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2021年10月19日

北方ジャーナル11月号の誌面から 北海道フォトエッセイ「極彩色に染まった 旭岳・姿見の池の神聖さ」

北方ジャーナル11月号の誌面から 北海道フォトエッセイ「極彩色に染まった 旭岳・姿見の池の神聖さ」
写真は山頂駅からの旭岳

 総選挙の喧騒をよそに秋が深まる最近の北海道だが、今月号の北海道フォトエッセイで筆者の白井氏は9月中旬に訪れた大雪山連峰、旭岳の姿を寄せてくれた。一足早く観光客を魅了した現地の紅葉の美しさを同氏のエッセイと共にお届けしよう。(く)

 これまでに体験したことのない猛暑の夏も過ぎ、9月に入ると急に気温が下がって秋めいた空気を感ずるようになった。

 そんな9月中旬の好天に恵まれた日、「大雪連峰紅葉」の知らせに刺激されて、旭岳温泉からロープウェイに乗った。

 昇り始めてしばらくすると、眼下に点在する鮮やかな黄色や朱色が急に目に飛び込んできた。姿見駅(山頂駅)で降りて外に出ると、まぶしいほどの朱色が目に差し込んでくる。しかも周囲の緑との対比が鮮烈だ。一緒に降りた人々の口からも思わず感嘆の声が漏れ出る。

「うわ~、綺麗!」

 まるで錦絵のような極彩色の世界! この鮮烈さこそ、平地では見られない澄んだ空気と、そこから生み出された神聖さの象徴に違いない。

 澄み切った青い空と白い雲、褐色の山肌とその中に立ち上る白い水蒸気、そしてこの絵の主役である樹木の鮮やかな緑と朱色のコントラスト‥。なんと鮮烈で豪華な色彩感だろうか。しかも、旭岳の山頂から放射状に伸びた刷毛で描かれたような白い雲が、この絵に穢れのない神聖さを与えている。これはまさに神々の楽園(カムイミンタラ)の風景だ。

 北国、北海道の紅葉はここから始まる。秋の深まりとともに、この極彩色の画面は天上から降りて徐々に下界に拡がってゆく。そして、地上の世界がカラフルな衣装に被われる頃、天上の世界は素早く純白の衣装に衣替えするのだ。まるで下界が発する多彩な波長を混合して、ひとつの聖なる世界に立ち戻るかのように。


北方ジャーナル11月号の誌面から 北海道フォトエッセイ「極彩色に染まった 旭岳・姿見の池の神聖さ」
姿見の池から望む旭岳


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Posted by 北方ジャーナル at 17:35│Comments(0)編集長日記
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北方ジャーナル11月号の誌面から 北海道フォトエッセイ「極彩色に染まった 旭岳・姿見の池の神聖さ」
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