昨日18日から23日(祝)まで、道新ぎゃらりーを会場に「日本漫画家協会 北海道支部展'08『まんが家の仕事展』」が開催されている。これは、札幌を拠点に活躍する同協会の会員6人が、北海道在住の漫画家の存在とその仕事を知ってもらおうと初めて企画したもの。
同支部長の石川寿彦氏をはじめ、ながせ義孝氏、森雅之氏、いがらしなおみ氏、三倉海楓氏、吉岡彰氏が原画を中心に力作を持ち寄り、約100点が顔を揃えた。
19日に“店番”をしていたのは、道新木曜夕刊の折込『おふたいむ』で長年「海の幸味さがし」を連載し、温かみのある文とイラストにファンが多いながせ義孝氏。
「連載が日曜版に移ってまだ日が浅いのですが、聞けば読者数は倍くらいいるそうなんです。書き手としては嬉しいですよね」
人なつこい笑顔を見せる同氏の作品は、かなり細部まで書き込まれている点が特長。取材の際のエピソードを聞いたところ、
「仕事中のところにお邪魔するので、ゆっくり話を聞くことはなかなか出来ないんですよ。食事をいただく合間などにパパッと要点を押さえて、あとは写真をたくさん撮るんです。以前、取材中にお酒をいただいたら、写真を撮ったつもりが何も写ってなくて(笑)、それからお酒は飲まないようにしています」
作品同様、実にほのぼのとした人柄のながせ氏だった。
ギャラリー内に展示された作品はマンガ原画からイラスト、風刺画まで多岐にわたり見どころ十分。本誌が巻頭漫画をお願いしている石川氏は、柔らかいタッチのなかに「毒」を含んだ作風が持ち味だが、殺伐とした事象をテーマに扱っても見る者をクスリと笑わせてしまうのがマンガという表現形態の不思議なところ。
何かと気忙しい師走だが、札幌中心部に出掛けた際には「まんが家の仕事展」に立ち寄り、ひととき心の洗濯を楽しんではいかがだろうか。(ひ)