2020年08月14日
北方ジャーナル2020年9月号
8月14日発売。お求めは道内有名書店、セイコーマート、インターネットではAmazon、またはオンライン書店『Fujisan.co.jp』、あるいは直接当社(右サイドバーのメールボタンから)までお問い合わせください。
【報道】医療現場で散った命⑩
「誰も恨まないで」
看護師パワハラ死訴訟、結審
吃音咎める不適切指導の疑い
7年前の夏、札幌の病院に勤務していた男性看護師(当時34)が自ら命を絶った。強く疑われたのは、吃音があった男性への執拗なハラスメント。当時の上司の指導には、患者さえもが行き過ぎを指摘していたという。労働災害を否定する国を相手に遺族が法廷で闘い始めてから、もうすぐ3年。訴訟は本年6月の証人尋問で結審し、今秋の判決を待つのみとなった。長い闘いを続ける原告の背中を押したのは、本人が最後に遺した一言。「誰も恨まないでください」――。(小笠原 淳)
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【報道】歓楽街の感染防止を目指す「ススキノ助成金」の行方②
撤廃される「9団体優先」
札幌市が1億5千万円を増額
新たに500事業者を助成へ
札幌市は、いわゆる「ススキノ助成金」の予算を倍増させることを正式に決めた。すでに執行している1億5千万円と同額を新たに措置することとし、8月中旬の申請再受付に向け、事業主体の一般社団法人すすきの観光協会(本部札幌・大島昌充会長、以下協会)と共に準備に入っている。特筆すべきは問題とされていた「9団体優先」の条件が撤廃されること。これまでの流れを踏まえ、この助成金事業の新たな展開を報告する。(本誌編集長・工藤年泰)
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【報道】狩人、銃を奪われる ③
民家至近に1カ月
銃不使用の砂川でヒグマ騒動
270kg オス 養鶏場荒らす
地元猟友会役員が銃所持の取り消し処分を受けた砂川市で、養鶏家の自宅敷地内にヒグマが連日出没し続ける事件が起きた。ハンターが発砲できない状況の中、市の担当課は箱罠を設置してクマを捕獲。結果的に人が危害を受けることは免れたが、関係者の間で緊張の糸は張り詰めたまま。「次に出たらどうするのか」。地元では今も、銃による駆除ができない状況が続いている。(小笠原 淳)
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【報道】緊急事態、囚われ人にも――③
発表前夜、獄中緊迫
旭川刑務所で刑務官「陽性」
濃厚接触54人 受刑者らも
7月下旬、北海道内の刑務所で2例めとなる新型コロナウイルス感染が報告された。現場は、国内最北の長期囚収容施設・旭川刑務所。20歳代の男性刑務官がPCR検査で陽性となり、旭川市としては3カ月ぶりの感染者発生が確認された形だ。施設内では少なくとも7人の受刑者に濃厚接触が疑われ、刑務作業の工場が稼働中止になったという。獄中から届いた緊急報告には、緊迫する現場の動きが記録されていた――。(小笠原 淳)
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【報道】総長解任と次期総長選びで揺れる北海道大学
名和総長解任の真相と
北大総長選の虚々実々
名和豊春総長(66)解任で揺れる国立大学法人北海道大学。選考会議が選択したのは同氏の辞職ではなく解任。このことで北大が得たものは果たして何だったのか。自浄作用が学内に機能しているというのであれば、むしろ自発的に職を辞す環境を作った方が得策だったのではないか。大学内外で解任をめぐる波紋が収まらない中、北大は次期総長選の真っ只中にある。解任騒動の汚名を払拭する意味合いもある次期総長選びだが、大学経営をめぐる利権が背後にちらつき、生臭さは拭えない。北大は威信を回復できるだろうか。(佐久間康介)
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【報道】道警不祥事から考える〈43〉
酒気帯びなど戒告2件
道警不祥事・前年同期比倍増
詐欺の二課刑事には実刑判決
地元・北海道警察の本年上半期(1―6月)の不祥事記録が出揃った。記者の定期的な公文書開示請求であきらかになった速報値は、懲戒処分4件・監督上の措置48件の、計52件。前年同期比で2倍以上に増えた形で、とくに後半の“第2四半期”では異性関係事案や交通違反での処分が目立つ。前号で触れた詐欺事件の続報や、その後あきらかになった脅迫事件も含め、現時点での報告を。(小笠原 淳)
