「少しでも…」善意届け 札幌市、支援物資受付開始

北方ジャーナル

2011年03月24日 15:10


 30人のボランティア枠もたちまち埋まった
 (24日午前、札幌市中央区の円山総合運動場)


 札幌市は24日、巨大地震の被災地に届ける支援物資の募集を始めた。中央区の円山総合運動場内の受付窓口には開場前の午前8時台から市民が足を運び、ペットボトル飲料やカップ麺、紙おむつなどの物資を提供した。受付は、27日までの4日間。
 市内の個人と民間企業を対象に、食糧や生活用品など、特定の品目のみ募集する(22日付ブログ、及び市公式サイト参照)。初日の24日は午前8時半から市民ボランティア30人が参加、市職員など15人とともに受付業務や物資の仕分けにあたった。

 「何かしなくては」の一心で参加したという西区の主婦・髙橋祥恵さん(34)は、初めての家族旅行で訪ねた仙台の人びとに思いを馳せ、「できる範囲で力になりたい」と、全日程のボランティア参加を申し込んだ。「テレビで取り組みを知って、すぐに申し込みました。中学1年生の息子が、毎日のようにスーパーの募金箱に義援金を入れている。私も早くこういうお手伝いをしたかったんですが、札幌はほかの自治体に較べてスタートが遅かったですね」―。






 この日最初に会場を訪れた西区の会社員・香島佐一郎さん(51)は、古い友人の多くが東北地方に住んでいるという。「釜石の友達の実家でとても親切にしてもらった思い出が、忘れられない。地震発生後はまったく連絡がとれていないけど、せめてもの気持ちが届けば」と、2リットル入りペットボトルのお茶12本を提供した。

 終業式を翌25日に控えた市立宮の森中学校(中央区、谷直人校長)からは、教諭の牧洋子さん(49)の引率で1・2年生計5人が来場、各自の家庭から持ち寄ったトイレットペーパーや紙おむつなどの生活用品を提供した。同行した教諭の宮武浩之さん(36)は、「授業で地震のことを採り上げ、寄附を呼びかけたら、みんなが応じてくれた。中学生なりに問題意識を持ってくれたのだと思う」と話す。

 午前10時ごろには上田文雄市長が会場を訪れ、市民ボランティアとともに約30分間、提供物資の品目チェックなどを手伝った。「被災地の皆さんは、寒く心細い思いをされている。札幌から届く物資を通じて、贈り主である市民の温かさを感じていただければ」―。









 物資の受付は、27日午後5時まで。市の地震支援対策推進室は、29日までボランティアと協力して物資の仕分けにあたり、遅くとも月末までに仙台方面へ発送する予定。  (ん)