2016年05月14日
北方ジャーナル2016年6月号
5月14日発売。お求めは道内有名書店、セイコーマート、SPAR、インターネットではAmazon、またはオンライン書店『Fujisan.co.jp』、あるいは直接当社(右サイドバーのメールボタンから)までお問い合わせください。
【報道】警察官の不正 背景には何が…
それは「ノルマ」だったのか
森警察署・点数切符捏造で初公判
明かされた「目標」「リスト」の存在
昨秋あかるみに出た、北海道警・函館方面森警察署の巡査長(免職)による点数切符捏造事件。4月22日に函館の裁判所で開かれた初公判で、被告の元巡査長(29)は計40件に上る捏造の事実を認めた。検察は「1件ぐらいならいいだろうと考えた」と不正行為の動機を指摘。その際に明かされたのが、当時の森署で設けられていた交通違反取締りの「目標」と、過去の違反者情報をまとめた「違反者リスト」の存在だ。被害者、実に23人。不正の背景には何があったのか──。(小笠原 淳)
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【報道】道警不祥事から考える 〈6〉
法令違反、なお未発表か
道警「懲戒」「監督上の措置」
本年“第1四半期”中間報告
暴力団に情報を漏らした元警部補や強制わいせつをした元巡査への有罪判決、逮捕時に容疑者を死なせた巡査部長らの書類送検、捜査書類を裁断するなどした警部補らへの懲戒処分??。警察不祥事関連の報道はなお絶えない。一方、本年になってから発生したケースの中には、まだ報じられていない可能性が高い事案がいくつかある。北海道警の1月から3月までの不祥事記録を紐解き、未発表が疑われるものを報告したい。(小笠原 淳)
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【報道】新聞社の「表現の自由」とは
道新「社外言論」めぐり議論再燃
「延期」一転、再提案の動き
新聞労連が急遽「反対」表明
本誌3月号で報告した、北海道新聞社の「社外活動規定」新設問題。社員の自由な言論活動を制限しかねない規定は、当初の2月運用開始予定が直前で回避されたものの、ここに来て会社側が再提案する動きが見えてきた。これを受け、道新労組などが加盟する新聞労連は4月半ばに「反対声明」を発表、新聞社社員の言論・表現の自由を尊重すべしと訴えている。会社の利益と、社員の人権。その両立は不可能なのか。(小笠原 淳)
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【選挙】
与野党総力戦は自民・和田氏に軍配!
「安倍批判」「共産党批判」に染まり
政策論議が深まらなかった「道5区」
自民党公認で公明・大地・こころの推薦を受けた和田義明氏(44)と、民進・共産・社民・生活が推薦する無所属の野党統一候補として出馬した池田真紀氏(43)による、新人同士で争われた衆院北海道5区(札幌市厚別区、石狩管内)補欠選挙。4月24日の投開票日に示された得票結果は、和田氏13万5842票・池田氏12万3517票で、接戦を制した和田氏に軍配が上がった。
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【再開発】一進一退の「サッポロ・リニューアル」
もたつく市中心部の再開発
目玉に続く大型案件の“産みの苦しみ”
札幌の都心部、中央区北1西1の約1・2ヘクタールの土地を利用した再開発・複合ビルの建設が着工1年を経て順調に工事が進んでいる。市などの地権者で組織する再開発組合が総額780億円をかける文字通り「サッポロ・リニューアル」を象徴するビッグプロジェクト。完成は2年後の2018年3月。この事業を嚆矢にして市内中心部で再開発案件が続々進む見込みだったが、いずれも一進一退の状況で現時点では着工までに至っていない。当初のスケジュールから大幅な遅れが出ているケースもあり「各案件ともに産みの苦しみの段階」(札幌市関係者)のようだ。主要な再開発案件の現状と課題を探った。