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【報道】性的少数者に法の下の平等を③
「認められる」生きる力に
LGBT当事者が尋問で思いの丈
“結婚の自由”裁判、全国初判決へ
北海道など各地で審理が続く「結婚の自由をすべての人に」訴訟が佳境に差しかかり、札幌では8月上旬に原告と証人の尋問が行なわれた。世の中で普通に認められていることが、性的少数者(LGBT)にはなぜ許されないのか――。日本の結婚制度の違憲性を問う裁判は、年度内にも全国初の判決言い渡しを迎えることになりそうだ。遠かった春がようやく訪れるのか、あるいはさらに遠ざかるのか。声を上げた当事者たちは、司法の良心に期待を寄せている。(小笠原 淳)
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【農業】北海道農業の底力/JA北海道中央会・小野寺俊幸会長に訊く
コロナ禍で人々に芽生えた
自給率向上の求めに応える
牛乳危機・人手不足を救った道民の支え
全道JAのまとめ役を担うJA北海道中央会。6月23日、その新会長にJAところ会長で、同会では直近まで副会長だった小野寺俊幸氏が就任した。その小野寺氏は北農5連合会のさまざま役職を経験。それを活かし5連のさらなる連携強化で、農業者支援に注力する構えだ。だが目下、最大の懸案は社会経済に大ダメージを与え続けているコロナ禍への対策。これまでもさまざまな危機に見舞われてきたが、その折々で大きな力となったのは、道民やさまざまな企業からの支援だったという。(7月28日収録)
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【農業】北海道農業の底力/ホクレン・篠原末治会長に訊く
農産物の高付加価値化を通じ
生産者の生活を守り、支える
継承される中興の祖・太田寛一イズム
ホクレンの新会長に就任した篠原末治氏。直近までJA士幌町の組合長を務め、北農5連合会の常勤役員は未経験での選任となった。その出身JAはかつて、ホクレン会長やJA全農会長を歴任し、北海道農業中興の祖と呼ばれた故太田寛一氏(JA士幌町名誉組合長)を輩出。昭和初期の段階から現在の6次化農業に通じる農産物の高付加価値化を実践した「太田イズム」は、篠原氏をはじめ地元農業者にしっかりと受け継がれている。(7月30日収録)
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【金融】北洋銀行・安田光春頭取に訊くコロナ禍の経営戦略
今こそお客さま目線の姿勢で
経済を支えていくのが使命
低金利時代に対応し生産性を向上
新型コロナウイルス感染症で食と観光を2本柱とする北海道経済は大きな打撃を受け、これまで見えなかった弱点が炙りだされている。そんな中、北海道のリーディングバンクである北洋銀行(本店札幌)の安田光春頭取は、今後の銀行経営のポイントを「お客様目線」という言葉で表現する。現下の情勢でその言葉が持つ重みをひしひしと感じているのは安田頭取自身だろう。コロナ禍における銀行戦略を訊いた。(7月21日取材・佐久間康介)
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【ニュース】
■情状酌量の内容でも高裁に控訴した
ザイコン社の偽装コンサル、小林氏
──貸金業法違反と出資法違反で執行猶予付きの有罪判決
■「桜」でマルチ勧誘の元役員逮捕
IRめぐる汚職で証人買収疑い
──仮想通貨被害訴訟続く中、改めて問われる政権との関係
■オークラ札幌が来年9月で閉館
従業員再就職は会社が全力支援
──新築するホテルは国内外4つ目、「プレステージ」を検討
■アパマン平岸爆発現場の向いで
今7月からメディカルビル着工
──事故当時、爆風被害受けた「やなづめクリニック」が移転する見通し
■新生イオン北海道の新スタイル店舗
統合後初の新店「MV日新店」開業
──同社が目指す食の地域シェア獲得を苫小牧で実現
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【観光】2020 夏 道内観光情報
いざ、北海道再発見へ
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【医療】
全面リニューアルオープンした
北海道恵愛会の札幌南一条病院
循環器と腎臓を同時にケアし
患者の人生に寄り添う医療を
