2022年09月03日
子どもを愛し、国を愛した故・田下昌明氏の「お別れの会」を開催
遺影に向かい献花する参列者(8月21日午後、旭川市内)
日本における小児科医療の大家のひとりで独自の子育て論でも知られる故・田下昌明氏(享年86)の「お別れの会」が8月21日午後、旭川市内の真宗大谷派 旭川別院の大谷ホールで開かれ、市内外から多数の参列者が訪れた。
2020年の春の叙勲では瑞宝双光章を授与された田下氏
この田下氏は市内の豊岡中央病院を運営する医療法人歓生会前理事長で同病院の創設者。1972年に開設した田下医院小児科を81年に医療法人化し、豊岡中央病院としてスタート。ちなみに同病院は、調剤薬局国内最大手のアインファーマシーズ(本社札幌)が院外薬局を最初にオープンした相手先でもあった。
約半世紀に亘り地域医療に貢献してきた田下氏だが、近年は癌などを患ったこともあり理事長から会長に退き、しばらく療養に専念していたが、さる7月10日に帰らぬ人となっていた。
田下氏の近著「もう子育てでは悩まない この一冊で育児は完結する」(明成社)
生前、同氏は理事長として病院運営に采配をふるうと同時に、小児科医としての長年の臨床経験をもとに国家の危機と結びつける形で母子関係の重要性を説く著作を何冊も上梓。「子どもは地域と国の宝。母と子の関係が社会の全ての基本」として幼年期の子どもに対する母親の心構え「スキンシップの重要性」を生涯に亘り訴えてきた。
日本会議北海道本部理事長も務めた田下氏だが、記者が強く印象に残っているのは、延べ2万組以上の母子と接してきたとされる小児科医としての姿だ。
診察室では慈愛に満ちた眼差しで子どもと母親に接し、心から地域の子育てを応援していた同氏。そんな田下氏へのインタビューを本誌では機会あるごとに掲載してきた。
この日の「お別れの会」では、実行委員長・村井為敦氏の挨拶から始まり、弔電などが披露されたのち、田下氏の子息で現在の歓生会理事長である田下大海氏が喪主として挨拶。会を通して参列者たちが故人の業績と人柄を偲び、最後にそれぞれの思いの中で遺影に花を手向けていた。(く)
Posted by 北方ジャーナル at 14:02│Comments(0)
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