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2022年11月17日

北方ジャーナル12月号の誌面から 旧統一教会の被害者・苫小牧在住の高倉信幸さんが実名告発「私の青春を返してほしい」

北方ジャーナル12月号の誌面から 旧統一教会の被害者・苫小牧在住の高倉信幸さんが実名告発「私の青春を返してほしい」
「家庭教師の教え子が成長していくのが唯一の生き甲斐」だという高倉さん(11月2日午前、苫小牧市内の自宅で)

大学に入ってからボランティア活動を装った、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の下部組織から誘いを受け、やがて強引に入会を迫られた体験を赤裸々に綴った手記が編集部に届いた。一文を綴った苫小牧在住の高倉信幸さん(63)は当時、教団の研修先で幹部から暴力を受けたうえ軟禁状態に置かれ、40年経った現在も心身に傷を負ったままだ。生活保護を受けながら市営住宅で暮す高倉さんは「私が世間にお役に立てることがあるとすれば、統一教会の勧誘の巧妙な手口、そして異常なまでの執拗さをお伝えすることだと思います」と話す。手記をもとにした本人の語りに耳を傾けてもらいたい。本誌に掲載した内容の前半を特別公開する。(構成=工藤年泰)

弟のために医療を目指す
 ここ数カ月、統一教会の問題がマスコミを賑わせています。私はいま63歳ですが、誌面を借りて若い頃に統一教会から受けた被害を告発したい。若い世代のお子さんがおられる親たちに警鐘を鳴らすことで、同様の被害に遭わないよう気をつけてほしい一心からです。私の話をひとごとや昔のことと片付けないでもらいたい。今も彼らは常に若い人たちを狙っているはずです。

 私は夕張市の片田舎、紅葉山で長男として生まれましたが、5歳違いの弟は数万人にひとりという難病、軟骨異栄養症(軟骨細胞の異常で四肢短縮型の低身長となる疾患)を抱えていました。

 生まれながらの重度身体障害者2級。そんな自分の息子が不憫だったのでしょう。母が泣いている姿を私は何度も目にしたものです。そのことによる両親のさまざまな苦労、そして子どもに対する愛情の深さを私は彼らの後ろ姿で学びました。

 そして私のすべき事は弟に学びました。それは私自身が普通の生活、普通の人生を送ること。お世話になった病院の方々、両親に感謝すること。そして私たち兄弟が幸せになる事でした。身内がハンデを背負って生まれてきたことで、小さな頃から人としてどう生きるかを考えさせられたのです。

 弟から「自分はなぜこんな体に生まれてきたのか」と聞かれても、私は言葉が見つからず、まともに返答ができませんでした。そんな中で私は医療人になるべきと考え、生きる道を心に決めたのです。

 目標に定めた大学の医療系学部を目指し、私は青春をかけて猛勉強に邁進しました。どんなに苦しくても弟ができない分、自分がやってみせる、私が隣で彼を支えていく事が大事だと思っていたからです。

 そして私は幸運にも浪人の末に22歳で当時の北大医療技術短期大学部(現医学部保健学科)作業療法学科に入学できました。昭和57年春のことです。その時の父母の嬉しそうな顔は今でも忘れられません。私は父が嬉し泣きするのを生まれて初めて目にしました。

 希望に胸を膨らませた大学生活が始まりました。そんな1年生の夏、当時親しかったN氏から「ボランティアサークルに興味はないかい?」と声を掛けられ、奉仕活動に関心があった私は「あります」と返答しました。

「どんぐり」と称していたそのグループが原理研究会、つまり統一協会に関係しているとは全く想像できませんでした。振り返れば当時の私はどこかで精神的な支えを求めていたのかも知れません。

 当時、北大近くにあった一軒家やマンションに招かれて期待と不安の中でサークル活動が始まりましたが、どちらかと言えば不安の方が多かったように思います。そこでは他の大学から来た女子や北大の男子学生が楽しそうに会話をしていました。「毎日食事においで」との誘いに週に2、3回通っていた記憶がありますが、いま考えると、お金のない学生の弱みにつけ込んでいたのだとはっきり分かります。

 周りの学生から人生観を訊ねられ、「世のため、特にハンデを背負っている人のために生きていきたい」と私は答えました。

 そんな中で、いよいよ幹部による講義が始まりました。サークルとして組織をつくっていくことやマザーテレサの愛などの話が中心でしたが、話は少しずつキリストの時代に進んでいきます。私は「目的は聖書研究ですか?」と質しましたが、幹部は全国ネットのボランティアサークルだとしか言いません。