社会医療法人北海道恵愛会(西田憲策理事長)が運営する札幌南一条病院(札幌市中央区/工藤靖夫院長・147床)が7月1日、全面リニューアルオープンした。旧病院の老朽化に伴い敷地内で新築工事を行なっていたもので、快適性や利便性の向上はもとより、多様化する地域の医療ニーズに対応していく態勢を整えた。中でも特筆すべきは、従来から力を入れている循環器・腎臓内科分野における腎臓病センターの機能強化だ。患者のライフスタイルや要望に応えて大幅に透析環境の充実が図られた。ここで16年前からトップを務め、「高齢・合併症のある患者に、より専門性の高い治療を提供していきたい」と抱負を語る工藤院長に新病院の概要と役割を訊いた。(7月15日取材)
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【医療】原因を探り〝隠れ循環器患者〟を発見
札幌心臓血管クリニックで
注目の失神外来がスタート
循環器分野における全国屈指の治療拠点として知られる医療法人札幌ハートセンター 札幌心臓血管クリニック(藤田勉理事長/東区・85床)で8月1日、「失神外来」がスタートした。失神の原因に心臓の病気が隠れているケースが少なくないためだ。この外来を担当する北井敬之医師は「不整脈などによる突然死の前段階として失神の症状が現れる場合もある。予防のためにも多くの人に利用してもらいたい」と話している。(7月29日取材)
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【企業】アイビック食品(札幌市):売れる商品を顧客と二人三脚で開発
コロナ禍で増える外食業界の
物販事業を“丸ごとサポート”
ここ数年にわたり工場の新築や増築、惣菜会社の買収といった投資を積極的に行ない、中国にも拠点を開設するなど業容を拡大してきたアイビック食品(本社札幌・牧野克彦社長)。たれやだし、惣菜などを主に業務用に製造販売している同社もコロナ禍の影響を大きく受けたが、この危機をバネにした取り組みが注目を集めている。いち早く工場とオフィスに徹底した感染防止対策を取り入れたほか、自社の強みを生かして飲食店のテイクアウト、デリバリー事業を全面的に応援。売れる物販品の開発に活路を見出そうとする外食業界の〝縁の下の力持ち〟として存在感を高めている。突如襲った危機を乗り越えながら新たな成長を目指す同社の現在をレポートする。(7月27日取材)
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【現地ルポ】緊急事態宣言が出された沖縄の“いま”
「Go To トラベル」でも
静まり返る那覇の国際通り
沖縄県での新型コロナウイルス感染拡大が止まらず混乱が広がっている。玉城デニー知事が県独自の緊急事態宣言を発出し、沖縄全域での不要不急の外出自粛を求めた7月31日、那覇市内に滞在していた記者は、中心部である国際通りなどを取材した。だが、メーンストリートに人の気配はほとんどなく、かつての賑わいは消え失せていた。そんな中、現地の人々からは「Go To トラベル」を始めた政府に対する不満の声が漏れ聞かれた。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【人】経済界を完全引退する横内龍三 氏に訊く
企業は世界標準を見据え
自力で発展の芽をつくれ
17年過ごした北海道に「贈る言葉」
北洋銀行の頭取、会長を務め2年間続けた非常勤顧問をさる6月に退いた横内龍三氏(76)。北海道経済同友会の代表幹事も2年前に同行の石井純二会長(69)に引き継ぎを終え、今回で経済界から完全引退することになった。その横内氏は北洋銀行で脱日銀化を図り、会長ポストを代表権のない役職にするなど企業統治の改革を進めてきたことで知られる。地位やポストに拘らない恬淡とした潔さは、横内氏の真骨頂と言える。北の大地を踏みしめてから17年──。「ここは第2のふるさと」と言う横内氏に〝北海道へ贈る言葉〟を訊いた。(7月9日収録・佐久間康介)
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【原発】噴火湾をめぐった脱原発キャラバン隊に訊く
函館と周辺地域で感じた
大間原発に対する危機感
13市町を回り見えた各地の温度差
原発と漁業、観光は共存しない──。6月下旬、泊原子力発電所の再稼働反対をアピールしながら函館を皮切りに噴火湾沿岸の13市町を回った「噴火湾沿岸キャラバン」。自治体や漁協、観光協会、商工会議所などに脱原発を訴えながら各地の市民団体と意見を交わした6泊7日の旅から見えてきたもの。そのひとつは、青森県の大間原発に対する地域の強い危機感だった。今回の参加メンバーを取材し、キャラバンの成果や課題を探った。 (武智敦子)
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【連載】〝農と食〟北の大地から
