2016年03月23日
【道5区補選】イケマキ応援にシールズや辻元衆議らが参集
5野党の女性議員団と池田氏の街頭演説(左から生活森氏、維新太田氏、民主辻元氏、池田氏、共産高橋氏、社民山内氏。3月21日午後、イオン江別店前)
4月24日の投開票を予定している衆院道5区(札幌市厚別区、石狩管内)補欠選挙まで、約1カ月に迫った春分の日の3月20日(日)と振替休日の同21日(月)。この週末2連休、野党統一候補としての出馬を予定している無所属の新人、イケマキこと池田真紀氏(43)の下には、安保関連法廃止の運動を展開している若者グループ・SEALDs(シールズ)の中心メンバー奥田愛基氏や、民主党・辻元清美衆議、維新の党・太田和美衆議、共産党・高橋千鶴子衆議、元文科副大臣で生活の党・森裕子前参議、社民党・山内恵子元衆議ら女性政治家など、安倍政権に「NO」を突き付ける急先鋒らが次々と集まった。
協定調印後、関係者らは固く握手(左から上田氏、山口氏、池田氏、奥田氏。3月20日、ホテルエミシア札幌)
3月20日午後、札幌市厚別区のホテルエミシア札幌で行なわれた市民集会。ここで、シールズなど5団体で組織する有志団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(以下市民連合)」が池田氏を推薦する協定の調印式を行なう事が事前に伝えられていた。
会場には前述の池田氏、奥田氏をはじめ、市民連合の呼び掛け人である山口二郎法政大教授、「戦争させない北海道をつくる市民の会(以下市民の会)」呼び掛け人の上田文雄前札幌市長など、安保関連法廃止を掲げるキーパーソンが一堂に会した。その会場に訪れたのは、主催者の予想を大きく上回る約600人の池田氏支援者。用意した椅子は追加したものも含めて全て埋まり、立ち見を余儀なくされた来場者も大勢見受けられた。
その壇上では、前述した各人による様々な視点からの痛烈な現政権批判が展開されたが、中でも印象深かったのは、池田氏への野党共闘支援に対して、“民共合作”または“野合”と相手陣営側が批判あるいは揶揄している事への反論だった。
「“民共合作”という言葉は、安倍政権の焦りや恐れの裏返しのように感じる。今回の選挙はいわば立憲対非立憲の戦い。更に言い換えれば為政者がルールを無視して好き放題を行なう野蛮対文明の戦いだ」(山口氏)
「有権者に選択の可能性を無くし、思考停止を強いる為政者は独裁者。安倍首相は民主主義とは程遠い方だと思う」(上田氏)
「今回の選挙は政党間の争いではなく、現政権対国民の戦い。そもそも“民共合作”と言うのは、その他の政党に失礼ですよ(笑)」(池田氏)
協定調印前の奥田氏(中央)、池田氏(右)トークイベント(左は司会の川原茂雄札幌学院大教授)
この集会では、安保関連法を巡る一連の抗議行動で一躍脚光を浴びるようになった、シールズ奥田氏の発言も大きな注目を集めた。
「当たり前の事が守られない政治になってきている。果たして首相とは本当に国の最高責任者なのだろうか。この国の主権者は国民ならば、国民のための国家であるべきだ。一億総活躍、女性の働きやすい社会、と言っている割には待機児童の数はまだまだ多い。また、介護士や保育士の給料が低すぎるという現状を改善する事なく、ただ“必要な仕事です”と言い続けている。言っている事とやっている事に苛立ちを感じます」
そして、市民連合と池田氏との間で結ばれた推薦協定の調印式後に、来場者に向けて発せられた同氏の呼び掛けには、割れんばかりの拍手が起こった。
「池田さんが落選するような事があれば、それは池田さん一人の責任ではない。僕らの責任、みんなの責任です。だからこれは池田さんだけの選挙ではなく、みんなの選挙なんです」
野党5党に続き、シールズら市民連合との共同戦線も実現させたイケマキ氏の連休1日目はこうして過ぎた。
明くる3月21日午後。イオン江別店とコープさっぽろ北広島店の2会場で池田氏の街頭演説会が行なわれた。その池田氏の両翼にずらり並んだのが、前述の民主辻元衆議・維新太田衆議・共産高橋衆議・社民山内元衆議・生活森前参議の女性政治家5名だ。この場でも強調されたのが、“民共合作”“野合”批判への反論。辻元氏は「この選挙は安倍政権対国民、道民の戦いだ」と力説した。
また、太田氏は自身も2006年の千葉7区補欠選挙で民主党の新人として衆議初当選を果たした事について触れ、
「当時は、民主党がライブドア偽メール問題で失墜していた時期で、その補選も民主党には全く勝ち目は無いと言われていた。だが、それを覆したのが今回(の道5区補選)のような全野党一丸となっての戦いだった」
と、自身の経験談を通して池田氏にエール。
森氏は、自身が民主党と袂を分かち生活の党に移った経緯に触れた上で、
「民主党から離れた我々生活の党への批判や、それを仕掛けた小沢一郎党首への批判は当然あるだろう。だが、こうした批判を乗り越えてでも、今回の選挙は野党一丸となって戦う必要がある」
とボルテージを上げた。
女性向け集会の様子(3月21日、ホテルポールスター札幌)
この街頭演説会後。池田氏ら一同は札幌市中央区のホテルポールスター札幌で再び合流。そこで行なわれた女性向け政治集会のパネル討論会に参加した。辻元氏が司会進行を務めたこの討論会では、シングルマザーや介護、保育の現場で働く女性スタッフなど、現在進行形で様々な課題、問題に直面している当事者からの悲痛な訴えが吐露され、それらについて熱心な議論が行なわれた。
乳児を抱いた母親や学生などの姿も目立ち、様々な世代の女性が詰め掛けたこの集会。その締め括りで池田氏が最も力説したのは、憲法改正へ踏み出そうとする動きが見られる現政権への警鐘だった。
「昨年9月に安保関連法が強行採決されたが、現在、安倍首相は憲法改正するとまで発言している。これは改正ではなく改悪だ」とした上で 「憲法を変えるという事は、全ての人に関わる基本的人権や当たり前の暮らし、個人の尊厳が根底から覆ってしまうという事。これは絶対に阻止しなければならない。小異を捨てて大同に就く、では無く、人々の声なき声である小異を残しつつ、平和憲法を守るという大同に就いて、この選挙を戦っていく」と怪気炎を上げた。
集会後、憲法改正阻止を強く訴える池田氏
シールズ奥田氏らの市民連合に野党5党の女性議員団と、次々と役者が出揃う中、総力戦に向けたイケマキ陣営のボルテージが上がってきたようだ。
タグ :池田真紀 道5区補選 選挙
Posted by 北方ジャーナル at 10:12│Comments(0)
│政治経済
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