2020年05月20日
北方ジャーナル6月号、絶賛発売中
6月号の巻頭漫画は「アベノメット」
【特集 新型コロナショック 救いはどこに──】から
識者は「世界は変わってしまった」と語り、「アフターコロナ」という言葉も囁かれ始めた。今回のコロナ禍が及ぼした影響はあまりに広く、破壊的だ。
昨年末、中国の武漢市から広がった新型コロナ感染症(COVID-19)は、これまで世界で400万人近い患者と30万人に迫る死者を出し、今なお終息は見えていない。
お世辞にも感染対策が十分ではなかった我が国は幸運にも感染爆発を免れたものの緊急事態宣言が延長される中で経済は凍りつき、社会は疲弊の色を濃くしつつある。
そんな中で本号の特集では地方自治体独自の救済策をはじめコロナ対策の最前線の声、貧困層への影響などに加えロックダウンされたフランスからのレポートも併録した。いま地域と世界で何が起き、我々はどこに希望を見出していけばいいのか──。 (数字は5月8日時点)
緊急事態宣言が全国に広がり、クルマや人通りが途絶えた大通公園(4月20日昼、札幌市中央区)
今月号の巻頭言で、私は以下のように書いた。
「アスパラの味」
アスパラがやたらとうまかった。
送り主はオホーツクの、とある道の駅。親しくさせてもらっている支配人に聞けば、ご多分に漏れず休館中とのことだったが、売り先に困った地元農家への一助を兼ねて宅配販売だけは続けているという。
ならば私もということでオーダーしたところ、届いた箱には「サービスです」のメモ書きと一緒に、注文した倍の品物が入っていた。
売り上げがほぼ蒸発し、経営が極めて厳しいのは想像に難くない。そんな中での気遣い。瑞々しい旬の味覚とともにちょっとした優しさに触れた気がして、私は心が少し軽くなる気がした。
今回のコロナ禍で多くの人が苦しんでいる。むしろその苦しさはこれからが本番だろう。感染に対する恐怖が過ぎ去るのも恐らくまだ先だ。
そんな中でふと気づけば、心の平穏を保つのが容易でなくなっている自分がいたりする。
そういう時は支配人が送ってくれた、あのアスパラの味を思い出すことにしよう。
ウイルスがどうであれ、北海道の魅力はまぎれもなく健在だ。
(く)
Posted by 北方ジャーナル at 11:14│Comments(0)
│編集長日記
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。