信頼される農産物を送り届けて
──「㈲当麻グリーンライフ」の歩みをたどる(後編)──
新しい農業者の受け皿となって
連携の中で広げた“有機”の裾野
仲間たちとともに今から28年前に農業生産法人「㈲当麻グリーンライフ」を設立した、瀬川守さんのモットーは「来る者は拒まず、去る者は追わず」だという。12戸でスタートした構成農家は途中で脱退する人もあって減り続けたが、新規就農をめざす若者など新しい人材も受け入れ、有機農業に取り組む道内屈指の農業生産法人になっている。外食大手「ワタミ」のグループ企業の一翼も担い、他産業と切磋琢磨する関係も創ってきた。コロナ禍の影響もあって、田園回帰や農的な暮らしに対する若い人たちの関心が静かに広がるなかで、瀬川さんと「当麻グリーンライフ」の挑戦は続く──。インタビューの後編は、有機農業の歩みや最近の取り組みと課題などについて聴いた。(7月25日、同社で収録。ルポライター 滝川 康治)
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【連載】ルポ「ひきこもり」60──ウィズ・コロナ時代を生きる当事者と家族
16年ひきこもり広がる価値観
過剰な娘の心配に戸惑う母親
新型コロナウイルスの感染拡大は、ひきこもりと家族にも少なからず影響をもたらしているようだ。自分なりのステイホームを送った人もいれば、感染を心配しメンタル面で不安定になる人もいる。感染収束の目途が立たない中で、多くの人がこれまでとは違った生き方を求められている今、当事者と家族、2つの事例を通してウィズ・コロナ時代を考えた。(武智敦子)
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【ひきこもり】9月から始まる「ひきこもりサテライト・カフェ」事業
道内に広がる“居場所”づくり
コロナ禍で予定に不透明感も
ひきこもり当事者や家族の居場所となる「ひきこもりサテライト・カフェ」事業が9月から江別市などで始まる。主催する札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(レタポス)によると、江別市では、より足を向けやすい場所となるよう現地の当事者から新しい名称を公募中。それを冠する居場所は12月までの計4回の開催を予定している。それぞれの事情で社会から居場所を失った人たちが、仲間との触れ合いを通してどう回復していくか。緩やかな居場所づくりの取り組みが注目されている。(武智敦子)
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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【62】
新潟県長岡市に残された
模擬原子爆弾の投下跡地
山本五十六の故郷で投下訓練
アメリカが原子爆弾を開発し広島と長崎に投下する以前に、日本国内に投下練習用とも言える49個もの模擬原爆が落とされていたのをご存知だろうか。爆弾の形がカボチャに似ていて黄色く塗装されていたことから「パンプキン爆弾」と呼ばれている。最初の模擬原爆は1945年7月20日に約10発投下。そのうちひとつが連合艦隊司令長官だった山本五十六の故郷である新潟県長岡市に落とされ、15年前には着弾地点に碑が立てられた。アメリカ軍は、なぜ長岡市を選んだのか。6月下旬、現地を訪れた。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【フォトレポート・トピックス】
●スガイディノスの「サツゲキ」復活! 小笠原一郎会長「大人の秘密基地に」
●書評:笠井千晶 『家族写真 3・11原発事故と忘れられた津波』
●道内限定の機能性新ジャンルでサッポロビールが本道農業支援
●札幌・室蘭で野次問題考える会 発生1年――記者と当事者が報告
●サワーにも似た新感覚のレモン発泡酒 網走ビール「オホーツク流氷塩レモン」
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【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*根掛かり人生
*視点 公共交通をどうする?
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*あなたの知らない老境
*新設企業情報
*人物株価
*古本屋女房の“古本的日常"
*戦火の女
*デンタルエッセイ
*『永年住宅』の実現に向けて
*夏井功の「夜を駈ける車イス」
*このプラモ、凄い!
