2016年04月25日
【5区補選】全国注視の与野党総力戦は、自民・和田氏に軍配
町村氏の遺影を掲げてガッツポーズする和田氏と夫人
【リアルエコノミー提携記事】参院選の前哨戦として全国的に注目を集めた衆院北海道5区補欠選挙は、自民党新人で公明・こころ・大地が推薦する和田義明氏(44)が初当選した。故町村信孝衆議の娘婿で事務所も旧町村事務所を継承、主が変わった事務所内は当選を喜ぶ支持者たちの笑顔が広がった。
だるまに目を入れた和田氏と夫人
事実上、与野党が全面対決した5区補選を制した和田氏が事務所に現れたのはNHKで当確が出てから15分後の午後10時25分ころ。支援者たちの拍手に包まれて和田氏は一人ひとりとがっちりと握手して回った。
町村氏の遺影を掲げながら和田氏は、「多くの方々が汗をかいて足を棒にして、雨の中でも雪の中でも本当に頑張っていただいたので絶対に勝つと信念を持っていたものの、やはり最後の最後まで不安でした。テレビを見ていて票数ではリードされていたので、生きた心地がしなかった。皆様に勝たせていただいた。心からお礼申し上げます」と選挙戦で枯らした声を一層張り上げた。
続いて、「経済が第一だということが有権者に届いたのではないでしょうか。これまで父が心血注いで32年間頑張ってきたことも含めて評価いただいたと思う。商社マンの経験を生かして北海道の魅力を道外、海外に売り込むセールスマンとして頑張っていきたい」と力を込めていた。
事務所内には、道内選出国会議員や道議、経済界の面々や故町村氏からの有力支援者たちが集まり熱気で汗ばむほど。あちこちから「おめでとう」、「いい顔しているよ」、「もっと笑顔で」という掛け声が途切れることがなかった。
和田氏は、夫人とともに町村氏の遺影を掲げてガッツポーズを繰り返した。
選挙前から与党は総力戦を展開。安倍首相は熊本地震の発生で選挙応援には駆けつけられなかったが、総力戦で勝ちを取りに行った選挙で与党は確実に議席を確保することができ、政権が最も安堵した結果になった。勝利の弁を語る和田氏の初々しさと清々しさが事務所には溢れていた。町村後継と言いながら個性も印象も町村氏とは異なり、2人の共通点は少ないように見える。新人和田氏は町村氏を超えられるか、これから重い課題を背負うことになったとも言えそうだ。
敗戦の弁を語る池田氏
一方の池田真紀氏(43)陣営。和田氏の当確が報じられると会場はどよめきたち、テレビ画面で和田氏の姿が映ると、「やめてくれ」など支援者からの悲痛な言葉もちらほら聞こえた。
そうした中、池田氏は神妙な面持ちで事務所に姿を表した。
「朝も晩も寝る間を惜しんで必死に一緒に戦ってくれた皆さん、心の底から応援してくれた全国の皆さん、思いや願いを(自分に)投じてくれた皆さん。本当にありがとうございました」
池田氏の敗戦の弁は、支援者への謝辞から始まった。そして今回の選挙結果について「悔しくてなりません」と、率直な心境を吐露した。
続けて、この選挙戦の総括については、
「(この選挙戦で)人々の“生きづらさ”といった見えない社会問題が顕著になったと思っています。そして、市民一人ひとりが主体的に動き、そして強固につながった選挙は今回が初めてではないでしょうか。これは紛れもなく大きな一歩になったと思います。この確かな一歩を全国の希望に必ず変えていきたい」
と、現政権vs市民の図式で接戦に持ち込んだ今回の成果を、全国にも広げていきたい意向を示した。
自身の今後に関しては、
「市民としての活動、福祉の専門家としての活動を、政治へも反映できるように取り組んでいきます」
と語り、それを受けた支援者らは激励の言葉と割れんばかりの拍手で、池田氏をねぎらった。その後、池田氏はやや強張った表情ながらも、笑顔で事務所を後にした。
事務所を後にする池田氏
さて、事実上の与野党一騎打ちで、安保関連法の是非に、憲法改正やTPP、果ては待機児童問題まで論じられたこの選挙戦。その勝負の行方は、和田氏の勝利で幕を閉じたが、それに拮抗する戦いを繰り広げた民進・共産を主とする野党共闘連合も、夏の参院選に向け一定の成果を挙げたと言えそうだ。
そして、和田氏の勝利で民主(現民進)除名の汚名をそそぎ、一気に存在感を高めた鈴木宗男・貴子父娘擁する新党大地。
今回の道5区補選は文字通り、夏の参院選の混迷を示す大いなるプロローグとなったようだ。
Posted by 北方ジャーナル at 09:33│Comments(0)
│政治経済
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。