「さようなら原発」 札幌市内で2000人がデモ行進

北方ジャーナル

2011年09月19日 12:19


 先頭から末尾まで約25分。2000人規模のデモ隊が札幌の中心部を行進した(18日午後)

 18日午前から午後にかけ、札幌市中央区で約2000人が参加する大規模なデモがあり、参加した市民らが脱原発を訴えながら雨の中を行進した。3月の福島第一原子力発電所事故以来、道内で行なわれた同旨のデモとしては、最大規模。




 11日から19日にかけて全国各地で脱原発を訴える「さようなら原発1000万人アクション」の一環で、同実行委が主催した。デモ行進に先立ち札幌市中央区のさっぽろ芸術文化の館(旧厚生年金会館)で開かれた集会には、主催者予想を大きく上回る約1500人が参加、岩内原発問題研究会の斉藤武一さんなど4人が泊や大間などの原発の運転停止や核廃棄物処理施設の誘致反対などを訴えた。

 集会終了後、午前11時20分に出発したデモ行進には多くの一般市民が加わり、最終的に約2000人となった。中央区大通西12丁目から大通公園に沿って中心部に進み、札幌駅前通りを南下して再び大通公園を西方向へ歩いたデモ隊は、正午過ぎには同公園を大きく囲む形に。小雨がぱらつく日曜日の都心に、参加者の持つ傘が色とりどりの長い帯をつくった。









 「1000万人アクション」では、初日の11日に東京都内で行なわれたデモ行進で12人の逮捕者が出た。事情を知る都内のコラムニスト篠原隆史さん(46)などによると、公務執行妨害などで現行犯逮捕された人たちの多くが一般市民で、うち7人がすでに釈放されているという。札幌のデモが大規模になることで同種の取り締まり強化を懸念する人もいたが、18日はとくに大きなトラブルは起こらなかった。







 意気投合した友人7人とともに割烹着姿でデモに参加した会社員の女性(30)=豊平区=は、「泊の再稼働に、地元のお母さんたちが怒っていた。なかなかデモに参加できないお母さんたちに代わって怒りを発散させて貰った」と話す。同じグループで参加した会社員の女性(35)=中央区=は「ニュースを観ていると、原子力利権の仕組みをつくった人たちに腹が立ってくる」と語気を荒らげ、「真実を報じないニュースそのものにもイライラしてくる」と訴えた。デモのコースに近い所にある職場に出勤していた中央区の柿崎さとみさんは、終了間際に飛び入り参加、震災以降一般市民のデモ参加者が増え続けていることについて「普通の人たちの間にだんだんと声が拡がってきたことを実感する」と話していた。  (ん)


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