*北海道妄想紀行
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『夕立・いちぢく・着信』
【報道】総長解任と次期総長選びで揺れる北海道大学
名和総長解任の真相と
北大総長選の虚々実々
名和豊春総長(66)解任で揺れる国立大学法人北海道大学。選考会議が選択したのは同氏の辞職ではなく解任。このことで北大が得たものは果たして何だったのか。自浄作用が学内に機能しているというのであれば、むしろ自発的に職を辞す環境を作った方が得策だったのではないか。大学内外で解任をめぐる波紋が収まらない中、北大は次期総長選の真っ只中にある。解任騒動の汚名を払拭する意味合いもある次期総長選びだが、大学経営をめぐる利権が背後にちらつき、生臭さは拭えない。北大は威信を回復できるだろうか。(佐久間康介)
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【報道】道警不祥事から考える〈43〉
酒気帯びなど戒告2件
道警不祥事・前年同期比倍増
詐欺の二課刑事には実刑判決
地元・北海道警察の本年上半期(1―6月)の不祥事記録が出揃った。記者の定期的な公文書開示請求であきらかになった速報値は、懲戒処分4件・監督上の措置48件の、計52件。前年同期比で2倍以上に増えた形で、とくに後半の“第2四半期”では異性関係事案や交通違反での処分が目立つ。前号で触れた詐欺事件の続報や、その後あきらかになった脅迫事件も含め、現時点での報告を。(小笠原 淳)
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【報道】性的少数者に法の下の平等を③
「認められる」生きる力に
LGBT当事者が尋問で思いの丈
“結婚の自由”裁判、全国初判決へ
北海道など各地で審理が続く「結婚の自由をすべての人に」訴訟が佳境に差しかかり、札幌では8月上旬に原告と証人の尋問が行なわれた。世の中で普通に認められていることが、性的少数者(LGBT)にはなぜ許されないのか――。日本の結婚制度の違憲性を問う裁判は、年度内にも全国初の判決言い渡しを迎えることになりそうだ。遠かった春がようやく訪れるのか、あるいはさらに遠ざかるのか。声を上げた当事者たちは、司法の良心に期待を寄せている。(小笠原 淳)
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【農業】北海道農業の底力/JA北海道中央会・小野寺俊幸会長に訊く
コロナ禍で人々に芽生えた
自給率向上の求めに応える
牛乳危機・人手不足を救った道民の支え
全道JAのまとめ役を担うJA北海道中央会。6月23日、その新会長にJAところ会長で、同会では直近まで副会長だった小野寺俊幸氏が就任した。その小野寺氏は北農5連合会のさまざま役職を経験。それを活かし5連のさらなる連携強化で、農業者支援に注力する構えだ。だが目下、最大の懸案は社会経済に大ダメージを与え続けているコロナ禍への対策。これまでもさまざまな危機に見舞われてきたが、その折々で大きな力となったのは、道民やさまざまな企業からの支援だったという。(7月28日収録)
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【農業】北海道農業の底力/ホクレン・篠原末治会長に訊く
農産物の高付加価値化を通じ
生産者の生活を守り、支える
継承される中興の祖・太田寛一イズム
ホクレンの新会長に就任した篠原末治氏。直近までJA士幌町の組合長を務め、北農5連合会の常勤役員は未経験での選任となった。その出身JAはかつて、ホクレン会長やJA全農会長を歴任し、北海道農業中興の祖と呼ばれた故太田寛一氏(JA士幌町名誉組合長)を輩出。昭和初期の段階から現在の6次化農業に通じる農産物の高付加価値化を実践した「太田イズム」は、篠原氏をはじめ地元農業者にしっかりと受け継がれている。(7月30日収録)
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【金融】北洋銀行・安田光春頭取に訊くコロナ禍の経営戦略
今こそお客さま目線の姿勢で
経済を支えていくのが使命
低金利時代に対応し生産性を向上
新型コロナウイルス感染症で食と観光を2本柱とする北海道経済は大きな打撃を受け、これまで見えなかった弱点が炙りだされている。そんな中、北海道のリーディングバンクである北洋銀行(本店札幌)の安田光春頭取は、今後の銀行経営のポイントを「お客様目線」という言葉で表現する。現下の情勢でその言葉が持つ重みをひしひしと感じているのは安田頭取自身だろう。コロナ禍における銀行戦略を訊いた。(7月21日取材・佐久間康介)
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【ニュース】
■情状酌量の内容でも高裁に控訴した
