拠隠し”
──起訴直前に目撃事実をねじ曲げた供述調書を作成?
◆カブトデコム解散に隠された意図
RCCとの和解債務6億も未払い
──佐藤茂は“お咎めなし”で借金から解放されるのか
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【長期連載】“農と食”北の大地から 第121回
新規就農をサポートする試み(その6)
──今後の課題を探る──
潜在的な“就農需要”を活かす
成否のカギは、地域の橋渡し役
1980年代半ばに約10万戸だった北海道の農家数は以後20年あまりで半減し、7年後には3万戸を割り込むとの試算がある。さまざまな新規就農対策が講じられてきたが、近年の新規参入数は70戸/年ほど。北海道農業を魅力的なものにするには、就農希望者と受け入れ先をつなぐコーディネーター役の発掘・育成が欠かせない。一方で、自治体や指導農家の対応が稚拙だったり、支援制度が規模拡大路線に囚われている実態もある。食べものを口にする人たちは、こうした状況をどう受け止めるだろうか。関係者を訪ね、過去5回の連載もふり返りつつ、克服すべき課題を探る。(ルポライター 滝川 康治)
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【医療】
時計台記念病院が市民向けの
「健康セミナー」を通年で開催
ドクター自身が企画し主宰する強み
社会医療法人社団 カレスサッポロ(札幌市・大城辰美理事長)が運営する時計台記念病院(札幌市中央区・250床)が昨年から始めた「市民のための時計台健康セミナー」が好評だ。疾患やテーマに応じて同病院の専門医らが講師として登場、医療相談にも気軽に応じてもらえるとあって回を追う毎に受講する人が増えている。このセミナーを企画し、運営の指揮を執る同病院の佐藤勝彦医師(地域連携センター長)に、その狙いと今後の展開を聞いた。
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【雑感】
組織は最大犠牲点に向かう
本当は恐い日本人
東日本大震災がもたらした災害の大きさに今更ながら驚きを隠せないが、その際に見られた秩序ある行動が世界の人々を驚かせたのは周知のとおりである。日本人の基本的気質として労り・思いやり・相互扶助・謙虚さ等が挙げられるが、自己主張一点張りの欧米人とはその行動様式において一線を画している。このような他者に対する目配りが日本人の基本的気質といっても過言ではないと思っている。(不動産鑑定士・土地区画整理士 不動産カウンセラー 堀川 裕巳)
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【冬の暮らし】
大雪に悲鳴、排雪業者は大忙し
「もう雪の捨て場がない!」
いま、融雪機器を見直そう
今冬は道内各地で記録的な豪雪となり、空の便は頻繁に欠航し雪に強いはずのJRでも運休が相次ぐ事態となった。札幌市は観測史上(1890年以降)で2番目に遅い11月18日の初雪だったが、12月初旬の大雪がそのまま根雪となり、車で外出すれば渋滞に巻き込まれ家に帰れば雪かきばかり…という生活を余儀なくされた。自宅周りの雪山を見ながら、すでに来シーズンの除排雪を考えている人も多いはず。そこで今回は、かつてメーカーが群雄割拠した“融雪市場”を思い返し、家庭用の融雪機器に着眼する中でも、ランニングコストの安さをウリに旭川市を中心に普及している地下水式融雪槽について考えてみた。
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【話題の人】
ごまそば「鶴喜」の創業者で「北海道フラダンス協会」の 橋本 央子会長に訊く
「寝たきり老人をつくらないことが、
北海道への恩返しになると思います」
NPO法人「北海道フラダンス協会」の会長を務める橋本央子さん(80)は、ごまそばで有名な札幌の名店「鶴喜」の創業者でもある。お店の歴史をうかがうと、保存料などの食品添加物を使わない打ち立ての麺を提供するため、製麺業からそば屋に転身したのだという。時代に流されない強い意志と行動力の源は、食の安全と健康への願いであったようだ。そんな橋本さんが今、熱心に取り組んでいるのがハワイの伝統文化であるフラダンスを多くの人に広めることだという。フラとの出会い、そして「鶴喜」誕生の秘話などを訊いた。(聞き手・武智敦子、2月12日収録)
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【長期連載】白井暢明の“未来を拓くドサンコロジー”
ホンネで語る北海道独立論
「地域に根ざして生きる」が真の自立
北海道独立のビジョンと可能性を考える (3)
北海道が独立国になることの意味は、単に政治的な自治、つまり立法権を含めた権限や財源の獲得ということではない。確かにそれは独立のための必須の前提条件ではあるが、最終的目的ではあり得ない。では、その本当の目標はなにかといえば、それは“持続可能”な国や社会を創ることである。そしてそれは、いまの日本国とはまったく異なる新しい社会システムを構築することを意味する。なぜなら、現状の日本国をはじめとする先進諸国の社会経済システムと人びとのライフスタイルは決して“持続可能”なものではなく、冷静に考えるなら、それが遠からず人類を破滅へと導く“滅びへの道”であることが明白だからだ。そして北海道が日本国の一部である限り、決してこの軌道から逸れることはできない。北海道が独立しなければならないと私が考える真の理由がここにある。
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【フォトレポート・トピックス】
*地域づくりを今年も応援! 太陽財団が対象事業に助成金を贈呈
*鍵のない部屋、リハビリ室、多目的トイレ… 札幌刑務所が新築部分公開
*ポッカサッポロフード&ビバレジ㈱が北海道限定商品
*夏の千人イベントを前に盛況! 「北海道泡盛の夕べ」が開催
*佐藤のりゆきがシンポジウムを開催 目指すは“北海道独立”!
*絵画セラピーの杉崎英利さんが“癒し系マガジン”を創刊
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【連載コラムなど】
*ビール・インフォメーション
*はるばるヒーロー
*夏井功の「夜を駈ける車イス」
*連載小説「時は誰も待たない」
*風俗嬢のonとoff(「エムズキッス 美麗」)
*人物株価
*シネマ『ジャックと天空の巨人』
*イベント『ライジングドラゴン』
*視点 公共交通をどうする?
*須賀章雅のよいどれブンガク夜話
*新設企業ファイル
*異聞見聞稚内
*財界さっぽろ酒井雅広の“スーダラ記者日記"
*名画の小部屋
*新連載 スポーツ筆刀両断
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『春は私へ来い』