「ウチは入ってます」

北方ジャーナル

2009年02月19日 11:07


頑張っているところは頑張っているフーゾク業界

 青木商事の自己破産、飲食ビルの空洞化、ロビンソン百貨店の閉店…。このところ厳寒という言葉しか思いつかないススキノだが、業界関係者と会っていろいろ話を聞くと必ずしも「全滅」というわけではないようだ。そのひとつがいわゆるフーゾクだ。

「いや、ウチはけっこう入ってもらってますよ。むしろ去年の暮れあたりから増えてきている状態です」
 こう語るのは複数のヘルス店を展開する某業者幹部。聞けば好調の理由は「単価を下げたから」だそうだ。去年の秋に、これまでの料金体系を見直し1割程度値段を下げたところ、お客さんが戻ってきたという。愛好家筋(どんな筋やねん)によればソープランドもリーズナブルな人気店は現在も盛況とのことで、某所ソープ嬢への取材(どんな取材やねん)でも「サミットの前後は全然ダメだったけど、それからは指名の本数は減ってないわヨ」との証言を得ているとのことだ。

 ただこのような底堅さは一部の店に限られるようだ。他のグループも含めて取材してみると業界全体としては対前年で1~2割程度の売上ダウンを余儀なくされており、そのなかで「お得感」を打ち出している店舗が健闘している構図となっている。「どうせ遊ぶなら少しでも安い方が」という昨今の消費者心理が、ここススキノでも働いている印象だ。以下、某風俗店の店長とのこぼれ話。

 ──こんな時代ですけど、何か景気のいい話やお客さんはいませんかね?

「景気がいい話ですかあ…  (しばし黙考)  そういえば朝から一日中、女の子を指名しっぱなしのお客さんとかいらっしゃいますね」

 ──え? 朝から夕方まで同じ女の子をですか。それってもしかして貸切状態ってこと。

「そうそう。それも30分単位で切り返しですよ。そうした方が女の子に指名料がたくさん入りますからね~」

 聞けば、毎週のように同じ女の子目当てに通ってくる熱心なファンだそうで、来店時は必ず午前10時から夕方4時前後まで「貸切」で利用するという。恐る恐る「いったいいくらになるんですか?」と訊ねたところ、「ん~。10万円以上でしょうね」という答えに思わず絶句。1回10万円として毎週通って月40万円である(いったいどんな御仁なのやら…)。

 いや、こんな時代だからこそ、この際お金を使えるヒトは湯水のごとくどんどん使ってもらいましょう。業界関係者の皆さん、決してお客さんがいなくなったわけではありませんヨ!   (く)


関連記事