「カラカネイトトンボを守る会」が麻生駅で写真展

北方ジャーナル

2010年04月08日 15:21



 貴重な動植物の生息地である「篠路福移湿原」(札幌市北区)を保全するため、ナショナルトラスト運動などを展開しているNPO法人「カラカネイトトンボを守る会」(札幌市・大山衛門理事長)。4月7日から同会では、札幌市営地下鉄麻生駅のメトロギャラリーで「身近な自然を未来の子どもたちへ」と題した写真展を開催している。
 同会が自然観察会などを行なっている篠路福移湿原、あいの里公園のトンネウス沼、石狩湿原ビオトープのとんぼの学校・かえるの学校で撮影された生物の写真が展示のメイン。

 同会の山本郁佳さん(19)は、「写真展の趣旨はタイトルが示す通りです。麻生駅を利用される方々にご覧いただき、身近なところに生き物がたくさんいることを知っていただければ」と話す。

 同会の名称になっているカラカネイトトンボは、環境省のレッドデータリストで準絶滅危惧種に指定されており、札幌市内では篠路福移湿原にしか生息していない。写真展では、このカラカネイトトンボをはじめ、エゾアカガエルやモノサシトンボなどの姿を見ることができる。


 写真展で異色なのは「急激な埋立てと湿原の現状」と記されたコーナーだ。本誌もこれまで数回レポートしてきたが、かつて原野商法の舞台となった篠路福移湿原は、不在地主の多さに着眼したスノーメディアという業者によって急激に埋め立てが進み、いまや消滅の危機にある。このコーナーは、そのありのままを4点の写真で紹介しており、心痛む。

 写真展「身近な自然を未来の子どもたちへ」は、4月29日まで開催の予定。(ひ)