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【大学経営】赤字続きの札幌大学が地域で孤立
“大改革”でも止まらぬ出血
太田新理事長に関係者が寄せる期待と不安
入学者数の減少や教職員組合との労使紛争に揺れる学校法人札幌大学(本部札幌・太田博理事長)。3年前の「大改革」を経ても事業収入は増えず、国からの補助金を加えても収支は赤字。毎年3億円程度の不足をこれまでの“貯金”で補い、何とか運営を保っている状態だ。多くの私立大学でも経営環境は厳しくなっているが、札大が危機的なのは、教職員をはじめ同窓会、そして地域との関係が冷えきっていること。折しも来年は開学50周年の節目。昨年新理事長に就任した太田氏の手腕に期待する声も聞かれる中、同大の現状と課題を探った。
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【ニュース】
■麻原教祖三女が今月、札幌で講演
公の場で初めて語るオウム、父親
──札幌・柏艪舎の企画で、鈴木邦男さんホストに
■月形刑務所で男性受刑者が自殺
タオルで首吊り、巡回の合間に
──心マッサージ、AED使用も甲斐なく、搬送先病院で
■道新の内部調査「大間違い」と遺族
函館支社・セクハラ告訴から1年
──不起訴決定に「納得できぬ」。労災申請、民事提訴も
■“元気なニッポン”を創る融資制度の
政策金融公庫札幌支店で貸し渋り?
──地元企業は「融資約束を破り説明責任を放棄」と激怒
■ブラックベンチャーDaichi社
被害者置いてきぼりにして自己破産
──葛岡代表は「支払能力は全くない」と開き直り
■「さっぽろスイーツカフェ」閉店で
岐路に立つスイーツ王国推進事業
──「8月閉店」を決断した長沼会長も胸中は複雑
■テーマパーク型ダンスクラブとして
「キングムー」が8年ぶりにオープン
──不景気風が抜けないススキノの起爆剤になれるか
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【市政】内申書のない昇任は「地公法違反」か?
小樽市コンプライアンス委員会が
昨年6月の幹部人事について調査
小樽市の森井秀明市長が、昨年6月に実施した幹部人事をめぐる論議が再燃している。勤務成績を証明する内申書のない職員を昇任させたことが地方公務員法に抵触する可能性があるとして、通報を受けた市コンプライアンス委員会(山口均委員長)がこのほど調査に乗り出したのだ──。
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【連載】戦争遺産をめぐる旅 (15)
戦争突入「ニイタカヤマノボレ」を
打電した無線電信所船橋送信所
公園になった近代日本の通信基地
71年前の12月8日、真珠湾攻撃を端緒に始まった太平洋戦争で、連合艦隊を始めとする日本の全軍に戦争突入を伝えた電文「ニイタカヤマノボレ一二〇八」は、あまりにも有名だ。この電文を送ったのが千葉県船橋市行田地区の「海軍無線電信所船橋送信所」だ。戦後、巨大な無線電信塔はすべて取り壊され、現在は公園と団地に姿を変えている。この地から発信された一通の電文によって、日本の姿はすっかり変わった。戦争放棄を明記した憲法の改正が、かつてないほど議論され始めた昨今。5月3日の憲法記念日を前に、私は無線電信所があった県立行田公園を訪れた。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【原発】検証「泊原発は本当に必要なのか」(15)
再稼働が孕む危うい未来
チェルノブイリ原発事故から丸30年
旧ソ連時代のウクライナで1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故から丸30年が経過し、改めて原発事故の恐ろしさが語られている。事故当時「日本の原発では絶対あり得ない」と言っていた原発推進論者は、それから25年後に起きた東日本大震災と福島の事故をどう捉えたのだろうか。チェルノブイリの教訓は日本の原発にどう生かされるのか。現地で開かれた式典の模様を報道で知り、最近札幌で行なわれた報告会などを取材しながら改めてチェルノブイリと福島の事故、そして泊原発の再稼働を考えた。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【連載】
