2014年11月05日
「ついに」それとも「やっと」? 佐藤氏が知事選に出馬表明
自著を手に北海道愛を訴えた“のりさん”(11月4日午後、ホテルポールスター札幌で)
HBCアナウンサーやフリーキャスターを42年間務めた佐藤のりゆき氏(64)が11月4日午後、札幌市内のホテルで来年春の北海道知事選に出馬することを正式表明した。記者や支持者約80人が集まる中、佐藤氏は「今の北海道に足りないのは企画と実行力。国とのパイプは幻想であり、自ら生きる自立のための作業を道民が心ひとつになって進めていきたい」と訴えた。

支援者らも傍らに並んで会見に臨んだ
佐藤氏は18年間続けたUHBの「トークDE北海道」のキャスターを辞めた2年前から大学教授や経済人、病院経営者らとともに北海道独立研究会を組織。北海道の問題点や自立の方策を探り、その集大成となるプランをこの秋に一冊の本として刊行した。「本にまとめた段階でこのプランを実践しなければならないと強く感じるようになった」と出馬表明に至る心のうちを明らかにし、「北海道に生まれ育ち、骨を埋める人間でないと分からないプランだと確信している。北海道からいずれ離れる人には分からないプランだろう」と繰り返し、名指しは控えたが高橋はるみ知事への対抗心を覗かせた。
佐藤氏が強調したのは、北海道への地元愛。「北海道が大好きで一番北海道を愛している自負を持っている」「北海道の人が大好き」と何度となく繰り返していた。そのうえで、「この10年、“北海道丸”は大海原で前に進んでいない。この状態が続くと今ここで頑張っている若者たちや子供たちの未来が心配。北海道丸を少しでも前に進めるためには、足りなかった企画と実行力がぜひとも必要だ」と述べ、「優秀な道庁職員を活かすには民間経営の視点を持ったトップが必要」と訴えた。

詰めかけた報道陣。メディアの関心の高さが伺えた
具体的な政策は15〜16項目ほどあるとしたが、年内にマニフェストとして取りまとめ今後の会見で明らかにするとした。記者のやり取りの中で「脱原発、再稼働反対のスタンスだが、電気料金再値上げで中小企業は苦しんでいるので(再稼働の是非については)最終的には道民投票で決める」「TPPは反対だが農業の基盤強化は必要」「若者たちを道外に流出させない新産業が必要」「観光予算を増やし入り込みを増やす」など政策の一端は示していた。
選挙戦については、地方自治に政党色は必要ないとして道民党を標榜、特定政党と組む考えはないとしたが、「政策を見て応援してもらうのは大変ありがたい」とも述べ支援を受ける可能性は否定しなかった。
選挙経験のある2人のベテランに参画してもらい、11月16日には事務所開きを行って選挙戦術や体制づくりを進めていく考え。「お金がないため多くの人にカンパをお願いしたい。来年には北海道への思いと政策を聞いて頂きカンパをしていただく企画を作る」と道民参加の流れを作る思惑も見せた。
会見場となったホテルポールスター札幌4階の「ライラック」はチャペルの結婚式場。蘭越町農業青年団や浜中町酪農青年団有志、礼文町有志などの幟が立つ中、司会は佐藤氏と同窓の北海学園大現役学生男女2人が務めた。佐藤氏は「この10年間、北海道は前に進んでいない」と述べたが、一方で地域の若者たちの自発的な祭りやイベントが各地で開催されるようになった流れもあり自立の機運は芽生えつつある。こうしたバワーをどう地方の成長に結び付けていくかが課題で、地方都市の施策をサポートする道の踏み込み方は十分とは言えない。知名度では高橋知事に遜色ない佐藤氏が、こうした地方の不満の受け皿となる可能性もある。
Posted by 北方ジャーナル at 10:06│Comments(0)
│政治経済
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