2013年07月12日
カブトデコムの臨時株主総会で承認された「最後の決算」
札幌市西区のホテルヤマチで開かれたカブトデコムの臨時株主総会(7月11日午前)
特別清算手続きを進めているカブトデコムの代表清算人、安田好弘弁護士は7月11日、同社(解散決議済み)の今年2月末時点での保有資産を確定するため札幌市内で臨時株主総会を開催した。清算財産目録と清算貸借対照表の承認を得るのが目的で、総会出席株主と書面参加株主を合わせて過半数の同意が得られ、清算に向けて一歩進んだ形となった。
この日の臨時株主総会では整理回収機構(RCC)が75億円の債務返済を受けていたことが明らかになり、併せて米国子会社のカブト・インターナショナル・コーポレーションが全資産を売却したことも報告された。当日出席した株主は11人。午前11時に始まり、議長を務めた安田弁護士の報告は5分で終了、その後は株主5人が質問し採決を経て終了したのは1時間後だった。
総会で安田弁護士は、米国の子会社カブト・インターナショナル・コーポレーションが全資産を売却して75億円を親会社のカブトデコムに送金、その後RCCに支払い利息として同額を払ったことを説明。安田氏は「資産売却でカブト・インターナショナル・コーポレーションは財産がゼロになり営業していないというレポートを同社から得ている」と述べたが、株主の一人は「米国子会社の登記は残っているし、つい最近も米国子会社の社長はいつものように会社に出ていることを確認している」と質問する場面があった。これに対して安田氏は「レポートを信じて欲しい」と述べるにとどまった。
また、RCCが75億円を受け取ったことに対し、株主から「株主に分配される残余財産を奪い取る行為」と指摘する声も出たが、安田氏は「RCCは債権者であって株主ではない」と答えた。
RCCのカブトデコム債権は3648億円だが、両社は2002年3月に51億円を8年間で分割返済する合意を取り交わしている。しかし、合意した債務額のうちこの2年間は返済が滞り、昨年3月時点で6億円が未払いとなっていた。
カブトが今年2月までにRCCに支払った額は75億円にも及んでいたわけだが、これによってRCCは02年に合意した51億円をはるかに上回る120億円もの返済をカブトから受けていたことになる。しかも、RCCと安田氏は、米国子会社から「資産がゼロになったというレポート」を受け取っているだけで実際には検証していないという。
株主の1人は、米国子会社が本当に事業を停止したのかを検証するべきだ」と追及。採決に反対したが、書面参加株主の多くが賛否を記していなかったため賛成票にカウントされ、過半数の賛成が得られたとして議案は承認された。なお、出席した株主の中で反対したのは5人、承認は3人だった。
安田氏は今後、同社の特別清算手続きを行なっている札幌地裁に今日の結果を報告、裁判所が承認すれば最後の株主総会で清算が終了、裁判所が認可決定して終結する。
なお、株主の1人は、カブト創業者で現在も会長を務める佐藤茂氏が会社資産を隠匿した疑いがあるとして刑事責任を追及する構えだ。
(こ)
総会で安田弁護士は、米国の子会社カブト・インターナショナル・コーポレーションが全資産を売却して75億円を親会社のカブトデコムに送金、その後RCCに支払い利息として同額を払ったことを説明。安田氏は「資産売却でカブト・インターナショナル・コーポレーションは財産がゼロになり営業していないというレポートを同社から得ている」と述べたが、株主の一人は「米国子会社の登記は残っているし、つい最近も米国子会社の社長はいつものように会社に出ていることを確認している」と質問する場面があった。これに対して安田氏は「レポートを信じて欲しい」と述べるにとどまった。
また、RCCが75億円を受け取ったことに対し、株主から「株主に分配される残余財産を奪い取る行為」と指摘する声も出たが、安田氏は「RCCは債権者であって株主ではない」と答えた。
RCCのカブトデコム債権は3648億円だが、両社は2002年3月に51億円を8年間で分割返済する合意を取り交わしている。しかし、合意した債務額のうちこの2年間は返済が滞り、昨年3月時点で6億円が未払いとなっていた。
カブトが今年2月までにRCCに支払った額は75億円にも及んでいたわけだが、これによってRCCは02年に合意した51億円をはるかに上回る120億円もの返済をカブトから受けていたことになる。しかも、RCCと安田氏は、米国子会社から「資産がゼロになったというレポート」を受け取っているだけで実際には検証していないという。
株主の1人は、米国子会社が本当に事業を停止したのかを検証するべきだ」と追及。採決に反対したが、書面参加株主の多くが賛否を記していなかったため賛成票にカウントされ、過半数の賛成が得られたとして議案は承認された。なお、出席した株主の中で反対したのは5人、承認は3人だった。
安田氏は今後、同社の特別清算手続きを行なっている札幌地裁に今日の結果を報告、裁判所が承認すれば最後の株主総会で清算が終了、裁判所が認可決定して終結する。
なお、株主の1人は、カブト創業者で現在も会長を務める佐藤茂氏が会社資産を隠匿した疑いがあるとして刑事責任を追及する構えだ。
(こ)
Posted by 北方ジャーナル at 09:46│Comments(0)
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