ザイコン社の偽装コンサル、小林氏
──貸金業法違反と出資法違反で執行猶予付きの有罪判決
■「桜」でマルチ勧誘の元役員逮捕
IRめぐる汚職で証人買収疑い
──仮想通貨被害訴訟続く中、改めて問われる政権との関係
■オークラ札幌が来年9月で閉館
従業員再就職は会社が全力支援
──新築するホテルは国内外4つ目、「プレステージ」を検討
■アパマン平岸爆発現場の向いで
今7月からメディカルビル着工
──事故当時、爆風被害受けた「やなづめクリニック」が移転する見通し
■新生イオン北海道の新スタイル店舗
統合後初の新店「MV日新店」開業
──同社が目指す食の地域シェア獲得を苫小牧で実現
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【観光】2020 夏 道内観光情報
いざ、北海道再発見へ
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【医療】
全面リニューアルオープンした
北海道恵愛会の札幌南一条病院
循環器と腎臓を同時にケアし
患者の人生に寄り添う医療を
社会医療法人北海道恵愛会(西田憲策理事長)が運営する札幌南一条病院(札幌市中央区/工藤靖夫院長・147床)が7月1日、全面リニューアルオープンした。旧病院の老朽化に伴い敷地内で新築工事を行なっていたもので、快適性や利便性の向上はもとより、多様化する地域の医療ニーズに対応していく態勢を整えた。中でも特筆すべきは、従来から力を入れている循環器・腎臓内科分野における腎臓病センターの機能強化だ。患者のライフスタイルや要望に応えて大幅に透析環境の充実が図られた。ここで16年前からトップを務め、「高齢・合併症のある患者に、より専門性の高い治療を提供していきたい」と抱負を語る工藤院長に新病院の概要と役割を訊いた。(7月15日取材)
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【医療】原因を探り〝隠れ循環器患者〟を発見
札幌心臓血管クリニックで
注目の失神外来がスタート
循環器分野における全国屈指の治療拠点として知られる医療法人札幌ハートセンター 札幌心臓血管クリニック(藤田勉理事長/東区・85床)で8月1日、「失神外来」がスタートした。失神の原因に心臓の病気が隠れているケースが少なくないためだ。この外来を担当する北井敬之医師は「不整脈などによる突然死の前段階として失神の症状が現れる場合もある。予防のためにも多くの人に利用してもらいたい」と話している。(7月29日取材)
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【企業】アイビック食品(札幌市):売れる商品を顧客と二人三脚で開発
コロナ禍で増える外食業界の
物販事業を“丸ごとサポート”
ここ数年にわたり工場の新築や増築、惣菜会社の買収といった投資を積極的に行ない、中国にも拠点を開設するなど業容を拡大してきたアイビック食品(本社札幌・牧野克彦社長)。たれやだし、惣菜などを主に業務用に製造販売している同社もコロナ禍の影響を大きく受けたが、この危機をバネにした取り組みが注目を集めている。いち早く工場とオフィスに徹底した感染防止対策を取り入れたほか、自社の強みを生かして飲食店のテイクアウト、デリバリー事業を全面的に応援。売れる物販品の開発に活路を見出そうとする外食業界の〝縁の下の力持ち〟として存在感を高めている。突如襲った危機を乗り越えながら新たな成長を目指す同社の現在をレポートする。(7月27日取材)
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【現地ルポ】緊急事態宣言が出された沖縄の“いま”
「Go To トラベル」でも
静まり返る那覇の国際通り
沖縄県での新型コロナウイルス感染拡大が止まらず混乱が広がっている。玉城デニー知事が県独自の緊急事態宣言を発出し、沖縄全域での不要不急の外出自粛を求めた7月31日、那覇市内に滞在していた記者は、中心部である国際通りなどを取材した。だが、メーンストリートに人の気配はほとんどなく、かつての賑わいは消え失せていた。そんな中、現地の人々からは「Go To トラベル」を始めた政府に対する不満の声が漏れ聞かれた。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【人】経済界を完全引退する横内龍三 氏に訊く
企業は世界標準を見据え
自力で発展の芽をつくれ
17年過ごした北海道に「贈る言葉」
北洋銀行の頭取、会長を務め2年間続けた非常勤顧問をさる6月に退いた横内龍三氏(76)。北海道経済同友会の代表幹事も2年前に同行の石井純二会長(69)に引き継ぎを終え、今回で経済界から完全引退することになった。その横内氏は北洋銀行で脱日銀化を図り、会長ポストを代表権のない役職にするなど企業統治の改革を進めてきたことで知られる。地位やポストに拘らない恬淡とした潔さは、横内氏の真骨頂と言える。北の大地を踏みしめてから17年──。「ここは第2のふるさと」と言う横内氏に〝北海道へ贈る言葉〟を訊いた。(7月9日収録・佐久間康介)
