2012年07月22日
エネ政策聴取会・札幌に172人 道外からの参加者も
280人超の参加申し込みがあった「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」
(22日午後、札幌市北区の札幌第1合同庁舎)
22日午後、札幌市北区の札幌第1合同庁舎でエネルギー・環境会議の「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」が開かれ、同市民ら172人が参加、20年後のエネルギーの選択肢について11人が意見表明した。会場には枝野幸男経済産業大臣が姿を見せ、聴取会の運営方法について批判が多いことに関し「決して結論ありきではなく、できるだけたくさんの方々のお考えを伺いたいと考えている」と話した。原発ゼロを目指す「0シナリオ」の意見表明希望者が多数を占めることから、当初3人だった枠を6人に拡大するなどの改善がなされている。
14日から全国11都市で開かれている聴取会の一環で、同日は大阪市でも108人が参加して開催された。
札幌会場では、2030年時点のエネルギー選択肢のうち「0シナリオ」(原子力比率0%)を選んだ6人、「15シナリオ」(同15%)の2人、及び「20~25シナリオ」(同20~25%)の3人の、計11人(男性9・女性2)が約7分間ずつそれぞれの意見を表明した。「0シナリオ」を採る人たちは、多くが原発事故のリスクや放射能汚染の危険性、使用済み核燃料の最終処理法が見つかっていないことなどを指摘し、再生可能エネルギーなどへの転換を訴えた。「15」「20~25」を支持する人たちからは、電力の安定供給の重要性や化石燃料依存への疑義などが示された。
最年少の意見表明者として参加した札幌市の鳶職・ラッパー歌代隼人(うたしろ・はやと)さん(27)は、「0シナリオ」の立場で発言。12万円程度の予算で太陽光発電システムを導入した知人のエピソードなどを紹介、「将来のエネルギーは、国や電力会社ではなく“われわれ”がどうするか、という問題」と訴え、「未来は俺らの手の中。泊再稼働反対。大飯停止」と呼びかけた。
当日は、これまでの聴取会で指摘されたような“ヤラセ”などの問題は見られなかったが、「15シナリオ」表明者の中に長野県在住の男性がいたことで、会場から「道民の意見を聴く場ではないのか」と疑問の声が。これに対し、枝野経産相が「参加者募集について在住地の制限は設けていない」と説明する一幕があった。また「20~25シナリオ」表明者の女性が「会場で突然『意見表明を』と言われた」と口走ったのに対し、主催者にその真意を問う声が上がった。
聴取会事務局によると、札幌開催には286件の参加応募があり(傍聴157、「0シナリオ」意見表明106、「15」表明10、「20~25」表明13)、うち242人が当籖(傍聴230、意見表明12)、当日は傍聴161人と意見表明11人の計172人が参加した。「0シナリオ」意見表明者として参加した札幌市中央区の常田益代さん(66)は「女性の意見表明者が少なかったことが疑問」と、参加者の人選について苦言を呈している。報道機関からは、40社82人が来場した。
聴取会はこの後、富山市(28日)、広島市(29日)、那覇市(同)、福島市(8月1日)、高松市(同4日)、福岡市(同)などでの順次開催が決まっている。 (ん)
Posted by 北方ジャーナル at 18:42│Comments(0)
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