2019年03月12日
NHKを退職した「森友スクープ記者」相澤冬樹氏が札幌で講演会
講演する相澤冬樹さん(2月26日、札幌エルプラザで)
大阪市の学校法人「森友学園」への国有地売却問題をスクープし、その後NHKを退職したジャーナリスト、相澤冬樹氏(56)。2月末に札幌市内で開かれた相澤氏の「森友問題とNHK報道」と題する講演会を報告しておきたい。「市民自治を創る会」(山口たか代表)などが主催。当日は市民約300人が会場を埋め、関心の高さを伺わせた。
大阪市の学校法人「森友学園」への国有地売却問題をスクープし、その後NHKを退職したジャーナリスト、相澤冬樹氏(56)。2月末に札幌市内で開かれた相澤氏の「森友問題とNHK報道」と題する講演会を報告しておきたい。「市民自治を創る会」(山口たか代表)などが主催。当日は市民約300人が会場を埋め、関心の高さを伺わせた。
森友学園問題をめぐっては補助金詐欺などの罪で逮捕された前理事長、籠池泰典・諄子夫妻の初公判が3月6日、大阪地裁で始まった。しかし、なぜ国有地が大幅に値引きされ売却されたのか、安倍首相夫妻の関与や官邸サイドの指示があったのか、など多くの疑惑が残ったままだ。
問題が発覚した当時、大阪報道部の記者だった相澤氏は、近畿財務局に背任の疑いがあることを2017年7月の『ニュース7』(19時~)で報じたが、放送から3時間後に東京の報道局長から大阪報道部の部長の携帯に「何でこんなニュースを出した!」と激怒の電話があったという。「報道部長は『あなたの将来はないと思え』と言われたそうですが、それなら原稿を書いた自分の将来はもっとない。人事の予感はしていた」と相澤さんは当時を振り返る。
そもそもマスコミ各社の報道が過熱する中、NHKは18年2月の国会答弁で安倍首相が「私や妻が関係していたら総理も議員も辞める」と発言するまで、全国ニュースとしての扱いを避けてきたという。
その後の取材で、相澤氏は近畿財務局から学園側に国有地を値引きする根拠として「トラック何千台もゴミを運んだことにしてほしい」と口裏合わせを求める発言のあったことをキャッチ。ニュースは昨年4月の『ニュース7』で放送されたが、特ダネにもかかわらず、番組の最後で小さく扱われ、同日予定されていた『クローズアップ現代+』での放送もボツになった。
しばらくして考査部への異動を命じられた相澤氏は、昨年7月に31年勤務したNHKを退職。現在は大阪日日新聞の論説委員・記者として引き続き森友学園問題を追っている。
今回の初公判に先立ち、籠池氏への単独インタビューを行なったと明かした相澤氏は、
「幼稚園の補助金は大阪府から出ており、府は毎年監査に入っていた。詐欺があるならとっくに気づいていたはずだ。元々大阪府は籠池氏の小学校設置を認可しようとしていたのに手の平を返し、国会で野党の追及を受ける安倍首相をナイスアシストした。国策捜査だと主張する籠池氏に一定の理はある」とした上で、
「森友問題の本筋は近畿財務局と財務官僚らの背任の疑いであり、マスコミは夫妻の詐欺事件に目をそらせようとする陽動作戦に乗ってしまった」と強調した。
森友学園問題をめぐるNHK報道の内幕については著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋社)で詳細に綴られている。最後に長年勤務したNHKに対しては「受信料で支えられる公共放送はあったほうがいいと思う。記者を始め職員の多くは現場で頑張っている。1割のおかしな報道のために評価されないのはもったいない」と語った。(あ)
問題が発覚した当時、大阪報道部の記者だった相澤氏は、近畿財務局に背任の疑いがあることを2017年7月の『ニュース7』(19時~)で報じたが、放送から3時間後に東京の報道局長から大阪報道部の部長の携帯に「何でこんなニュースを出した!」と激怒の電話があったという。「報道部長は『あなたの将来はないと思え』と言われたそうですが、それなら原稿を書いた自分の将来はもっとない。人事の予感はしていた」と相澤さんは当時を振り返る。
そもそもマスコミ各社の報道が過熱する中、NHKは18年2月の国会答弁で安倍首相が「私や妻が関係していたら総理も議員も辞める」と発言するまで、全国ニュースとしての扱いを避けてきたという。
その後の取材で、相澤氏は近畿財務局から学園側に国有地を値引きする根拠として「トラック何千台もゴミを運んだことにしてほしい」と口裏合わせを求める発言のあったことをキャッチ。ニュースは昨年4月の『ニュース7』で放送されたが、特ダネにもかかわらず、番組の最後で小さく扱われ、同日予定されていた『クローズアップ現代+』での放送もボツになった。
しばらくして考査部への異動を命じられた相澤氏は、昨年7月に31年勤務したNHKを退職。現在は大阪日日新聞の論説委員・記者として引き続き森友学園問題を追っている。
今回の初公判に先立ち、籠池氏への単独インタビューを行なったと明かした相澤氏は、
「幼稚園の補助金は大阪府から出ており、府は毎年監査に入っていた。詐欺があるならとっくに気づいていたはずだ。元々大阪府は籠池氏の小学校設置を認可しようとしていたのに手の平を返し、国会で野党の追及を受ける安倍首相をナイスアシストした。国策捜査だと主張する籠池氏に一定の理はある」とした上で、
「森友問題の本筋は近畿財務局と財務官僚らの背任の疑いであり、マスコミは夫妻の詐欺事件に目をそらせようとする陽動作戦に乗ってしまった」と強調した。
森友学園問題をめぐるNHK報道の内幕については著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋社)で詳細に綴られている。最後に長年勤務したNHKに対しては「受信料で支えられる公共放送はあったほうがいいと思う。記者を始め職員の多くは現場で頑張っている。1割のおかしな報道のために評価されないのはもったいない」と語った。(あ)
Posted by 北方ジャーナル at 11:38│Comments(0)
│政治経済
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