化けの顔が剥がれた東京研修
 そしてこの年の12月、「全国の大学で活動している仲間が集まるから」との口上で、北大の代表として東京での研修に行くことを勧められたのです。交通費や滞在費はすべてサークルから出すと言ってくれたので、これは悪くない話だと。何より「東大や慶大、早稲田の仲間と会えますよ」という言葉が私の自尊心をくすぐりました。しかし、この誘いは罠にほかならなかったのです。

 それまではサークル仲間の一軒家で食事をしたり、ミニコンサートを行なったりする中で、ここが統一教会の下部組織、原理研究会だと気がつかないまま時が過ぎていました。結果的に深く考えることなく、私は東京研修に参加したのです。

 いよいよ秋川市(現・あきる野市)での東京研修が始まると、ほどなく私は違和感をおぼえました。講義はキリスト教的な内容ですが、最初と最後にお祈りがあり「お父様、感謝申し上げます」と皆で必ず唱和するしきたりになっている。

 様子がおかしい。「あの写真は誰ですか?」と聞くと「文鮮明様です」との返事。彼らの「お父様」、統一協会の教祖が壁に飾られていたのです。私は嵌められたことに完全に気がつきました。私はボランティアの勉強に来ているはずだ。新興宗教に入るためではない──。

 私が「こんなつもりじゃなかったので札幌に帰ります」と申し出ると「だめだ、サタン(悪魔)にさらわれる」と幹部が脅してきました。とんでもない事態になりましたが、手持ち金は言われるまま研修施設に預けており、身動きが取れません。

 幹部に「これで留年でもなったら1年間分の学費を保償してほしい。大学の教授には経緯を説明してもらう」と私は訴えました。そんな風に反発されたのは初めてだったのかもしれません。この幹部は私を研修所近くの川原に連れていき、そこで私の足やくるぶし、首、腹を何度も殴りつけたのです。この時の暴行の影響でくるぶしの腱がのび切ってしまい、今も足がうまく運べない体になっています。

 そして「お前はたるんでいる」と言われて真冬の寒い中、幹部に監視されながら風呂場で20回も水ごりをやらされました。たまらず逃げようとしても体格のいいスタッフが出入りを見張っていて、どうにもなりません。この頃、私には自殺願望が芽生えてきていました。

 このような“教育”を受けた私は、それから2週間、研修と称した訪問販売に駆り出されました。真昆布をスティック状にした1袋2500円の珍味を山のように背負わされ、早朝から立川や国立の住宅街に行って飛び込みで売り歩くのです。1日16時間、立川市内を歩かされたこともありました。100万円単位の値段がする印鑑を「裕福そうな家に売ってこい」と命じられたこともあります。これらは教団の資金源にする「エフ」と呼ばれる活動でした。

 いったい自分は何をやっているのか。寒い季節でもあり39度近い熱が出た私が休みたいと申し出ても彼らは耳を貸さず、扁桃腺が大きいので悪化したら肺炎になるとの訴えも退けられました。「サタンが君の中に入ったらまずいので体にムチを入れる」と言われ、40時間の断食も強引にやらされました。

 大学の勉強も年明けの試験も落とせない中で1週間という約束を破られ、結果的に12月中旬から3週間も秋川の研修所にいなければならなくなったのです。警察に飛び込もうとも考えましたが、教団の施設から秋川の街中までは時間がかかリます。

 私はその頃、絶望の中にいました。心底逃げたかった。しかし、途中で捕まってまた暴力を受けるのも恐かった。不安と暴力の挟み撃ちで心も体も金縛りのようになっていたのだと思います。

 そのうち幹部が3人ほど来て「そろそろ父親に電話しなさい」と催促してきました。確かにこんなに長く連絡もなく留守にすれば親も心配し、捜索願いを出すかもしれません。「ボランティアサークルに居たと言いなさい。さもなければ一家が呪われる」と脅され、彼らの言う通りにせざるを得ませんでした。

北方ジャーナル12月号の誌面から 旧統一教会の被害者・苫小牧在住の高倉信幸さんが実名告発「私の青春を返してほしい」
「当時味わった苦しさは今でも忘れられない」と話す高倉さん

(この続きは本誌でご覧ください)


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