ルポ 「ひきこもり」──長期高齢化の周辺 (9)
経験者だから気持ちが分かる
支援する側とされる側、
垣根を超えたピアサポート活動
ひきこもりから脱したい──。最も望んでいるのは誰あろう当事者本人のはずだ。しかし、中々きっかけがつかめない。ひきこもる期間が長引けば長引くほど、追い詰められ孤立していく。そんな当事者に手を差し伸べ、心の扉を開かせていくのが、同じ経験を持つピアサポーターだ。彼らと訪問支援を受ける家族の側の想いを取材した。(武智敦子)
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【医療】
社会医療法人社団カレスサッポロの大城辰美理事長に訊く
地域医療連携推進法人を設立し
相互補完で人材育て、事業発展
全国初。北海道医療大学と連携へ
社会医療法人社団 カレスサッポロ(本部札幌・大城辰美理事長)と学校法人東日本学園 北海道医療大学(本部当別・東郷重興理事長)が、昨年の改正医療法で国が打ち出した地域医療連携推進法人(以下連携法人)の設立に向けて4月11日、基本合意書に調印した。医療法人と学校法人がこの制度を利用して連携するのは全国初。医学教育の質的向上を図るとともに、双方の医療機関で病床をはじめ医師や他の医療スタッフの相互補完を行ない、事業発展の基盤を構築することが狙いだ。基本合意に至った経緯やカレスサッポロが取り組む人材育成の意義を大城理事長(60)に訊いた。
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【医療】
日本医療大学の総長に就任した
札医大トップ、島本和明氏に訊く
認知症治療、病院開設に向け大きく
前進する「つしま医療福祉グループ」
札幌医科大学の学長・理事長を辞し、つしま医療福祉グループ(本部札幌・対馬徳昭代表)入りを果たした島本和明氏(69)。この4月から日本医療大学の総長に就任した島本氏は、大学院や病院設立に向けた推進役として期待されているほか、同グループが取り組む認知症研究の強力なエンジンになりそうだ。とりわけ注目されるのは、札医大時代の島本氏が旗振り役となって研究開発を進めた再生医療の認知症への応用だ。認知症が治療可能な時代を見据えて医療と介護をコラボさせ、新たな地平に乗り出そうとしている同グループ。在宅介護の分野で全国をリードしてきた対馬代表の新たなパートナー“島本総長”に今後の抱負と意気込みを訊いた。(4月18日収録)
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【医療】
最先端のレーザー白内障手術を
導入した札幌のカルナメドアイ
自動化と免疫治療の相乗効果で
患者の感染リスクをゼロにする
日本で年間約140万件の手術が行なわれる白内障。その最も新しい治療法が低侵襲性で術後感染症のリスクを軽減したレーザー手術だ。メディカルグループ・カルナメドが運営する「眼科手術クリニック カルナメドアイ」(札幌市中央区)では、このほど北海道内として初のレーザー白内障治療機器を導入。糖尿病やがんなどで感染症リスクが高い患者にも安心して治療を受けてもらうため、オプションとしてレーザー治療と免疫治療などを組み合わせた「カルナメド・スタイル」を提案している。本道で始まった白内障治療の最前線をグループの核である医療法人 芳佑会の高柳芳記理事長とレーザー治療の責任者である河原温医師(カルナメドアイ釧路院長)に取材した。
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【防災】
防災グッズだけで安心していませんか?
日本全国に“地震リスク”が…
大規模災害への備えを急げ!
