2022年04月09日
市立小樽文学館でゲーム関連本の企画展を開催中 会場に同人誌や攻略本が大集合 会期は4月24日まで
ゲーム本の変遷について解説する山本さん(市立小樽文学館)
ゲーム文化を支えた雑誌や攻略本、同人誌などの変遷と歴史をたどる企画展「ザッシ・コウリャクボン・ドウジンシ ゲームの本」が3月5日からで開催され、札幌在住のゲーム愛好家3人が企画構成。ゲーム関連本の変遷を見ようと多くのファンが訪れている。
展示されている「ゲーム本」の数々
同文学館は2012年の「テレビゲームと文学」からゲームにスポットを当てた展示会を開いており、同展で5回目。今回はゲーム愛好家でフリーランスの藤井昌樹さん(53)、ゲームコレクターで研究家の山本耕平さん(46)、北海道大学大学院文学院博物館学研究室博士後期課程の寺農織苑さん(29)の3人が企画構成に携わった。
これまでのゲーム展でもお馴染みの藤井さんは昨年同文学館で開催した「小樽・札幌ゲーセン物語」の企画を行ない、道内外から大きな反響を呼んだ。今回の企画展は藤井さんが山本さんのコレクションに触れたことがヒントになり、展示されている雑誌や攻略本、同人誌の8割は山本さんが収蔵品の中から提供した。
アーケードゲームの流行は、1978年の「スペースインベーダー」に始まった。ゲームセンターに集まる若者たちがサークルをつくり、そこから同人誌が生まれた。家庭でもゲームが楽しめるようになると、出版社からゲーム雑誌や攻略本等多彩な本が刊行され、90年代以降は読み物としても楽しめるよう内容が進化したという。
会場は「誕生!ゲームの本」「最新情報はまかせろ!ゲームの本」「プレイヤーをサポートした攻略本の数々」「キーワード展示」の全4章で構成。96年当時の部屋を再現したスペースの展示や『Beep』や『ファミコン通信』といった、雑誌のバックナンバー全てが展示されているのも見どころのひとつ。
ゲーム雑誌の中にはすでに休刊したものやタイトルを変えて今も発行されているものもある。その変遷をたどろうと雑誌の始まりから、ファミコン専門誌、次世代ゲーム機専門誌、出版社などで分類し詳しくまとめたパネルも展示されている。
また、札幌のゲームサークル「札幌南無児村青年団」が1984年から86年にかけて制作した同人誌『おーるらうんど』は、アニメ的な視点でゲームのキャラクターを掘り下げるといった独自性のある冊子。同展ではこのサークルと同人誌についても詳しく紹介している。
3月20日の午後2時からは山本さんによる展示解説もあり、1時間にわたりパネルに掲示されている出版物の変遷について分かりやすく説明。来場者は頷きながら耳を傾けていた。展示解説は催し最終日の4月24日も行なわれる。会場では札幌出身のゲーマー高橋名人などゲームにゆかりのある10人の文章を掲載した図録も販売している。
入館料は一般300円、高校生と市内在住の70歳以上は150円。障害者と中学生以下無料となっている。(あ)
問い合わせは同文学館☎0134・32・2388まで。
Posted by 北方ジャーナル at 00:01│Comments(0)
│文化(文芸・アート・音楽)
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