“非国際都市”サッポロ

北方ジャーナル

2008年02月11日 00:39


(写真)07年11月の「第2回ミス・ウォーターズグランプリ大会」にゲスト出演した
インリン・オブ・ジョイトイ嬢とグランプリを獲得した滝沢麗奈嬢



 本誌では、東北以北最大の歓楽街といわれる札幌のススキノについて、一昨年(06年)の秋口から「あーじゃない、こーじゃない」と好き放題に検証を続けている。

 要は「ススキノよ、輝きと活気を取り戻せ!」と、月毎にテーマを掲げて勝手に喝を入れているわけだが、間もなく発売(2月15日)になる3月号では、外国人の問題を扱った。

 日本に来て14年目になるという韓国人、金志勲(キム・ジフン)さんへのインタビューの詳細は、実際に本誌を手に取って確かめてもらうとして、多少予告編的に書いておきたいのは、ススキノそして札幌の“非国際都市”ぶりである。
 世界中から観光客を迎え入れようと「おもてなしの心」の啓蒙に札幌市が取り組んでいる事を私は承知している。観光関係の関連部局が、多国語にわたる観光パンフレットや公共看板類の普及に努めていることも取材したことがある。

 だが、行政の掛け声とは裏腹に、民間や市民たちの外国人に対する扱いが「国際的」かといえば、そうとは言えない。都心部にある外国人がよく利用するといわれるホテルに入ってみても、アナウンスやサイン看板の不備が目立つことが多い。


ススキノの魅力を世界に発信していきたい

 ススキノも、外国人に対する対応が全くと言っていいほど未整備だ。差別云々、排除云々というより、そもそもお客としてとらえる発想が生まれていない状況である。

 たとえばこの2月5日から始まった「さっぽろ雪まつり」ひとつとってみても、一週間で世界中から200万人前後が訪れる。だが恐らく、このうちススキノを訪れることになるのは、ほんの数えるほどだろう。

 要は、関心があって行きたくても彼らには情報が与えられてないし、受け入れ側も準備が出来ていない状況だ。

 ビジネスの鉄則から見れば、閑古鳥が鳴くススキノにとって、こんな好機を逃さない手はないはず。セーフティネットを敷きながら、外国人に楽しくどうオカネを落としていただくか。イベント時だけでなく年間を通じて、やるべきことが色々出てくるのではあるまいか。

「おもてなしの心」のベースにあるのはコミュニケーション。時には、ビジネスベースでつきあった方が、よほど相互理解が進むというのが私の見方だ。カタコトでも何でも英語を使えるヒトが少ないのも大きなネックと言っていい。国際的に見て、これは相当に情けないコトである。

 先月号では、「ススキノと障害者」をテーマに特集を組んだ。いずれにせよ、マチは意外に色々なお客を逃しているという話である──。

 ちなみに、雪まつり期間中、仕事で大通に面したデパートに立ち寄ると、英語、中国語、ハングル語と順番にアナウンスがされていた。

(おっ、いいね。でも雪まつり期間中だけかな?)