4月14日に熊本県益城町で震度7を記録して以降、相次ぐ余震により同県と大分県に多大な被害をもたらした熊本地震は、日本が“地震列島”であることを改めて印象付けた。身の回りで大規模災害があった際、自分や家族の身を守るためにどうすればいいのか、また事前にどのような備えをしておくべきなのか──。札幌市消防局に在籍中は防災部防災課長や同市危機管理対策課長などを歴任した(公財)札幌市防災協会の細川雅彦事務局長と、平成23年に発生した東日本大震災の際に宮城県仙台市で被災し、現在は道内避難者への支援活動を行なう(一社)北海道広域避難アシスト協会の佐藤伸博代表理事を訪ね、主に地震を念頭に平時になすべきことと有事の際の心構えなどを訊いた。
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【就労支援】
教育と福祉をつなぐ新しい「学び」を
NPO法人星槎さっぽろ教育センター
若者の就労を支援するため他事業者との連携も
NPO法人星槎さっぽろ教育センター(武内隆央センター長)が、札幌市北区にフリースクール「星の教室」を開設して3年。障害のある児童生徒を対象にした放課後等デイサービス「星の音」を併設するなど、教育と福祉をつないだ新しい学びの場の創出が注目されている。
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【長期連載】“農と食"北の大地から
産業用大麻の可能性(番外編2)
──東川町の特区申請取り下げと今後の課題──
東川町農協が申請取り下げ決議
“出口戦略”に苦悩する栽培農家
産業用大麻(ヘンプ)の試験栽培を進める上川管内東川町と東京の一般社団法人が内閣府に対し、大麻草の全草利用ができる国家戦略特区の指定を申請してから5カ月。同町は4月中旬、一転して特区申請の取り下げを決めた。特区申請による地元農産物のイメージ低下を懸念する東川町農協の総代会で、申請の取り下げを求める決議が採択されたことなどが背景にある。前号以降の経緯を紹介するとともに、試験栽培で生産されたヘンプの加工品の出口戦略に苦悩する栽培農家の状況や、栽培・加工研究の進め方、種子供給の今後、道庁内での合意形成など山積する課題とその解決策について、私見を交えて報告したい。(ルポライター 滝川 康治)
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【話題の人】
就労継続支援B型事業所「SOLA」の
管理者を務める美容師・奥山 豪太さんに訊く
「就労支援を始めてから、
ツールとして美容師を
続けていこうと思うように」
昨年6月、札幌市北区に就労継続支援B型事業所「SОLA(ソラ)」がオープンした。立ち上げたのは、美容師の奥山豪太さん(32)。23歳で独立して市内にサロンを構え、マンツーマンのきめ細かいサービスが評判を呼ぶ人気スタイリストは、障害者や高齢者を対象とした訪問美容サービスを通じ、「障害を持つ若者たちが社会復帰する架け橋になりたい」と起業を決意したという。行動力と豊かな発想力で夢を実現する奥山さんの素顔に迫った。(聞き手・武智敦子)
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【フォトレポート・トピックス】
*伝説の雀士、小島武夫が来札! 介護事業「輝」の“健康麻将”親睦会を応援
*北海道コカ・コーラが自然保護活動を支援「北海道e‐水プロジェクト」
*土屋・北ガスの連携で賃貸住宅の省エネ化推進。暖房費込みの賃料「スマートT」
*道内各地のスイーツが大集合「北海道お菓子フェア2016」開催へ
*アサヒビール北海道工場が竣工50周年
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【連載コラムなど】
*道北フォトエッセイ
*根掛かり人生
*視点 公共交通をどうする?