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【原発】噴火湾をめぐった脱原発キャラバン隊に訊く
函館と周辺地域で感じた
大間原発に対する危機感
13市町を回り見えた各地の温度差
原発と漁業、観光は共存しない──。6月下旬、泊原子力発電所の再稼働反対をアピールしながら函館を皮切りに噴火湾沿岸の13市町を回った「噴火湾沿岸キャラバン」。自治体や漁協、観光協会、商工会議所などに脱原発を訴えながら各地の市民団体と意見を交わした6泊7日の旅から見えてきたもの。そのひとつは、青森県の大間原発に対する地域の強い危機感だった。今回の参加メンバーを取材し、キャラバンの成果や課題を探った。 (武智敦子)
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【連載】〝農と食〟北の大地から
信頼される農産物を送り届けて
──「㈲当麻グリーンライフ」の歩みをたどる(後編)──
新しい農業者の受け皿となって
連携の中で広げた“有機”の裾野
仲間たちとともに今から28年前に農業生産法人「㈲当麻グリーンライフ」を設立した、瀬川守さんのモットーは「来る者は拒まず、去る者は追わず」だという。12戸でスタートした構成農家は途中で脱退する人もあって減り続けたが、新規就農をめざす若者など新しい人材も受け入れ、有機農業に取り組む道内屈指の農業生産法人になっている。外食大手「ワタミ」のグループ企業の一翼も担い、他産業と切磋琢磨する関係も創ってきた。コロナ禍の影響もあって、田園回帰や農的な暮らしに対する若い人たちの関心が静かに広がるなかで、瀬川さんと「当麻グリーンライフ」の挑戦は続く──。インタビューの後編は、有機農業の歩みや最近の取り組みと課題などについて聴いた。(7月25日、同社で収録。ルポライター 滝川 康治)
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【連載】ルポ「ひきこもり」60──ウィズ・コロナ時代を生きる当事者と家族
16年ひきこもり広がる価値観
過剰な娘の心配に戸惑う母親
新型コロナウイルスの感染拡大は、ひきこもりと家族にも少なからず影響をもたらしているようだ。自分なりのステイホームを送った人もいれば、感染を心配しメンタル面で不安定になる人もいる。感染収束の目途が立たない中で、多くの人がこれまでとは違った生き方を求められている今、当事者と家族、2つの事例を通してウィズ・コロナ時代を考えた。(武智敦子)
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【ひきこもり】9月から始まる「ひきこもりサテライト・カフェ」事業
道内に広がる“居場所”づくり
コロナ禍で予定に不透明感も
ひきこもり当事者や家族の居場所となる「ひきこもりサテライト・カフェ」事業が9月から江別市などで始まる。主催する札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(レタポス)によると、江別市では、より足を向けやすい場所となるよう現地の当事者から新しい名称を公募中。それを冠する居場所は12月までの計4回の開催を予定している。それぞれの事情で社会から居場所を失った人たちが、仲間との触れ合いを通してどう回復していくか。緩やかな居場所づくりの取り組みが注目されている。(武智敦子)
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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【62】
新潟県長岡市に残された
模擬原子爆弾の投下跡地
山本五十六の故郷で投下訓練
アメリカが原子爆弾を開発し広島と長崎に投下する以前に、日本国内に投下練習用とも言える49個もの模擬原爆が落とされていたのをご存知だろうか。爆弾の形がカボチャに似ていて黄色く塗装されていたことから「パンプキン爆弾」と呼ばれている。最初の模擬原爆は1945年7月20日に約10発投下。そのうちひとつが連合艦隊司令長官だった山本五十六の故郷である新潟県長岡市に落とされ、15年前には着弾地点に碑が立てられた。アメリカ軍は、なぜ長岡市を選んだのか。6月下旬、現地を訪れた。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『夕立・いちぢく・着信』
Posted by 北方ジャーナル at 00:00│Comments(0)
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