*夏井功の「夜を駈ける車イス」
*風俗嬢の休日
*シネマ
*須賀章雅のよいどれブンガク夜話
*名画の小部屋
*スポーツ筆刀両断
*札幌異才探訪
*トンデモ撮影日記
*新設企業情報
*人物株価
*古本屋女房の“古本的日常"
*私のラバさん酋長の娘
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『夏前映画会(タツナバカ)』
【再開発】一進一退の「サッポロ・リニューアル」
もたつく市中心部の再開発
目玉に続く大型案件の“産みの苦しみ”
札幌の都心部、中央区北1西1の約1・2ヘクタールの土地を利用した再開発・複合ビルの建設が着工1年を経て順調に工事が進んでいる。市などの地権者で組織する再開発組合が総額780億円をかける文字通り「サッポロ・リニューアル」を象徴するビッグプロジェクト。完成は2年後の2018年3月。この事業を嚆矢にして市内中心部で再開発案件が続々進む見込みだったが、いずれも一進一退の状況で現時点では着工までに至っていない。当初のスケジュールから大幅な遅れが出ているケースもあり「各案件ともに産みの苦しみの段階」(札幌市関係者)のようだ。主要な再開発案件の現状と課題を探った。
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【大学経営】赤字続きの札幌大学が地域で孤立
“大改革”でも止まらぬ出血
太田新理事長に関係者が寄せる期待と不安
入学者数の減少や教職員組合との労使紛争に揺れる学校法人札幌大学(本部札幌・太田博理事長)。3年前の「大改革」を経ても事業収入は増えず、国からの補助金を加えても収支は赤字。毎年3億円程度の不足をこれまでの“貯金”で補い、何とか運営を保っている状態だ。多くの私立大学でも経営環境は厳しくなっているが、札大が危機的なのは、教職員をはじめ同窓会、そして地域との関係が冷えきっていること。折しも来年は開学50周年の節目。昨年新理事長に就任した太田氏の手腕に期待する声も聞かれる中、同大の現状と課題を探った。
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【ニュース】
■麻原教祖三女が今月、札幌で講演
公の場で初めて語るオウム、父親
──札幌・柏艪舎の企画で、鈴木邦男さんホストに
■月形刑務所で男性受刑者が自殺
タオルで首吊り、巡回の合間に
──心マッサージ、AED使用も甲斐なく、搬送先病院で
■道新の内部調査「大間違い」と遺族
函館支社・セクハラ告訴から1年
──不起訴決定に「納得できぬ」。労災申請、民事提訴も
■“元気なニッポン”を創る融資制度の
政策金融公庫札幌支店で貸し渋り?
──地元企業は「融資約束を破り説明責任を放棄」と激怒
■ブラックベンチャーDaichi社
被害者置いてきぼりにして自己破産
──葛岡代表は「支払能力は全くない」と開き直り
■「さっぽろスイーツカフェ」閉店で
岐路に立つスイーツ王国推進事業
──「8月閉店」を決断した長沼会長も胸中は複雑
■テーマパーク型ダンスクラブとして
「キングムー」が8年ぶりにオープン
──不景気風が抜けないススキノの起爆剤になれるか
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【市政】内申書のない昇任は「地公法違反」か?
小樽市コンプライアンス委員会が
昨年6月の幹部人事について調査
小樽市の森井秀明市長が、昨年6月に実施した幹部人事をめぐる論議が再燃している。勤務成績を証明する内申書のない職員を昇任させたことが地方公務員法に抵触する可能性があるとして、通報を受けた市コンプライアンス委員会(山口均委員長)がこのほど調査に乗り出したのだ──。
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【連載】戦争遺産をめぐる旅 (15)
戦争突入「ニイタカヤマノボレ」を
打電した無線電信所船橋送信所
公園になった近代日本の通信基地
71年前の12月8日、真珠湾攻撃を端緒に始まった太平洋戦争で、連合艦隊を始めとする日本の全軍に戦争突入を伝えた電文「ニイタカヤマノボレ一二〇八」は、あまりにも有名だ。この電文を送ったのが千葉県船橋市行田地区の「海軍無線電信所船橋送信所」だ。戦後、巨大な無線電信塔はすべて取り壊され、現在は公園と団地に姿を変えている。この地から発信された一通の電文によって、日本の姿はすっかり変わった。戦争放棄を明記した憲法の改正が、かつてないほど議論され始めた昨今。5月3日の憲法記念日を前に、私は無線電信所があった県立行田公園を訪れた。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【原発】検証「泊原発は本当に必要なのか」(15)
再稼働が孕む危うい未来
チェルノブイリ原発事故から丸30年
旧ソ連時代のウクライナで1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発事故から丸30年が経過し、改めて原発事故の恐ろしさが語られている。事故当時「日本の原発では絶対あり得ない」と言っていた原発推進論者は、それから25年後に起きた東日本大震災と福島の事故をどう捉えたのだろうか。チェルノブイリの教訓は日本の原発にどう生かされるのか。現地で開かれた式典の模様を報道で知り、最近札幌で行なわれた報告会などを取材しながら改めてチェルノブイリと福島の事故、そして泊原発の再稼働を考えた。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【連載】
ルポ 「ひきこもり」──長期高齢化の周辺 (9)
経験者だから気持ちが分かる
支援する側とされる側、
垣根を超えたピアサポート活動
ひきこもりから脱したい──。最も望んでいるのは誰あろう当事者本人のはずだ。しかし、中々きっかけがつかめない。ひきこもる期間が長引けば長引くほど、追い詰められ孤立していく。そんな当事者に手を差し伸べ、心の扉を開かせていくのが、同じ経験を持つピアサポーターだ。彼らと訪問支援を受ける家族の側の想いを取材した。(武智敦子)
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【医療】
社会医療法人社団カレスサッポロの大城辰美理事長に訊く
地域医療連携推進法人を設立し
相互補完で人材育て、事業発展
全国初。北海道医療大学と連携へ
社会医療法人社団 カレスサッポロ(本部札幌・大城辰美理事長)と学校法人東日本学園 北海道医療大学(本部当別・東郷重興理事長)が、昨年の改正医療法で国が打ち出した地域医療連携推進法人(以下連携法人)の設立に向けて4月11日、基本合意書に調印した。医療法人と学校法人がこの制度を利用して連携するのは全国初。医学教育の質的向上を図るとともに、双方の医療機関で病床をはじめ医師や他の医療スタッフの相互補完を行ない、事業発展の基盤を構築することが狙いだ。基本合意に至った経緯やカレスサッポロが取り組む人材育成の意義を大城理事長(60)に訊いた。
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【医療】
日本医療大学の総長に就任した
札医大トップ、島本和明氏に訊く
認知症治療、病院開設に向け大きく
前進する「つしま医療福祉グループ」
札幌医科大学の学長・理事長を辞し、つしま医療福祉グループ(本部札幌・対馬徳昭代表)入りを果たした島本和明氏(69)。この4月から日本医療大学の総長に就任した島本氏は、大学院や病院設立に向けた推進役として期待されているほか、同グループが取り組む認知症研究の強力なエンジンになりそうだ。とりわけ注目されるのは、札医大時代の島本氏が旗振り役となって研究開発を進めた再生医療の認知症への応用だ。認知症が治療可能な時代を見据えて医療と介護をコラボさせ、新たな地平に乗り出そうとしている同グループ。在宅介護の分野で全国をリードしてきた対馬代表の新たなパートナー“島本総長”に今後の抱負と意気込みを訊いた。(4月18日収録)
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【医療】
最先端のレーザー白内障手術を
導入した札幌のカルナメドアイ
自動化と免疫治療の相乗効果で
患者の感染リスクをゼロにする
日本で年間約140万件の手術が行なわれる白内障。その最も新しい治療法が低侵襲性で術後感染症のリスクを軽減したレーザー手術だ。メディカルグループ・カルナメドが運営する「眼科手術クリニック カルナメドアイ」(札幌市中央区)では、このほど北海道内として初のレーザー白内障治療機器を導入。糖尿病やがんなどで感染症リスクが高い患者にも安心して治療を受けてもらうため、オプションとしてレーザー治療と免疫治療などを組み合わせた「カルナメド・スタイル」を提案している。本道で始まった白内障治療の最前線をグループの核である医療法人 芳佑会の高柳芳記理事長とレーザー治療の責任者である河原温医師(カルナメドアイ釧路院長)に取材した。
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【防災】
防災グッズだけで安心していませんか?
日本全国に“地震リスク”が…
大規模災害への備えを急げ!
4月14日に熊本県益城町で震度7を記録して以降、相次ぐ余震により同県と大分県に多大な被害をもたらした熊本地震は、日本が“地震列島”であることを改めて印象付けた。身の回りで大規模災害があった際、自分や家族の身を守るためにどうすればいいのか、また事前にどのような備えをしておくべきなのか──。札幌市消防局に在籍中は防災部防災課長や同市危機管理対策課長などを歴任した(公財)札幌市防災協会の細川雅彦事務局長と、平成23年に発生した東日本大震災の際に宮城県仙台市で被災し、現在は道内避難者への支援活動を行なう(一社)北海道広域避難アシスト協会の佐藤伸博代表理事を訪ね、主に地震を念頭に平時になすべきことと有事の際の心構えなどを訊いた。
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【就労支援】
教育と福祉をつなぐ新しい「学び」を
NPO法人星槎さっぽろ教育センター
若者の就労を支援するため他事業者との連携も
NPO法人星槎さっぽろ教育センター(武内隆央センター長)が、札幌市北区にフリースクール「星の教室」を開設して3年。障害のある児童生徒を対象にした放課後等デイサービス「星の音」を併設するなど、教育と福祉をつないだ新しい学びの場の創出が注目されている。
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【長期連載】“農と食"北の大地から
産業用大麻の可能性(番外編2)
──東川町の特区申請取り下げと今後の課題──
東川町農協が申請取り下げ決議
“出口戦略”に苦悩する栽培農家
産業用大麻(ヘンプ)の試験栽培を進める上川管内東川町と東京の一般社団法人が内閣府に対し、大麻草の全草利用ができる国家戦略特区の指定を申請してから5カ月。同町は4月中旬、一転して特区申請の取り下げを決めた。特区申請による地元農産物のイメージ低下を懸念する東川町農協の総代会で、申請の取り下げを求める決議が採択されたことなどが背景にある。前号以降の経緯を紹介するとともに、試験栽培で生産されたヘンプの加工品の出口戦略に苦悩する栽培農家の状況や、栽培・加工研究の進め方、種子供給の今後、道庁内での合意形成など山積する課題とその解決策について、私見を交えて報告したい。(ルポライター 滝川 康治)
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【話題の人】
就労継続支援B型事業所「SOLA」の
管理者を務める美容師・奥山 豪太さんに訊く
「就労支援を始めてから、
ツールとして美容師を
続けていこうと思うように」
昨年6月、札幌市北区に就労継続支援B型事業所「SОLA(ソラ)」がオープンした。立ち上げたのは、美容師の奥山豪太さん(32)。23歳で独立して市内にサロンを構え、マンツーマンのきめ細かいサービスが評判を呼ぶ人気スタイリストは、障害者や高齢者を対象とした訪問美容サービスを通じ、「障害を持つ若者たちが社会復帰する架け橋になりたい」と起業を決意したという。行動力と豊かな発想力で夢を実現する奥山さんの素顔に迫った。(聞き手・武智敦子)
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【フォトレポート・トピックス】
*伝説の雀士、小島武夫が来札! 介護事業「輝」の“健康麻将”親睦会を応援
*北海道コカ・コーラが自然保護活動を支援「北海道e‐水プロジェクト」
*土屋・北ガスの連携で賃貸住宅の省エネ化推進。暖房費込みの賃料「スマートT」
*道内各地のスイーツが大集合「北海道お菓子フェア2016」開催へ
*アサヒビール北海道工場が竣工50周年
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【連載コラムなど】
*道北フォトエッセイ
*根掛かり人生
*視点 公共交通をどうする?
*夏井功の「夜を駈ける車イス」
*風俗嬢の休日
*シネマ
*須賀章雅のよいどれブンガク夜話
*名画の小部屋
*スポーツ筆刀両断
*札幌異才探訪
*トンデモ撮影日記
*新設企業情報
*人物株価
*古本屋女房の“古本的日常"
*私のラバさん酋長の娘
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『夏前映画会(タツナバカ)』
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